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カトリヤンマ(Gynacantha japonica)の分類 ヤンマ科(Aeshnidae)
カトリヤンマ(Gynacantha japonica)の概要 Gynacantha

カトリヤンマ(Gynacantha japonica)

【 学名 】
Gynacantha japonica Bartenef, 1909

基本情報

大きさ・重さ

全長 雄 66~76 ㎜、雌 67~77 ㎜
腹長 雄 46~57 ㎜、雌 48~57 ㎜
後翅長 雄 42~49 ㎜、雌 43~50 ㎜
幼虫 32~37 ㎜ 頭幅 7~9 ㎜

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最終更新日:2020-05-10 瀬戸内味わいにぼし

活動時期

6月中旬から11月末まで

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分布

全国に広く分布するが、近年激減した地域も多く、東北~北陸地方ではほぼ絶滅している。

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和名の解説

黄昏時に大空を変幻自在に飛び回ってカを食す習性に由来している。

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形態

成虫の形質

複眼が大きく細身で、体型はミルンヤンマに似る。
成熟雌は尾毛の折れた個体が多い。
未成熟個体は淡褐色であるが、成熟雄は胸部が緑色、腹部第2~3節の斑紋が青色に変化する。
雌は腹部の斑紋が緑色。
本土では複眼が緑色の個体が多く、南西諸島では雌雄ともに複眼の青みの強い個体が多い。
雌雄とも前額に「T」字斑がある。

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幼体の形質

汚褐色ないし濃褐色した、ややスリムな典型的ヤンマ型のヤゴ。
腹部背面に断続した1対の濃色条がある。
下唇腮の側片に長い刺毛が列生し、動鈎上にも微細な刺毛がある。

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生態

成虫の生息環境

おもに丘陵地や低山地の挺水植物が繁茂した木陰の多い池沼や植物性沈積物のあるたまり水、湿地の滞水、水はけの悪い水田および畦間の緩流などに生息する。

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幼虫の生息環境

挺水植物につかまったり水底の沈積物の陰などにひそんで生活している。

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孵化・脱皮・羽化

羽化はおおむね夜間に挺水植物の茎や葉裏などに定位して行い、朝方に飛び立つ。

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生殖行動

成熟雄は、薄暗い林内で枝先をつつくように飛んで雌を探す。
秋には開けた水田や湿地に現れ、ホバリングを交えて縄張り飛翔し雌を待つ。
雌を見つけるとつかみかかって連結し、交尾態となって付近の樹上に静止する。

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産卵

雌は単独で湿地や水田に飛来し、泥土や柔らかい朽ち木に静止して産卵する。
秋の午後によく見られる。

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特徴的な行動

黄昏活動性が強く、日中は鬱蒼と茂った樹林の下枝に懸垂していることが多い。
日の出前後と日没後の明るさが500ルクスを割り込むころから活発に活動し始めて、特に20~50ルクスのときにピークに達し、2ルクスより暗くなると林や藪の中に姿を消すという。

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その他生態

カトリヤンマの卵は胚反転前のステージで休眠し、休眠卵は乾燥に対する耐性をもつ。

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種・分類一覧