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シリアゲムシ目(Mecoptera)の分類 節足動物門(Arthropoda)
シリアゲムシ目(Mecoptera)の概要 昆虫綱(Insecta)

シリアゲムシ目(Mecoptera)

【 学名 】
Mecoptera

基本情報

大きさ・重さ

成虫体長:3〜7 mm (ユキシリアゲムシ科)
前翅長:15〜25 mm (ガガンボモドキ科) 、11〜17 mm (シリアゲモドキ科) 、9〜20 mm (シリアゲムシ科)

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最終更新日:2020-06-18

活動時期

主に5〜7月

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分布

北海道・本州・四国・九州・南西諸島。極地を除く世界各地に分布。

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分類学的位置付け

昆虫綱 シリアゲムシ目
世界には9科約580種が、日本には2008年の段階で4科5属45種が記録されているが、未記載種もいくつか確認されている。
完全変態昆虫の中では原始的な特徴を多く持ち、系統的にはハエ目やノミ目に近い。特に近年ノミ目をシリアゲムシ目内の一系統とする系統体系も示されるなど、これらの目間の系統関係には注目が集まっている。

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形態

成虫の形質

口吻がクチバシ状に延長しているのが特徴。口吻の末端に上唇、大顎と小顎、さらに下唇の先端部が位置する。複眼は頭部の側方に半球状に突出し、複眼の間に3個の単眼を備える。触角は鞭状。
ユキシリアゲムシ科を除く各科では前後の翅はほぼ同じ形で長く、それぞれの科に特徴的な脈相を持ち、横脈は少ない。ユキシリアゲムシ科では翅は退化縮小して飛翔能力を持たず、オスでは前脚が細く肥厚し、交尾に際してメスを保持するための構造へと変化している。
体色は黒褐色から褐色のものが多い。

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蛹の形質

蛹は裸蛹である。

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幼体の形質

幼虫はイモムシ型で、9対もの腹脚を持ち、ガガンボモドキ科では背面に発達した突起を持つ。

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似ている種 (間違えやすい種)

シリアゲムシ科の幼虫は一見すると蛾やハバチの幼虫に似る。

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生態

成虫の生息環境

主に林内など半日陰の環境を好み、高山性の種では乾燥した草原などに現れることもある。

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幼虫の生息環境

多くは地中に住む。ユキシリアゲムシ科の幼虫はコケの中に住む。

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成虫の食性

シリアゲムシ科、シリアゲモドキ科はほとんどの種が雑食性で、生きた昆虫や昆虫の死骸、液果、鳥のフンなどを摂食する。ガガンボモドキ科は肉食性で、後脚の鋭い爪を用いて昆虫などの獲物を狩り、前脚で葉の縁にぶら下がりながら捕食する。

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幼虫の食性

一般的に虫の死骸などを食べて育つが、ユキシリアゲムシ科はコケを摂食する。

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成虫の天敵

他の昆虫同様、しばしばダニに外部寄生される。

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幼虫の天敵

外国ではユキシリアゲの幼虫に寄生バチが内部寄生することが知られている。

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ライフサイクル

完全変態の昆虫。年1化または2化で、5月から7月にかけて成虫が発生する種が多い。卵期は数日〜300日前後。幼虫は4齢が終齢。寿命は約1年。

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孵化・脱皮・羽化

幼虫は4齢を経て土の中で蛹化する (ユキシリアゲムシ科はコケの中またはコケの下の地中で蛹化する) 。

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生殖行動

交尾に際して求愛給餌 (婚姻贈呈) を行う種が知られている。

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産卵

交尾後、シリアゲムシ科、シリアゲモドキ科は湿った土の隙間にいくつかの卵をまとめて産み付け、ガガンボモドキ科は卵を地上に産み落とす。ユキシリアゲムシ科はコケの根元付近に1個ないし数個の卵を産み付ける。

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特徴的な行動

成虫の飛翔能力は弱く、風のない曇天、小雨中、夕方に多く活動する。
ガガンボモドキ科、シリアゲモドキ科の一部の種は夜間に明かりに誘引される。

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種・分類一覧