- 解説一覧
- コバネイナゴ(Oxya yezoensis)について
目次
基本情報
- 人間との関係
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ほぼすべての都道府県で食されている。
調理法はほぼ全国共通で、成虫を捕獲後、一両日二つ折りにした木綿の手拭の二面を縫い合わせた「いなご袋」に入れて放置し、糞を全く排出しなくなった頃、熱湯に浸して殺した後、天日に干し、翅や脚などを除いて鍋に入れ、炭火上で焦げない程度に焙る。
食塩か醤油、または砂糖醤油で味付けして食用に供する。
保存用には佃煮とする。
主な栄養分はタンパク質64.1%、脂肪2.4%である。
風邪・咳の病気・肺炎・解熱・小児の疳などに効くという。
いなごが今なお市販されているのは、日本人の健康志向に支えられているところが大きいと思われる。
成虫・幼虫共に稲葉を食害する。
参考文献
最終更新日:2020-05-15 瀬戸内味わいにぼし
形態
- 地理的変異
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体のサイズや翅型から次の6型に分けられる。
(1) エゾイナゴ型:北海道の石狩平野とその近辺に分布する。小型で、翅は尖り長くない。
(2) コバネイナゴ型:北海道、本州、四国、九州に分布する。中型か大型でしばしば長翅型が現れる。翅は尖らない。
(3) 疑似チョウセンイナゴ型:本州、四国、九州の低地に分布する。中型でふつう中翅。翅は尖らず体は細い。
(4) 山地型(信州佃煮型):本州、四国、九州に分布する。小さく、翅は尖りあまり長くない。
(5) 千葉型:小型で短翅。尾肢は円筒状。
(6) 福島潟:非常に小さい。短~微翅。
ふつう翅端は後膝を越えないが、(2)ではしばしば長翅型が現れ、雌では少ない。
長翅でも翅端に向かって幅広くならないが、識別は難しいので、必ず交尾器で確認する必要がある。
いわゆるイナゴは(2)のことである。
参考文献
最終更新日:2020-05-15 瀬戸内味わいにぼし
生態
- ライフサイクル
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年1化。
幼虫は4~7齢。
土中に産下された卵塊の状態で越冬し、5月中旬~下旬に孵化し、6~7回多くは7回の脱皮を経て8月中旬ごろから羽化する。
参考文献
最終更新日:2020-05-15 瀬戸内味わいにぼし