- 解説一覧
- コエゾゼミ(Auritibicen bihamatus)について
セミ科(Cicadidae)
Auritibicen
コエゾゼミ(Auritibicen bihamatus)
- 【 学名 】
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Auritibicen bihamatus (Motschulsky, 1861)
目次
基本情報
- 大きさ・重さ
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成虫全長：48〜54 mm
成虫体長：34〜38 mm
前翅開長：90〜95 mm
参考文献
- 林正美・税所康正 2015 コエゾゼミ, 林正美、税所康正（著） 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図. 誠文堂新光社. 57.
最終更新日：2020-12-18 鍋
- 活動時期
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7月上旬〜8月末
参考文献
- 林正美・税所康正 2015 コエゾゼミ, 林正美、税所康正（著） 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図. 誠文堂新光社. 58.
最終更新日：2020-12-18 鍋
- 分布
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北海道・本州 (広島県以東)・四国・サハリン・南千島
参考文献
- 林正美・税所康正 2015 コエゾゼミ, 林正美、税所康正（著） 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図. 誠文堂新光社. 57.
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- 分類学的位置付け
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昆虫綱 カメムシ目 セミ上科 セミ科 セミ亜科 クマゼミ族 エゾゼミ属 コエゾゼミ
属名は従来 Tibicen が用いられてきたが、タイプ種の誤認を含め命名規約上無効とされ、最近では Lyristes へ移行する傾向が強くなってきている。しかし、Catalog of Life では本種の学名は Auritibicen bihamatus とされているので、ZUKAN はこれに従う。
参考文献
- 林正美・税所康正 2015 エゾゼミ属, 林正美、税所康正（著） 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図. 誠文堂新光社. 56.
- 税所康正 2019 日本産セミの分類, 税所康正（著） セミ ハンドブック. 文一総合出版. 18.
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形態
- 成虫の形質
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美しい中型のセミ。中胸背は黒地に黄色のW紋がある。前胸背外片には黄白色帯があり、外片後縁側方で黒色部によって切断される。複眼は暗赤色。前翅各横脈上には暗褐色紋があり、特に第1, 2横脈上の暗色部はしばしば発達してジグザグ紋となる。キュウシュウエゾゼミとサイズ・形ともに非常に似ており、特にメスは酷似するが、腹部腹面が黒く白粉を帯びる (キュウシュウエゾゼミは褐色に白粉を帯びる) ことで区別される。オスの腹弁は細長く、左右がはっきりと分かれている。
多様な斑紋変異があり、黒色部が退化して体全体が黄色〜黄褐色になるものや、頭部・胸背の斑は基本型と同じであるが、腹部背面全体が黄褐色となるもの、前胸背外片の黄白色帯が黒色部で切断されないものなどが見られる。
参考文献
- 林正美・税所康正 2015 コエゾゼミ, 林正美、税所康正（著） 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図. 誠文堂新光社. 57.
- 税所康正 2019 コエゾゼミ, 税所康正（著） セミ ハンドブック. 文一総合出版. 32.
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生態
- 成虫の生息環境
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北海道や東北地方では平地〜低山地に、本州中部以西では標高 900〜1500 m の山地 (ブナ帯) に見られる。ブナ、ミズナラ、ツツジ類、シラカバ、ナナカマド、アカマツ、エゾマツ、トドマツ、カラマツなど多くの樹木に生息する。
参考文献
- 林正美・税所康正 2015 コエゾゼミ, 林正美、税所康正（著） 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図. 誠文堂新光社. 58.
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- 成虫の食性
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植物の樹液 (導管液) を吸う。
参考文献
- 森山実 2015 Ⅰ 生態一般, 林正美、税所康正（著） 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図. 誠文堂新光社. 20.
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- 幼虫の食性
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成虫同様、植物の樹液 (導管液) を吸う。
参考文献
- 森山実 2015 Ⅰ 生態一般, 林正美、税所康正（著） 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図. 誠文堂新光社. 20.
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- 成虫の天敵
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鳥類のほか、カマキリやヤブキリ、スズメバチ (特にモンスズメバチ) 、アリなどの昆虫類やオニグモ、コガネグモなどのクモ類、多足類のオオムカデ類やゲジ類などに捕食される。また、寄生者としてシノナガニクバエなどのニクバエ類が知られている。
参考文献
- 林田直哉 2015 Ⅱ 天敵, 林正美、税所康正（著） 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図. 誠文堂新光社. 24~25.
- 林田直哉 2015 Ⅱ 天敵, 林正美、税所康正（著） 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図. 誠文堂新光社. 28.
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- 発音（鳴き声）
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"ビーーーーン" という連続音でアカエゾゼミに似る。エゾゼミのような震えるようなビート音はしない。間奏音には "ギッ, ギッ, ギッ, ギッ" という断続音で鳴く。
参考文献
- 税所康正 2019 コエゾゼミ, 税所康正（著） セミ ハンドブック. 文一総合出版. 33.
最終更新日：2020-12-18 鍋
- ライフサイクル
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成虫は7月上旬〜8月末にかけて出現する。
参考文献
- 林正美・税所康正 2015 コエゾゼミ, 林正美、税所康正（著） 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図. 誠文堂新光社. 58.
最終更新日：2020-12-18 鍋
- 生殖行動
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交尾形式はV字型。
参考文献
- 林正美・税所康正 2015 コエゾゼミ, 林正美、税所康正（著） 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図. 誠文堂新光社. 58.
最終更新日：2020-12-18 鍋
- 特徴的な行動
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梢付近や細い枝に主に逆さにとまって鳴く。間奏時には枝上をよく歩き回り、一度下方にまで降りてきて他の枝へと移動することがある。個体数の少ない地域では鳴き移りを行う。早朝などにメスが木の非常に低い位置で休んでいることがある。
参考文献
- 林正美・税所康正 2015 コエゾゼミ, 林正美、税所康正（著） 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図. 誠文堂新光社. 58.
- 税所康正 2019 コエゾゼミ, 税所康正（著） セミ ハンドブック. 文一総合出版. 32.
最終更新日：2020-12-18 鍋
