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アオモンイトトンボ(Ischnura senegalensis)の分類 イトトンボ科(Coenagrionidae)
アオモンイトトンボ(Ischnura senegalensis)の概要 Ischnura

アオモンイトトンボ(Ischnura senegalensis)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Ischnura senegalensis Rambur, 1842

基本情報

大きさ・重さ

全長 雄 30~37 ㎜、雌 29~38 ㎜
腹長 23~29 ㎜
後翅長 雄 14~19 ㎜、雌 15~22 ㎜
幼虫 18~23 ㎜ 側尾鰓長 6~9 ㎜

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最終更新日:2020-05-07 瀬戸内味わいにぼし

活動時期

南西諸島では一年中、東海地方では4月下旬から10月

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分布

岩手県以南の各地に分布。
国外では台湾、朝鮮半島、中国から東南アジアを経てアフリカまで広範な地域に分布している。

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学名の解説

種小名「senegalensis」は「セネガル産の」の意。

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形態

成虫の形質

雄は胸部が緑色から青色で腹部第8・9節に青色斑がある。
雌の体色は橙色から緑褐色から濃褐色になるタイプ(異色型)と、雄と同じような体色、斑紋を持つタイプの2型がある。
異色型雌の体色は、成熟に伴い橙色から緑、さらに褐色へと変化する。
雌の黒色条は通常、腹部第1節から第2節前半には見られない。
腹部第8節腹面には棘がある。

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幼体の形質

淡褐色ないし緑褐色をした弱弱しい感じのするヤゴで、頭は後角が突出しない。
尾鰓は柳葉状で先端は尖り、中央分節ははっきりしない。

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地理的変異

雌の体色には「異色型」と「雄型」と呼ばれる2つの色彩型があり、北方の産地ほど雄型が増える傾向がある。

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生態

幼虫の生息環境

平地から丘陵地の開放的な池沼や河川の水たまりなど。
沿岸地域に多く、やや水深のある止水域に広く生息する。
しばしば海岸沿いの止水域に見られる。

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成虫の食性

雌は特に貪欲で、他のトンボやかなり大きな昆虫も襲って食べてしまう。
未成熟の個体を共食いすることも多い。

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ライフサイクル

卵期間1~2週間程度、幼虫期間1か月半~8か月程度。
幼虫で越冬する。

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生殖行動

成熟雄は水辺を飛んで雌を探し、見つけると直ちに連結して移精、交尾を行う。
これらの活動は早朝から見られ、午前中いっぱい続く。
交尾の継続時間は数時間と大変長く、早朝に交尾が成立したペアでは午後に及ぶことも多い。
雌の色彩2型に対する雄の選好性は生得的な偏りは無く、午前中に交尾した雄に対して午後に雄型雌と異色型雌を呈示する二者択一実験を行ったところ雄は午前中に交尾した雌と同じ色彩型の雌と交尾したが、翌朝に行った二者択一実験では雄の選好性に偏りが認められなくなったことから、雌の色彩2型に対する雄の選好性は交尾の経験により変化し、一晩で消滅することがわかった。

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産卵

午後、雌単独で水面付近の植物組織内に産卵し、潜水産卵も見られる。

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その他生態

卵を0‰(蒸留水)、5‰、10‰、15‰、20‰の濃度の塩水に入れ4齢幼虫になるまで飼育した実験で、塩分濃度に対する孵化率と幼虫の生存率の変化がほとんど同じであったことから、汽水環境で十分生息できると考えられた。

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種・分類一覧