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ナナホシテントウ(Coccinella septempunctata)の分類 テントウムシ科(Coccinellidae)
ナナホシテントウ(Coccinella septempunctata)の概要 Coccinella

ナナホシテントウ(Coccinella septempunctata)

【 学名 】
Coccinella septempunctata Linnaeus, 1758

基本情報

大きさ・重さ

・成虫体長:5.0~8.6 ㎜
・幼虫全長:約 10 ㎜(成熟幼虫)
・卵の大きさ:長軸 1.5 ㎜ × 短軸 0.5 ㎜

参考文献

  • 2018 テントウムシハンドブック - 書籍全体, 阪本優介(著) テントウムシハンドブック. 文一総合出版. .
  • 2012 虫の卵ハンドブック - 書籍全体, 鈴木知之(著) 虫の卵ハンドブック. 文一総合出版. .

最終更新日:2020-08-10 ひろりこん

分布

北海道、本州、四国、九州、琉球、千島、小笠原、硫黄諸島、ユーラシア大陸のほとんど全域と近隣諸島、アフリカ北部、アメリカ(移入)

参考文献

最終更新日:2020-08-10 ひろりこん

亜種

日本などで見られるものを subsp. bruckii Mulsant とすることもある。ssp. bruckii は原種より上翅斑紋が大型である。

参考文献

最終更新日:2020-08-10 ひろりこん

形態

成虫の形質

赤色~橙色の地色に、黒紋が壱1/2-1-2に並ぶ。ときに斑紋が融合する異常型が見られる。

参考文献

  • 2018 テントウムシハンドブック - 書籍全体, 阪本優介(著) テントウムシハンドブック. 文一総合出版. .

最終更新日:2020-08-10 ひろりこん

地理的変異

南西諸島のものは黒紋が縮小する傾向がある。斑紋が小さい型はかつてコモンナナホシテントウと呼ばれていた。

参考文献

  • 2018 テントウムシハンドブック - 書籍全体, 阪本優介(著) テントウムシハンドブック. 文一総合出版. .

最終更新日:2020-08-10 ひろりこん

似ている種 (間違えやすい種)

アイヌテントウ、ココノホシテントウ

参考文献

  • 2018 テントウムシハンドブック - 書籍全体, 阪本優介(著) テントウムシハンドブック. 文一総合出版. .

最終更新日:2020-08-10 ひろりこん

生態

成虫の生息環境

低地帯から低山帯

参考文献

  • 2012 昆虫好きの生態観察図鑑Ⅱ コウチュウ・ハチ・カメムシ他 - 書籍全体, 鈴木欣司、鈴木悦子(著) 昆虫好きの生態観察図鑑Ⅱ コウチュウ・ハチ・カメムシ他. 緑書房. .

最終更新日:2020-08-10 ひろりこん

成虫の食性

アブラムシ、テントウムシ

参考文献

  • 2012 昆虫好きの生態観察図鑑Ⅱ コウチュウ・ハチ・カメムシ他 - 書籍全体, 鈴木欣司、鈴木悦子(著) 昆虫好きの生態観察図鑑Ⅱ コウチュウ・ハチ・カメムシ他. 緑書房. .

最終更新日:2020-08-10 ひろりこん

ライフサイクル

ススキやメリケンカルカヤなどのイネ科植物の根元で、数匹~数十匹の集団で越冬する。

2月から草原に現れカラスノエンドウやレンゲに向かう。5月に産卵開始。7月には発見できない。

夏季は餌となるアブラムシの個体数が減少し、それに伴いススキなどの根元で、冬季と同じように数匹~数百匹の集団(1株当たり)で成虫越夏(夏眠)する。

8月前半にオミナエシなどの花に戻り、11月ごろまで野菜畑や草地、バラ園などに見られる。

参考文献

  • 桜谷保之 1998 テントウムシ類の生活, 日高敏隆(監修) 石井実、大谷剛、常喜豊(編) 日本動物大百科10:昆虫Ⅲ. 平凡社. pp. 134-135.

最終更新日:2020-08-10 ひろりこん

孵化・脱皮・羽化

ナナホシテントウの蛹は、日のよく当たる葉の表面に付着しているが、その背面の方角は南向きの個体が多く、また、蛹の体と地平線の角度は、その地方の太陽の南中時の太陽高度に対して直角になっている個体が多い。すなわち、太陽の放射熱を最大に受ける方角と角度をとっているわけで、こうしたポジションで蛹化することによって、太陽の放射熱で体温が上昇し、発育期間がかなり短縮されていることがわかっている。

しかも、蛹の地平面との角度は季節変化し、太陽高度の高い初夏に蛹化する個体は 30° 前後の小さな角度で、太陽高度の低くなる晩秋に蛹化する個体は 70~80° の大きな角度で蛹化し、太陽高度の季節変化に応じてつねに太陽放射を直角に受けられるように調節していることが観察される。

さらに、ナナホシテントウでは晩秋にはコンクリートなど太陽の放射熱で暖まりやすい物体で蛹化する個体も多く、こうした個体は、物体からの伝導熱でさらに発育期間が短縮される。こうした蛹期間の短縮は、共食いを減少させるとともに、発生量や発生時期が不安定な餌のアブラムシに対する適応と考えられる。

参考文献

  • 桜谷保之 1998 テントウムシ類の生活, 日高敏隆(監修) 石井実、大谷剛、常喜豊(編) 日本動物大百科10:昆虫Ⅲ. 平凡社. pp. 134-135.

最終更新日:2020-08-10 ひろりこん

産卵

メスは春は枯葉の裏側や石、秋はアブラムシ類が発生している各種植物の葉裏などに、20卵ほどをまとめて産み付ける。

また、生息地の草地に捨てられた空き缶などのごみに産卵されているのもよく見かける。このようなごみは、生の植物の葉にくらべて熱吸収率が非常に高く、冬でも晴天の日には 20~30℃ の高温になって、卵の発育が進んでふ化が可能になっていることが判明した。

参考文献

  • 2012 虫の卵ハンドブック - 書籍全体, 鈴木知之(著) 虫の卵ハンドブック. 文一総合出版. .
  • 桜谷保之 1998 テントウムシ類の生活, 日高敏隆(監修) 石井実、大谷剛、常喜豊(編) 日本動物大百科10:昆虫Ⅲ. 平凡社. pp. 134-135.

最終更新日:2020-08-10 ひろりこん

特徴的な行動

苦く、独特のにおいをもつテントウムシの体液は、おもに脚の腿節と脛節の関節部から分泌され、一説によると彼らの血液である。そのなかには脊椎動物に対して有毒な物質が含まれており、防御効果をもつと考えられている。

参考文献

  • 片倉晴雄 1998 愛らしい姿は捕食者に対する警告, 日高敏隆(監修) 石井実、大谷剛、常喜豊(編) 日本動物大百科10:昆虫Ⅲ. 平凡社. pp. 135-136.

最終更新日:2020-08-10 ひろりこん

関連情報

外来種としての影響

米国に1958年に導入された。
1973年に本種の米国での定着を確認。クホシテントウ(C. nobemnotata)等の土着種を駆逐し,これに置き変わっている可能性がある。

参考文献

最終更新日:2020-08-10 ひろりこん

種・分類一覧