- 解説一覧
- コガネムシ科(Scarabaeidae)について
基本情報
- 分類学的位置付け
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古くはコガネムシ科にセンチコガネ科、アツバコガネ科が含まれていたが、新たな科として細分化された。
ニセマグソコガネ亜科は露出した上唇と露出して硬化した大あごを共有形質として持っていることから、独立した科として扱われることがある。
参考文献
最終更新日:2020-05-26 瀬戸内味わいにぼし
- 人間との関係
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食糞性グループ
タマオシコガネ亜科:古代エジプト人はスカラベ(フンコロガシ、タマオシコガネ亜科タマオシコガネ属)が糞を転がす様子を太陽の動きのように捉え、このことからスカラベを頭部に持つ姿で描かれるケプリ神を太陽神、創像神と同一視し、スカラベを「創像」や「再生」と関連付け、あの世での復活を願いスカラベをモチーフとした装身具を多数制作していた。
食葉性グループ
スジコガネ亜科:鹿児島県におけるサツマイモへの食害、北海道における牧草への食害、神奈川県における落花生への食害、ゴルフ場の芝生への食害など、多くの農作物への影響が報告されている。
カブトムシ亜科・ハナムグリ亜科:1990年代、日本ではカブトムシやクワガタムシ、美しい金属光沢を放つハナムグリの仲間などの大型甲虫類の飼育がブームとなり、
大量の個体が商品として流通するようになり、また、平成11年に、これまで植物防疫法によって有害動物として輸入が禁止されていた外国産の生きたクワガタムシやカブトムシの輸入が大幅に規制緩和され、大量の個体が日本に持ち込まれるようになった。
カブトムシ亜科:タイ北部では「チョン・クワン」と呼ばれるカブトムシを闘わせる娯楽が盛んである。
チョン・クワンに用いられるのはヒメカブトムシ(Xylotrupes gideron)である。
エドガー・アラン・ポーの短編小説「黄金虫(原題:The Gold-Bug)」に登場するコガネムシは Callichroma splendidum と Alaus oculatus の特徴を組み合わせて描かれた作者の創作である。
中山晋平作曲、野口雨情作詞の童謡「こがねむし」に登場するコガネムシは、北関東の一部や宮崎県ではチャバネゴキブリのことを「コガネムシ」と呼び、裕福の象徴として扱われていたことからゴキブリであるという説が存在する。
参考文献
最終更新日:2020-05-26 瀬戸内味わいにぼし
生態
- 特徴的な行動
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食糞性グループ
多くの種では、糞の下に坑道を掘って、糞を坑道に運び込んで食べる、いわゆる「トンネル屋」と呼ばれる習性を持つが、タマオシコガネ亜科には、糞球を作って、地表を転がすという、いわゆる「転がし屋」と呼ばれる習性を持つ者がいる。
タマオシコガネ亜科には「転がし屋」と「トンネル屋」がどちらとも存在し、形態上の差も見られるが、それぞれ単系統を形成せず、いくつもの系統内で何回も逆転が生じている。
繁殖期には育児のために育児丸と呼ばれる糞球を、地中に掘った部屋の中で作り、その糞球の上部に産卵して世話をするという、亜社会性と呼べる習性がある。
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