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- クビキリギス(Euconocephalus varius)について
クビキリギス(Euconocephalus varius)
- 【 学名 】
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Euconocephalus varius (Walker, F., 1869)
目次
基本情報
- 大きさ・重さ
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成虫全長:50〜57 mm
成虫体長:27〜34 mm
参考文献
- 加納康嗣・河合正人・市川顕彦・冨永修・村井貴史 2016 クビキリギス, 日本直翅類学会(編) 日本産直翅類標準図鑑. 学研プラス. 302.
最終更新日:2020-06-18 鍋
- 活動時期
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4〜7月, 10~11月
参考文献
- 高嶋清明 2018 クビキリギス, 高嶋清明(著) 鳴き声から調べる昆虫図鑑 おぼえておきたい75種. 文一総合出版. 26.
最終更新日:2020-06-18 鍋
- 分布
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北海道・本州・四国・九州・隠岐・対馬・南西諸島。国外では中国に分布。
参考文献
- 加納康嗣・河合正人・市川顕彦・冨永修・村井貴史 2016 クビキリギス, 日本直翅類学会(編) 日本産直翅類標準図鑑. 学研プラス. 302.
最終更新日:2020-06-18 鍋
- 和名の解説
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一度噛み付くと首がちぎれても離れないキリギリス、という意味。
参考文献
- 高嶋清明 2018 クビキリギス, 高嶋清明(著) 鳴き声から調べる昆虫図鑑 おぼえておきたい75種. 文一総合出版. 26.
最終更新日:2020-06-18 鍋
- 別名・流通名・方言名
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血吸いバッタ、ショウガ食い、クチベニ、赤口
参考文献
- 加納康嗣・河合正人・市川顕彦・冨永修・村井貴史 2016 クビキリギス, 日本直翅類学会(編) 日本産直翅類標準図鑑. 学研プラス. 302.
最終更新日:2020-06-18 鍋
- 分類学的位置付け
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昆虫綱 バッタ目 キリギリス上科 キリギリス科 クサキリ亜科 クビキリギス属 クビキリギス
参考文献
- 加納康嗣・河合正人・市川顕彦・冨永修・村井貴史 2016 ヒサゴクサキリ亜科 Agraeciinae, クサキリ亜科 Copiphorinae検索表, 日本直翅類学会(編) 日本産直翅類標準図鑑. 学研プラス. 299.
最終更新日:2020-06-18 鍋
形態
- 成虫の形質
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体は細長く、頭頂は三角形に尖る。翅端は丸みを帯びた裁断型。多様な色彩変異があり、一般的な緑色型・褐色型のほか、稀にピンク色や赤褐色になる個体もいる。大顎は顕著な橙赤色をしている。メスの産卵管の長さは約 18 mm。
クビキリギス属の昆虫はクサキリ属やカヤキリ属に似るが、頭頂突起が額から離れる (より頭が尖る) ことで区別できる。
参考文献
- 加納康嗣・河合正人・市川顕彦・冨永修・村井貴史 2016 クビキリギス, 日本直翅類学会(編) 日本産直翅類標準図鑑. 学研プラス. 302.
最終更新日:2020-06-18 鍋
- 卵の形質
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卵は弾丸のような形をしている。
参考文献
- 加納康嗣・河合正人・市川顕彦・冨永修・村井貴史 2016 クビキリギス, 日本直翅類学会(編) 日本産直翅類標準図鑑. 学研プラス. 302.
最終更新日:2020-06-18 鍋
- 似ている種 (間違えやすい種)
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オガサワラクビキリギス
参考文献
- 加納康嗣・河合正人・市川顕彦・冨永修・村井貴史 2016 オガサワラクビキリギス, 日本直翅類学会(編) 日本産直翅類標準図鑑. 学研プラス. 303.
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生態
- 成虫の生息環境
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水田の土手、草地、堤防など比較的面積のある草原に生息するが、街中でも良く姿を見かけ、樹木上や建物の壁など高いところで鳴き声が聞こえることが多い。
参考文献
- 加納康嗣・河合正人・市川顕彦・冨永修・村井貴史 2016 クビキリギス, 日本直翅類学会(編) 日本産直翅類標準図鑑. 学研プラス. 302.
最終更新日:2020-06-18 鍋
- 成虫の食性
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イネ科植物の穂が主食である。
参考文献
- 奥山風太郎 2018 クビキリギス, 奥山風太郎(著) 図鑑 日本の鳴く虫 コオロギ類 キリギリス類 捕り方から飼い方まで. エムピージェー. 71.
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- 発音(鳴き声)
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耳によく通るかなり大きな鋭い声で「ジーーー・・・」または「ビーーー・・・」と長く連続して鳴く。
参考文献
- 加納康嗣・河合正人・市川顕彦・冨永修・村井貴史 2016 クビキリギス, 日本直翅類学会(編) 日本産直翅類標準図鑑. 学研プラス. 302.
最終更新日:2020-06-18 鍋
- ライフサイクル
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本土では成虫は秋遅くに羽化し、そのままススキの切り株などで成虫越冬するが、稀に早熟な新成虫の繁殖によって生まれた次世代が越冬することもある。越冬した成虫は早春から出現し、春〜初夏によく鳴き、7月まで活動する。新成虫が10〜11月にも鳴いている事がある。南西諸島では多化生であり、新成虫は10月ごろに羽化して成虫越年し、2月ごろからよく鳴く。
参考文献
- 加納康嗣・河合正人・市川顕彦・冨永修・村井貴史 2016 クビキリギス, 日本直翅類学会(編) 日本産直翅類標準図鑑. 学研プラス. 302.
最終更新日:2020-06-18 鍋
- 活動時間帯
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夜行性だが、春は昼でも鳴き声が聞かれる。
参考文献
- 加納康嗣・河合正人・市川顕彦・冨永修・村井貴史 2016 クビキリギス, 日本直翅類学会(編) 日本産直翅類標準図鑑. 学研プラス. 302.
最終更新日:2020-06-18 鍋
- 産卵
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雌はイネ科草本の茎と葉鞘との間に卵を産み込む。
参考文献
- 加納康嗣・河合正人・市川顕彦・冨永修・村井貴史 2016 クビキリギス, 日本直翅類学会(編) 日本産直翅類標準図鑑. 学研プラス. 302.
最終更新日:2020-06-18 鍋
- 特徴的な行動
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成虫はよく飛び、夜間は灯火にも飛来する。
危険が迫ると、止まっている草にへばりつくように脚を伸ばし、さらに傾斜した顔面を葉面にくっつけ、葉と自分の体の境界をできるだけ消すことで植物になりきり、敵の目から逃れようとすることが知られている。
参考文献
- 加納康嗣・河合正人・市川顕彦・冨永修・村井貴史 2016 クビキリギス, 日本直翅類学会(編) 日本産直翅類標準図鑑. 学研プラス. 302.
- 河合正人 1996 直翅類の擬態と保護色, 日高敏隆(監修) 石井実、大谷剛、常喜豊(編) 日本動物大百科8:昆虫Ⅰ. 平凡社. 108.
- 山下秋厚 2009 クビキリギス, 福田晴夫、山下秋厚、福田輝彦、江平憲治、二町一成、大坪修一、中峯浩司、塚田拓(著) 増補改訂版 昆虫の図鑑 採集と標本の作り方. 南方新社. 135.
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関連情報
- 飼育方法
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飼育する際は、プラケースを縦に置き、鉢植えのイネ科植物を入れ、その中で飼育する。プラケースの代わりにネットケージを用いてもいい。
餌に関しては、イネ科植物の穂が主食で、野菜類や動物質の餌はあまり食べない個体がいるので、エノコログサなどの新鮮なイネ科植物を与える。アワやヒエなど鳥の餌もよく食べる。
参考文献
- 奥山風太郎 2018 クビキリギス, 奥山風太郎(著) 図鑑 日本の鳴く虫 コオロギ類 キリギリス類 捕り方から飼い方まで. エムピージェー. 71.
- 奥山風太郎 2018 飼育する, 奥山風太郎(著) 図鑑 日本の鳴く虫 コオロギ類 キリギリス類 捕り方から飼い方まで. エムピージェー. 128.
最終更新日:2020-06-18 鍋