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シジミチョウ科(Lycaenidae)の分類 チョウ目(Lepidoptera)
シジミチョウ科(Lycaenidae)の概要 Papilionoidea

シジミチョウ科(Lycaenidae)

【 学名 】
Lycaenidae

基本情報

分類学的位置付け

昆虫綱 (Insecta) チョウ目 (Lepidoptera) アゲハチョウ上科 (Papilionoidea) シジミチョウ科 (Lycaenidae)
チョウ類最大の一群であり、世界に約6000種が知られる。

参考文献

最終更新日:2020-06-05

形態

成虫の形質

チョウの中では最も小型であり、翅の斑紋は表・裏面で全く異なる種が多い。後翅の肛角付近には尾状突起や眼状紋を持つものもいる。尾状突起は触角に擬態していると考えられる。
複眼は大きく、短い毛で覆われることが多い。触角の基部は互いに離れており、基節は複眼に接する。脚の葉状片を欠き、雄の前脚付節が融合し、前付節が退化する。
ベニシジミやトラフシジミなど、他化性の種では顕著な季節型が現れるものもいる。

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最終更新日:2020-06-05

蛹の形質

俵型〜ダルマ型。後翅が縮小する。

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幼体の形質

通常やや扁平なワラジムシ型。終齢幼虫は体表が密に二次刺毛で覆われる。キララシジミ亜科やカニアシシジミ亜科などを除いて、好蟻性器官である背部蜜腺などを持つ。

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最終更新日:2020-06-05

卵の形質

ドームまたは饅頭型。卵殻には様々な隆起線や通気孔のある突起を持つものもいる。

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最終更新日:2020-06-05

生態

幼虫の食性

幼虫は一般的に双子葉植物を中心とした広い範囲の植物を寄主とするが、キララシジミ亜科の Liptenini 族のように地衣類やコケ類を食べるもの、カニアシシジミ亜科のようにアブラムシ類やツノゼミ類を捕食するもの、シジミチョウ亜科のゴマシジミ属 Maculinea やキマダラルリツバメ属 Spindasis のように、アリ類の巣に入り込んで幼虫を捕食したりアリ類から給餌されたりするものもいる。

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ライフサイクル

成虫の出現時期は種によって様々であり、1化性のものも多化性のものもいる。

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最終更新日:2020-06-05

特徴的な行動

シジミチョウ亜科の成虫は尾状突起を持つものがおり、静止した時に後翅をすり合わせるような行動をとる。
一般に「ゼフィルス」と呼ばれるミドリシジミ族 Theclini のいくつかの種では、雄成虫が雌との出会いのために縄張りを形成して見晴らしの良い枝先などに止まり、進入する他種を追い出したり、同種の雄と闘争したりすることが知られている。

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最終更新日:2020-06-05

その他生態

多くの種で幼虫がアリと関連した生活を送ることが知られており、相利共生、片利共生、寄生、さらには捕食まで様々な関係を持つ。好蟻性器官から化学的、音響的または視覚的信号をアリに送ったり、甘露などアリの好む物質を出したりすることで、アリの行動を制御していると考えられる。

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最終更新日:2020-06-05

種・分類一覧