- 解説一覧
- クツワムシ(Mecopoda niponensis)について
目次
基本情報
- 大きさ・重さ
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成虫全長:雌雄ともに 50~53 ㎜(頭頂から翅端まで)
卵の大きさ:長さ8.0㎜ × 幅1.6㎜ × 厚さ1.5㎜
参考文献
- 河合正人 2006 クツワムシ, 日本直翅類学会(編) バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑. 北海道大学出版会. 440.
- 2012 虫の卵ハンドブック - 書籍全体, 鈴木知之(著) 虫の卵ハンドブック. 文一総合出版. .
最終更新日:2020-08-08 ひろりこん
- 活動時期
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成虫出現時期(日本国内):8月上旬~10月下旬
参考文献
- 2016 鳴く虫ハンドブック - 書籍全体, 奥山風太郎(著) 鳴く虫ハンドブック. 文一総合出版. .
最終更新日:2020-08-08 ひろりこん
- 分布
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本州、四国、九州、隠岐、対馬;中国、韓国、台湾(東北地方北部では確実な記録がない)
参考文献
- 河合正人 2006 クツワムシ, 日本直翅類学会(編) バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑. 北海道大学出版会. 440.
最終更新日:2020-08-08 ひろりこん
- 生息状況
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近年は個体数が減少している。よく飛翔するタイワンクツワムシに比べ、移動力が乏しく基本的に生まれた場所からほとんど移動せずに生涯を終えるため、開発などで一度絶滅すると環境が回復してもなかなか戻ってこない。
参考文献
- 2016 鳴く虫ハンドブック - 書籍全体, 奥山風太郎(著) 鳴く虫ハンドブック. 文一総合出版. .
最終更新日:2020-08-08 ひろりこん
- 和名の解説
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轡とは馬にはませる金属の道具のことで、これの「かちゃかちゃ」いう音が本種の声に似ていることが名前の由来。古い時代はウダマキ(クダマキ)管を巻く意で呼ばれていたが、管巻きという言葉も糸操車のやかましい音にちなむ。
参考文献
- 2016 鳴く虫ハンドブック - 書籍全体, 奥山風太郎(著) 鳴く虫ハンドブック. 文一総合出版. .
最終更新日:2020-08-08 ひろりこん
- 人間との関係
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童謡にも歌われ親しまれている
参考文献
- 2016 鳴く虫ハンドブック - 書籍全体, 奥山風太郎(著) 鳴く虫ハンドブック. 文一総合出版. .
最終更新日:2020-08-08 ひろりこん
形態
- 成虫の形質
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大型で、緑色型と褐色型がある。雌雄とも前翅が細いものと幅広いものがあるが、単なる個体変異かどうかは不明。
タイワンクツワムシとは雄の前翅の幅が広く短く、雌の産卵器はやや長くてまっすぐなことで一応識別できる。ただし酷似する個体があるので注意を要する。
参考文献
- 河合正人 2006 クツワムシ, 日本直翅類学会(編) バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑. 北海道大学出版会. 440.
最終更新日:2020-08-08 ひろりこん
- 卵の形質
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乳白色で長さ 8 ㎜くらい、径 1.5~2 ㎜くらいの長楕円形。頭になる部分がやや丸みを帯びてスジがある。
参考文献
- 安藤俊夫・中原直子 2008 4章 もっと鳴く虫を楽しむために, 大阪市立自然史博物館、大阪自然史センター(編) 鳴く虫セレクション. 東海大学出版会. 212-216.
最終更新日:2020-08-08 ひろりこん
- 地理的変異
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地域または環境により緑色型と褐色型の割合は異なるが、ひどくどちらかに偏るようなことはない。
参考文献
- 2016 鳴く虫ハンドブック - 書籍全体, 奥山風太郎(著) 鳴く虫ハンドブック. 文一総合出版. .
最終更新日:2020-08-08 ひろりこん
- 似ている種 (間違えやすい種)
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タイワンクツワムシ
参考文献
- 河合正人 2006 クツワムシ, 日本直翅類学会(編) バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑. 北海道大学出版会. 440.
最終更新日:2020-08-08 ひろりこん
生態
- 成虫の生息環境
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林縁や河川の草丈の高い堤防
参考文献
- 河合正人 2006 クツワムシ, 日本直翅類学会(編) バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑. 北海道大学出版会. 440.
最終更新日:2020-08-08 ひろりこん
- 発音(鳴き声)
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夜にガシャガシャガシャと大きな声で鳴く。
参考文献
- 河合正人 2006 クツワムシ, 日本直翅類学会(編) バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑. 北海道大学出版会. 440.
最終更新日:2020-08-08 ひろりこん
- ライフサイクル
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卵越冬で、年1化。
短日型の発育調節(日長が短くなると越冬する卵を産む)を行う。
参考文献
- 河合正人 2006 クツワムシ, 日本直翅類学会(編) バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑. 北海道大学出版会. 440.
- 宮武頼夫・市川顕彦・初宿成彦 2008 3章 鳴く虫の基礎知識, 大阪市立自然史博物館、大阪自然史センター(編) 鳴く虫セレクション. 東海大学出版会. 178.
最終更新日:2020-08-08 ひろりこん
- 孵化・脱皮・羽化
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卵は孵化1~2週間前ころになるとやや緑色を帯びてくる。孵化の多くは早朝に行われる。土中(ミズゴケ)から這い出てくるときは、薄い膜上の袋をつけた状態で体をくねらせて地上に上がってきて、袋は地上で脱ぎ捨てる。
脱皮は植物の葉を足掛かりにして、足の爪を主に植物の葉などにつかまり、ぶら下がりながら行う。抜けた成虫は抜け殻にぶら下がる。翅が伸長する時間は20~40分で、数時間後には固まって動き出す。
参考文献
- 安藤俊夫・中原直子 2008 4章 もっと鳴く虫を楽しむために, 大阪市立自然史博物館、大阪自然史センター(編) 鳴く虫セレクション. 東海大学出版会. 212-216.
最終更新日:2020-08-08 ひろりこん
- 産卵
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土中に産卵管を突き刺し、10~20卵をまとめて産付する。
参考文献
- 2012 虫の卵ハンドブック - 書籍全体, 鈴木知之(著) 虫の卵ハンドブック. 文一総合出版. .
最終更新日:2020-08-08 ひろりこん