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ダビドサナエ(Davidius nanus)の分類 サナエトンボ科(Gomphidae)
ダビドサナエ(Davidius nanus)の概要 Davidius

ダビドサナエ(Davidius nanus)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Davidius nanus Selys, 1869

基本情報

大きさ・重さ

全長 雄 43~51 ㎜、雌 40~47 ㎜
腹長 雄 31~38 ㎜、雌 27~34 ㎜
後翅長 雄 24~29 ㎜、雌 26~30 ㎜
幼虫 18~22 ㎜ 頭幅 5~6 ㎜

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最終更新日:2020-05-10 瀬戸内味わいにぼし

活動時期

4月上旬から7月初めごろ

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分布

本州から九州にかけて広く分布する。
隠岐・対馬などの離島にも産する。
西表島でも採集されたことがある。
日本固有種。

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学名の解説

種小名「nanus」は「小人」の意。

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和名の解説

中国やチベットで各種生物を採集して生物相の解明に貢献したフランス人 P. David に献名されたものである。

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形態

成虫の形質

翅胸前面の横条は逆「ハ」の字型。
胸部側面の黒条は2本だが、1本は消失傾向のものも見られる(ヒトスジ型)。
クロサナエやモイワサナエと酷似するが、雄尾部上付属器の形状や、頭部の複眼に沿った隆起が直線状であること、頭部大顎側面や前脚基節に黄斑を持つことなどで区別される。
腹部第10節の側面が張り出す。

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幼体の形質

褐色ないし黒褐色をした毛深い扁平なヤゴ。
同属の多種に酷似していて判別が難しいが、腹部第7~9節の側棘がやや細めで先がうしろに向かっている。
雄は肛上片の突起の形状でクロサナエと区別可能。
触角の第3節はへら状。
翅鞘はやや左右に開く。
背棘は無い。

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地理的変異

対馬産の個体は著しく小さい。
胸部側面の黒条の上半部が消失傾向のいわゆる「ヒトスジ型」の出現にはかなりはっきりした地域性がみられる。

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生態

成虫の生息環境

丘陵地の樹林に囲まれた河川上~中流域。

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幼虫の生息環境

流れの緩やかな挺水植物の根方やよどみの細砂あるいは砂泥底に浅く潜って生活している。

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ライフサイクル

卵期間2週間~1か月程度、幼虫期間2年程度。
幼虫で越冬する。

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生殖行動

成熟雄は水辺に静止して雌を待つ。
雌が現れるととびかかって連結し、交尾態となって周囲の植物に止まる。
継続時間は長く、2~3時間に達し、数時間にわたる記録もある。

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産卵

雌は単独で水際の丈の低い草地や苔の生えた石の上を訪れ、非常に緩やかに飛びながら卵を一粒ずつばらまく。
産卵途中で植物などに止まり、なお卵をばらまくこともあるという。

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種・分類一覧