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クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)の分類 ゴキブリ科(Blattidae)
クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)の概要 Periplaneta

クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)

【 学名 】
Periplaneta fuliginosa Serville, 1838

基本情報

大きさ・重さ

成虫体長:雄 25 mm 内外, 雌 25〜30 mm
卵鞘の大きさ:幅 5.5 mm, 長さ 10〜12 mm

参考文献

  • 旭和也・遠藤拓也・小松謙之 2016 クロゴキブリ, 日本直翅類学会(編) 日本産直翅類標準図鑑. 学研プラス. 209.
  • 田中生男 2009 クロゴキブリ, 佐藤仁彦(著) 生活害虫の事典 普及版. 朝倉書店. 139.

最終更新日:2020-06-17

活動時期

夏〜秋

参考文献

  • 旭和也・遠藤拓也・小松謙之 2016 クロゴキブリ, 日本直翅類学会(編) 日本産直翅類標準図鑑. 学研プラス. 209.

最終更新日:2020-06-17

分布

北海道・本州・四国・九州・対馬・屋久島・奄美大島・沖縄島。ユーラシア大陸・台湾・ブラジル・アメリカなど、世界中に分布する。

参考文献

  • 旭和也・遠藤拓也・小松謙之 2016 クロゴキブリ, 日本直翅類学会(編) 日本産直翅類標準図鑑. 学研プラス. 209.

最終更新日:2020-06-17

分類学的位置付け

昆虫綱 ゴキブリ目 ゴキブリ科 ゴキブリ亜科 ゴキブリ属 クロゴキブリ

参考文献

  • 旭和也・遠藤拓也・小松謙之 2016 ゴキブリ科 Blattidae 検索表, 日本直翅類学会(編) 日本産直翅類標準図鑑. 学研プラス. 207.

最終更新日:2020-06-17

人間との関係

代表的な不快害虫・衛生害虫として知られており、餌を求めて食材・食品へ近寄り、人へ不潔感や不快感を与える。また、飲食店などではクロゴキブリの発生が風評被害を招くこともあり、結果として大きな経済的損失につながる可能性も指摘されている。
さらに、下水やゴミ置き場など不潔な箇所に営巣し、営巣箇所と食品、食器を行き来するため、消化器系の感染症の病原細菌、急性灰白髄炎 (ポリオ) ウィルス、赤痢アメーバなどを媒介したり、体内にいる寄生虫が媒介されることもある。ただし、これらが実際に人体へ与える影響度については明確になっていない。

参考文献

最終更新日:2020-06-17

形態

成虫の形質

全身がツヤのある黒色で、翅は黒褐色、雄の肛上板は短く、先端は四角く切断される。雌の肛上板は屋根型で、先端はやや深く切れ込む。

参考文献

  • 旭和也・遠藤拓也・小松謙之 2016 クロゴキブリ, 日本直翅類学会(編) 日本産直翅類標準図鑑. 学研プラス. 209.

最終更新日:2020-06-17

幼体の形質

初齢幼虫には体に横の白い帯があり、中齢以降の幼虫は光沢のある赤褐色をしている。

参考文献

  • 旭和也・遠藤拓也・小松謙之 2016 クロゴキブリ, 日本直翅類学会(編) 日本産直翅類標準図鑑. 学研プラス. 209.

最終更新日:2020-06-17

卵の形質

卵鞘は幅 5.5 mm 程度、長さは 10〜12 mm で、黒味の強い褐色を呈する。1つの卵鞘内に22〜28個の卵が入っている。

参考文献

  • 旭和也・遠藤拓也・小松謙之 2016 クロゴキブリ, 日本直翅類学会(編) 日本産直翅類標準図鑑. 学研プラス. 209.
  • 田中生男 2009 クロゴキブリ, 佐藤仁彦(著) 生活害虫の事典 普及版. 朝倉書店. 139.

最終更新日:2020-06-17

似ている種 (間違えやすい種)

ヤマトゴキブリ

参考文献

  • 旭和也・遠藤拓也・小松謙之 2016 ヤマトゴキブリ, 日本直翅類学会(編) 日本産直翅類標準図鑑. 学研プラス. 209.

最終更新日:2020-06-17

生態

成虫の生息環境

屋内に多く侵入、生息し、ベランダ、ゴミ置場、側溝や下水道内でもよく見られる。また、市街地の公園の樹皮上でも見られる。

参考文献

  • 旭和也・遠藤拓也・小松謙之 2016 クロゴキブリ, 日本直翅類学会(編) 日本産直翅類標準図鑑. 学研プラス. 209.

最終更新日:2020-06-17

成虫の食性

雑食性で、パン、穀物類、野菜などのほか動物性食品も好む。

参考文献

最終更新日:2020-06-17

ライフサイクル

幼虫期間は温度によって著しく異なり、25℃の恒温下では平均240日の期間を要するが、実際には途中に越冬が入ることがあるので、この場合卵から成虫までに1年以上を要する。秋に幼虫であった個体は2齢と8齢で越冬し、翌年春に再び成長を始める。これらのことから、実際には2年以上かかって成虫になることも多い。成虫の寿命は4~5ヶ月程度。

参考文献

最終更新日:2020-06-17

活動時間帯

夜行性

参考文献

最終更新日:2020-06-17

孵化・脱皮・羽化

卵は31~47日で孵化する。

参考文献

最終更新日:2020-06-17

産卵

メスは一生に17回ほど産卵し、1度に1つの卵鞘を産む。卵鞘を生み出すと、メスはすぐに唾液によって引き出しの中、戸棚の隅などの器物に貼り付ける。産卵は5〜10月にかけて行われる。

参考文献

最終更新日:2020-06-17

特徴的な行動

群居性があるため、その付近は糞で汚染され、特有の臭いがある。

参考文献

最終更新日:2020-06-17

関連情報

外来種としての影響

外来種であり、中国南部が原産地ではないかと推定されている。

参考文献

  • 山崎柄根 2008 クロゴキブリ, 平嶋義宏、森本桂(監修) 新訂 原色昆虫大圖鑑Ⅲ. 北隆館. 80.

最終更新日:2020-06-17

種・分類一覧