- 解説一覧
- カメムシ目(Hemiptera)について
基本情報
- 分類学的位置付け
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以前は同翅亜目・異翅亜目の2つに分類されていたが、詳細な形態比較・分子系統解析から同翅亜目が3つに分けられ、
現在は腹吻亜目(アブラムシ、キジラミ、カイガラムシなど)、頚吻亜目(セミ、ヨコバイ、ウンカなど)、鞘吻亜目(日本には生息していない)、異翅亜目(カメムシ、アメンボ、タイコウチなど)の4つに分類される。
参考文献
最終更新日:2020-05-21 瀬戸内味わいにぼし
- 人間との関係
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陸生カメムシ目の種の多くは食植性で、稲、野菜、果樹などの農作物を吸収するため、農業害虫とされているものが多い。
異翅亜目の種には、越冬時に屋内に侵入し、刺激すると臭気を放つため、衛生害虫とされるものもいる。
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最終更新日:2020-05-21 瀬戸内味わいにぼし
形態
- 成虫の形質
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大顎と小顎が糸状に長く伸び、管を形成している。(大顎刺針、小顎刺針)
管は唾液を食物に送る管と食物から液体を吸い取る管の2本あり、いずれも直径 0.1 mmを越えず、曲がりやすい柔軟な構造を作り出している。
飛翔中に4枚の翅を機械的に結合し、2枚の翅として振る舞わせる構造である翅連結構造を持つ。
旧同翅亜目
口吻は頭部の下面(頚吻亜目)、または前基節間(腹吻亜目)から生ずる。
前翅は膜質、または多少キチン化することがあっても、通常全体均質で、静止の際は屋根状を呈して腹部上に置かれる。
異翅亜目
口吻は頭部の前方より起こり、咽頭が認められる。
前翅は半翅鞘状となるものが多く、静止の際は平らに腹部上に置かれる。
顕著な臭腺が発達しており、成虫では後胸腹面に存在しているため、後胸腺とも呼ばれている。
後胸腺は後脚の基部に近く、その外側、または前方に各一個、すなわち対をなして開いているが、腺そのものは対をなさないことが多い。
分泌孔の数は科によって異なる。
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最終更新日:2020-05-21 瀬戸内味わいにぼし
- 幼体の形質
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異翅亜目
臭腺は腹部背面の節間に開孔しているため、背板腺と呼ばれている。
成虫が無翅で一見、成虫と幼虫の区別がつかない種において、臭腺の開孔部の位置は両者を区別する便利な特徴である。
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最終更新日:2020-05-21 瀬戸内味わいにぼし