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マツムシ 名義タイプ亜種(Xenogryllus marmoratus marmoratus)の分類 Xenogryllus
マツムシ 名義タイプ亜種(Xenogryllus marmoratus marmoratus)の概要 Xenogryllus marmoratus

マツムシ 名義タイプ亜種(Xenogryllus marmoratus marmoratus)

【 学名 】
Xenogryllus marmoratus marmoratus (Haan, 1844)

基本情報

大きさ・重さ

・成虫全長:雄 22.3 ㎜ 、 雌 30.2 ㎜(頭頂からそれぞれ雄は翅端まで、雌は産卵器端まで)
・成虫体長:雄 21.3 ㎜ 、 雌 18.5 ㎜(頭頂から腹端まで)
・卵の大きさ:直径 0.55 ㎜ × 長さ 3.7 ㎜

参考文献

  • 市川顕彦 2006 マツムシ, 日本直翅類学会(編) バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑. 北海道大学出版会. 469.
  • 2012 虫の卵ハンドブック - 書籍全体, 鈴木知之(著) 虫の卵ハンドブック. 文一総合出版. .

最終更新日:2020-06-10 ひろりこん

活動時期

成虫出現時期(日本国内):8月上旬~11月上旬

参考文献

  • 2016 鳴く虫ハンドブック - 書籍全体, 奥山風太郎(著) 鳴く虫ハンドブック. 文一総合出版. .

最終更新日:2020-06-10 ひろりこん

分布

本州、四国、九州、伊豆諸島大島;韓国、中国

参考文献

  • 市川顕彦 2006 マツムシ, 日本直翅類学会(編) バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑. 北海道大学出版会. 469.

最終更新日:2020-06-10 ひろりこん

生息状況

自然度の高い草原に生息するため近年、都市部では見かけることはなくなった。

参考文献

  • 2016 鳴く虫ハンドブック - 書籍全体, 奥山風太郎(著) 鳴く虫ハンドブック. 文一総合出版. .

最終更新日:2020-06-10 ひろりこん

和名の解説

かつては本種を“スズムシ”と称し、その名は鈴の音に由来したが、現在では前種の名と入れ替わった。

参考文献

  • 石原保 2008 マツムシ, 平嶋義宏、森本桂(監修) 新訂 原色昆虫大圖鑑Ⅲ. 北隆館. 84.

最終更新日:2020-06-10 ひろりこん

形態

成虫の形質

常に明るい小麦色でほかの色彩型は知られていない。

本属の中央単眼は横形。前胸背は横形で、両側縁は隆起線となる。両翅はよく発達し、鏡板は鮮明で、1本の湾曲した分脈を装う。

参考文献

  • 石原保 2008 マツムシ, 平嶋義宏、森本桂(監修) 新訂 原色昆虫大圖鑑Ⅲ. 北隆館. 84.
  • 2016 鳴く虫ハンドブック - 書籍全体, 奥山風太郎(著) 鳴く虫ハンドブック. 文一総合出版. .

最終更新日:2020-06-10 ひろりこん

卵の形質

乳白色を帯びる。

参考文献

  • 安藤俊夫・中原直子 2008 鳴く虫を飼おう, 大阪市立自然史博物館、大阪自然史センター(編) 鳴く虫セレクション. 東海大学出版会. 199-203.

最終更新日:2020-06-10 ひろりこん

似ている種 (間違えやすい種)

南西諸島、台湾に生息するオキナワマツムシ(リュウキュウマツムシ、タイワンマツムシ) X. m. unipartitus (Karny, 1915) はマツムシよりやや大きく、鳴き声の「チッ」の回数が少ない傾向にある。

参考文献

  • 市川顕彦 2006 マツムシ, 日本直翅類学会(編) バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑. 北海道大学出版会. 469.

最終更新日:2020-06-10 ひろりこん

生態

成虫の生息環境

主に河川敷や山間の斜面など乾いた草地に生息するが、日の当たる林縁などにも生息する。

参考文献

  • 2016 鳴く虫ハンドブック - 書籍全体, 奥山風太郎(著) 鳴く虫ハンドブック. 文一総合出版. .

最終更新日:2020-06-10 ひろりこん

発音(鳴き声)

暗くなってからチッチッチルッと鳴く。丈の高い草の根際で鳴くことが多いのでつかまえにくい。

参考文献

  • 市川顕彦 2006 マツムシ, 日本直翅類学会(編) バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑. 北海道大学出版会. 469.

最終更新日:2020-06-10 ひろりこん

ライフサイクル

卵越冬年1化型。短日型の発育調整を行う。

参考文献

  • 宮武頼夫・市川顕彦・初宿成彦 2008 鳴く虫の基礎知識, 大阪市立自然史博物館、大阪自然史センター(編) 鳴く虫セレクション. 東海大学出版会. 178.

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産卵

メスは晩秋に、枯れた草本類の茎に大顎で 2.5~4 ㎜の傷をつけ、茎内部に産卵器を差し込み1~数卵を産みこむ。

参考文献

  • 2012 虫の卵ハンドブック - 書籍全体, 鈴木知之(著) 虫の卵ハンドブック. 文一総合出版. .

最終更新日:2020-06-10 ひろりこん

関連情報

採集方法

夜間の採集は難しい。そこで夜間はどこで鳴いていたか目印をしておき、翌日の日中その付近を捜す方法がある。

周りから少しずつ踏み固め、狭めるなどして丹念に探せば飛び出してくる。

参考文献

  • 安藤俊夫・中原直子 2008 鳴く虫を飼おう, 大阪市立自然史博物館、大阪自然史センター(編) 鳴く虫セレクション. 東海大学出版会. 199-203.

最終更新日:2020-06-10 ひろりこん

飼育方法

・給餌の仕方
すり餌、フレーク状金魚餌、ツユクサ、ナス、乾燥させたクズの葉などを給餌しておけばそのうちによく食べるようになる。乾燥させたクズの葉は葉脈まで食べる。水分はミズゴケを使って必ず与えておくこと。

・産卵準備
産卵準備としては、飼育箱には産卵材を挿す用土として、底部に鹿沼土 1~2 ㎝、その上に赤玉土を 5~7 ㎝入れる方法がある。この場合、容器の底部に排水孔を開けておくと、越冬時の卵管理の水分補給に都合がいい。

・産卵材と産卵
飼育ではイネわらやススキ、チガヤなどの枯れたものを、直径 1.5~3 ㎝に束ね、両端 1~2 ㎝部分を結束、長さ 10~15 ㎝にしたものを、木杭を立てるように、土中深さ 3~5 ㎝に挿し立てる。

イネわらを使用する際に注意として、殺虫剤などの残留農薬がないものを使用する。マツムシは孵化後しばらくの間は産卵材の枯葉などを食べるので、イネ材に殺虫剤がかかっていると死んでしまう。

・産卵後から孵化までの管理
以下の3つに注意する
①直射日光を当てないこと
②産卵材を乾燥させないこと
③寒さに弱いので凍らせないこと

乾燥させない方法として、挿し立ててあった産卵材は引き抜き、それを横に寝かして並べて、よく洗って絞ったミズゴケを上にのせてからビニールで覆うといい。産卵材は湿気のためカビなどが発生するが、通常ならばあまり影響はない。

・孵化
人工管理での孵化は、置く場所の温度によって大きく影響を受ける。通常、自然状態より早まり、5月下旬~6月中旬となることが多い。
孵化の3~5週間前になったら、孵化容器にコマツナの種を直接蒔いておくといい餌になる。

マツムシは孵化直後(1~3週間)くらいまでは、産卵材のようなイネわらや枯れた草の葉(ススキ、エノコログサ、コマツナの葉を乾燥させたもの)や広葉樹の落ち葉などを食べる。
3週間後位からすり餌やクズ・フジの葉、コマツナの葉を日陰干し乾燥させたもの、ツユクサ、トキワツユクサ、ナスなどを、動物性のものとしてはフレーク状金魚エサ、サナギ粉などを与える。

・飼育箱内の湿度
マツムシは乾燥に比較的強いが、水分補給は必要である。水分補給はミズゴケで行う。

・飼育箱
通風が悪いと病気になる危険性がある。通風があり飼育箱内の温度がおよそ30℃以下なら、多少の日光は問題ない。

・飼育箱での数
マツムシは比較的おとなしいが、飼育箱に入れられるのは以下の数までとなる。飼育箱の大きさの目安は 25 × 40 × 高さ 40 ㎝としているため、これよりも飼育箱が小さい場合は数を減らすこと。

孵化後~3齢 300頭以下( 3 ㎠以上/頭)
3齢~終齢 100頭以下( 10 ㎠以上/頭)
成虫 30頭以下(オス・メス同数位)( 30 ㎠以上/頭)

・累代飼育
累代飼育するときの産卵箱は、病気などを避けるため、よく洗って日光消毒したものを用意すること。

参考文献

  • 安藤俊夫・中原直子 2008 鳴く虫を飼おう, 大阪市立自然史博物館、大阪自然史センター(編) 鳴く虫セレクション. 東海大学出版会. 199-203.

最終更新日:2020-06-10 ひろりこん

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