- 解説一覧
- クワガタムシ科(Lucanidae)について
基本情報
- 分類学的位置付け
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亜科や族などの上位分類に関しても研究者間で定まった見解は得られていない。
代表的なものを挙げると、
・Kikuta (1986):イッカククワガタ亜科、ツツクワガタ亜科、マダラクワガタ亜科、ツヤハダクワガタ亜科、クワガタムシ亜科、キンイロクワガタ亜科
・Maes (1992):マダラクワガタ亜科、キンイロクワガタ亜科、ツツクワガタ亜科、ルリクワガタ亜科、クワガタムシ亜科、ツヤクワガタ亜科、シワバネクワガタ亜科、チビクワガタ亜科、オオクワガタ亜科
・Krajcik (2001):イッカククワガタ亜科、ツツクワガタ亜科、マダラクワガタ亜科、ツメカクシクワガタ亜科、チビクワガタ亜科、キンイロクワガタ亜科、オオクワガタ亜科、クワガタムシ亜科
・Smith (2006), Bouchard et al. (2011):マダラクワガタ亜科、ツツクワガタ亜科、キンイロクワガタ亜科、クワガタムシ亜科
参考文献
最終更新日:2020-05-26 瀬戸内味わいにぼし
- 人間との関係
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ラオス、マダガスカル、エクアドルにおいて食用とされている記録がある。
マダガスカルでは幼虫を揚げて食べる。
エクアドルでは塩ゆでにした後、玉ねぎと共に料理して食べることが多いが、生のまま食べることもある。
参考文献
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形態
- 成虫の形質
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見かけ上の腹板が5節からなる。
触角の基部1節が長く第2節以降と肘状に屈曲して接続し、片状節は互いに独立してほとんど密着できない。
(例外も存在)
雄の大あごが大きく発達する性的ニ型が顕著であるが、雌雄の大あごの差異がわかりにくい種、グループも存在する。
このような種、グループは・前脛節の形・後脛節の先端部外側が膨らむかどうか・前胸背板のしわ・大あご側方の突起の大小などにより雌雄を区別するが、外見のみでは区別できず、交尾器を確認する必要のあるグループも存在する。
参考文献
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生態
- 産卵
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ルリクワガタ属、オオクワガタ属、シカクワガタ属、ノコギリクワガタ属の一部の種では、卵が埋め込まれている産卵孔の周りに円弧状や括弧状の溝である産卵マークを残す。
参考文献
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関連情報
- 外来種としての影響
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1990年代、日本ではクワガタムシ科などの大型甲虫類の飼育がブームとなり、大量の個体が商品として流通するようになった。
また、平成11年に、これまで植物防疫法によって有害動物として輸入が禁止されていた外国産の生きたクワガタムシやカブトムシの輸入が大幅に規制緩和され、大量の個体が日本に持ち込まれるようになった。
平成19年から平成23年の間に、合計1729775個体のクワガタムシが国外から輸入されている。
過剰なクワガタムシ・カブトムシのペットブームにおいて、一時的なブームに流された飼育者が興味を失ったことによる放虫、ペットショップの過度の入荷による売れ残りの放虫が頻繁に行われた結果、外国産種の国内採集記録が急増している。
国内種であっても、サキシマヒラタクワガタは日本各地の森林で採集され、加えて幼虫での採集記録もあることから、一部地域でははすでに定着している可能性が極めて高い。
山梨県における、度重なるスジブトヒラタクワガタの採集報告も、本種がすでに同地へ定着した可能性が高いことを物語っている。
大型外来種が定着すると、ニッチの類似した在来種への影響、交雑による遺伝的侵食(遺伝子汚染)などの問題が起こると考えられる。
参考文献
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