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アブラゼミ(Graptopsaltria nigrofuscata)の分類 セミ科(Cicadidae)
アブラゼミ(Graptopsaltria nigrofuscata)の概要 Graptopsaltria

アブラゼミ(Graptopsaltria nigrofuscata)

【 学名 】
Graptopsaltria nigrofuscata (Motschulsky, 1866)

基本情報

大きさ・重さ

成虫全長 55〜60 ㎜、成虫体長 34〜40 ㎜、上翅の開帳 95〜105 ㎜

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最終更新日:2020-05-12 En

活動時期

7月中旬から9月下旬

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分布

北海道、奥尻島、本州、飛島、粟島、佐渡、伊豆諸島(大島〜三宅島)、淡路島、隠岐諸島、四国、九州、壱岐、対馬、五島列島、天草諸島、甑島列島、種子島、屋久島;朝鮮半島、中国

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人間との関係

ナシなどの果樹園で大発生して、成虫が果実から吸汁するため、重要害虫になっているところもある。

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形態

成虫の形質

体は光沢のない黒色で、前胸背内片は赤褐色〜黒褐色。腹背は中央部を除き、両側が広く白粉で被われる。翅は赤褐色で、翅脈はしばしば黄緑色。後翅翅垂部は暗化する。

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地理的変異

本種の種内変異については西村(1989)が整理し、従来通り 2 つの斑紋変異型を認めている。その 1 つは、体は全体的に赤色〜赤褐色を帯び、中胸背は赤色地に半楕円形の黒色紋を持つものである。腹面や脚も全体的に淡色(淡赤褐色)となり、このような個体はかつて1変種、セアカアブラゼミ( var. badia Kato 1925 ;模式産地:東京、千葉)という名前で区別されていた。赤色味の程度は連続的な段階で見られる。また、関東地本などの東日本のみに見られるといわれていたが、関東地方〜九州にかけての広い地域から知られている。もう一つは、体色は基本型と同じであるが、中胸背に2個または4個の黄褐色〜赤褐色の小斑が横に並ぶものであり、赤褐色斑が大きく発達した個体にはかつて変種 var. testaceomaculata Kato 1937(四国、九州)として区別されていた。四国から九州(対馬、屋久島を含む)にかけてしばしば発見され、中間的な段階がいくつか見られる。また、前翅の淡いさざ波模様が消失し、全体的に濃い赤茶色に彩られた個体(赤翅型)が対馬で採集されている(林, 2010)。さらに、複眼が鮮血色となる個体が稀に知られる(林田, 2015)。

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生態

成虫の食性

成虫は樹皮を通して汁液を吸収するほか、果実からも吸収する。

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発音(鳴き声)

”油の煮えたぎる”ような喧騒な声で鳴く。
一回の鳴き声が40秒ほどで、ふつうは終止せずに間奏音を介して鳴き続けるが、一回ごとに終止して移動する(鳴き移りする)ことも多い。鳴く時には腹部をやや持ち上げたままにし、腹弁の隙間をやや開けて鳴く(この時腹部を動かすことはない)。周波数は、 5 kHz と 15 kHz にピークをもち、この点ではリュウキュウアブラゼミに酷似している。”ジーーーー”という鳴き声はよく聞くとエゾゼミ属の鳴き声と異なり、こぶしのような震えを伴う。本種とリュウキュウアブラゼミの鳴き声については、松浦(1989)が詳しく比較分析をしており、基本周波数は本種が約 6.5 kHz 、リュウキュウアブラゼミが約 6 kHz と報告している。

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ライフサイクル

枯れ枝、幹、電柱などに2〜3個ずつ産み込まれた卵はそのまま越冬し、翌年6〜7月ごろ孵化して1令幼虫となる。これは地中に潜入してナシ、リンゴ、トチ、その他各種の樹木の根から汁液を吸収して成長する。東京ではほぼ1年ごとに令を増し、孵化から5年後に終令、5令となり、翌年の7〜8月ごろ、産卵から数えて7年目、孵化からは6年目にようやく地上に現れ、羽化して成虫となる。

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活動時間帯

もともと夕方に鳴く習性があり、出現初期には日没前後に活動的となるが、個体数が増加するとほぼ一日中鳴くようになる。

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種・分類一覧