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モリチャバネゴキブリ(Blattella nipponica)の分類 チャバネゴキブリ科(Ectobiidae)
モリチャバネゴキブリ(Blattella nipponica)の概要 Blattella

モリチャバネゴキブリ(Blattella nipponica)

【 学名 】
Blattella nipponica Asahina, 1963

基本情報

大きさ・重さ

体長 雄 12.5 ㎜内外 雌 11.5 ㎜内外
前翅長 雄 11.0 ㎜内外 雌 12.0 ㎜内外

参考文献

最終更新日:2020-05-20 瀬戸内味わいにぼし

分布

東京付近を北限として以南の太平洋沿岸各地、日本海側は石川県まで分布し、南限は種子島に至る。
国外では済州島など。

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最終更新日:2020-05-20 瀬戸内味わいにぼし

形態

成虫の形質

頭部は淡褐色。
前頭には複眼の最狭部をむすぶ黒条がある。
雌ではこの黒条の中央部は下方に尖って延長し、頭楯上のY字状斑に達する。
チャバネゴキブリでは同様な紋が存在するが、変化多く、しかも往々体の黒斑の大部分を欠如する個体があるので、両種の区別に当って頭部のこの斑紋を重視することは適当でない。
前胸背の1対の黒条はやや太く、特に雌では顕著である。
この黒条は下方で左右より内屈し、接着の傾向を示す。
チャバネゴキブリではこの黒条は一般に細く、下方で開き、接着の傾向を示すことがない。
腹部7・8節背面にある雄の誘惑腺の凹陥部の構造は、特異の形状を示し、とくに第7節には短い剛毛を多数生じている。
チャバネゴキブリではこの凹陥部の構造異なり、短剛毛を認めえない。
雄の肛下板は幅広く短く、腹面より見て左方の不相称の凹みは浅く、2個の尾突起は相接近する。
チャバネゴキブリでは肛下板は細長く、その左方の凹みは深く、尾突起は少しく相離れる。
雄の生殖器の左方の生殖鉤の先端部は鉤状に曲がり、ここの顆粒突起は著しくない。
チャバネゴキブリでは生殖鉤の先端部は環状に近く著しく曲がり、顆粒突起は細くとがって終わる。
雌の肛上板は三角形を呈するが、新鮮な標本で検すれば、末端は浅く凹み、基部には1対の黒紋がある。
チャバネゴキブリのそれは、同様平たい三角形であるが、未端は丸みを帯びて終わり、 基部は幅広く黒褐色を呈する。

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最終更新日:2020-05-20 瀬戸内味わいにぼし

幼体の形質

胸節背面は周縁を除いて一面に光沢のある黒褐色を呈し、チャバネゴキブリに見られるような正中線の縦の黄褐条を欠いている。

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生態

成虫の生息環境

波打ち際よりあまり隔てていない平地の地表上、例えば海岸の松林中などに生活し、落葉、禾本科植物の叢間、ときに塵芥捨場などに群生していることが多い。
人家の周辺でも見られるが、チャバネゴキブリのように台所の家具の間に定着することはない。

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ライフサイクル

本州では中齢ないし老齢の幼虫で越冬し、5~6月ごろに羽化して秋まで繁殖する。
この間、おそらく2世代ほど経過すると思われる。

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特徴的な行動

チャバネゴキブリは翅を用いる飛翔は全くできないが、本種は自由に飛翔することができる。

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関連情報

その他

本種とチャバネゴキブリの交雑実験ではF1幼虫が得られたことは無い。

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種・分類一覧