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ムカシヤンマ(Tanypteryx pryeri)の分類 ムカシヤンマ科(Petaluridae)
ムカシヤンマ(Tanypteryx pryeri)の概要 Tanypteryx

ムカシヤンマ(Tanypteryx pryeri)

【 学名 】
Tanypteryx pryeri Selys, 1889

基本情報

大きさ・重さ

全長 雄 64~78 ㎜、雌 63~80 ㎜
腹長 雄 45~54 ㎜、雌 44~54 ㎜
後翅長 雄 39~45 ㎜、雌 40~48 ㎜
幼虫 30~35 ㎜ 頭幅 7~9 ㎜

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最終更新日:2020-05-10 瀬戸内味わいにぼし

活動時期

5月中旬から7月末まで

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分布

日本特産種。
本州から九州にかけて分布し、佐渡島でも見られるが、四国や千葉県には分布していない。

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学名の解説

学名の pryeri は明治時代に横浜の保険会社に勤務し、黎明期の日本昆虫学に大きく貢献したチョウ類の研究家で最初にこのトンボを採集したイギリス人 H. J. S. Pryer (1850~1888) に献じられたものであ
る。

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和名の解説

最初、基産地にちなんでギフヤマトンボとよばれていたが、原始的な特徴を多く残しているとしてムカシヤンマに改称された。

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形態

成虫の形質

体型のがっしりした、サナエトンボ科に似た大型のトンボ。
雌雄共に黄色の斑紋があり、翅胸前面は淡褐色。
雌は産卵管が発達する。
複眼は雌雄共に黒褐色。
雌雄共に腹部に小さな斑紋がある。

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幼体の形質

灰褐色ないし濃褐色をした肌目のあらい毛むくじゃらなヤゴで、頭部は横に長い矩形で、触角に比較的長い毛が叢生している。
脚は太く、脛節の末端に4個の刺状突起がある。
腹端の尾部付属器は小さく、先がとがらない。

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地理的変異

西日本の低地に生息する個体は黄色斑が発達する。

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生態

幼虫の生息環境

おもに低山地や山地の斜面の湧水地で水がしたたり落ちるような場所の湿った土やコケのあいだに生息しているが、産地はかなり局地的である。
しかし局所的にはわりあい多産するところも知られている。
湿った土やコケのあいだにトンネルを掘って生活し、春先には日中トンネルの入口で頭と胸の前半を外にだしてじっとうずくまっているのが観察される。
トンネルはなかに水のたまっていることが多い。
入口の直径が幼虫の頭よりひとまわり大きく、深さは 5~15 cmぐらいで深部がやや広まった盲端に終わり、いろいろの形に曲がっている。

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ライフサイクル

幼虫期は3~4年と推定される。
成虫は東海地方では5月初めから出現して6月末頃までみられるが、8月の採集記録もある。
近畿地方では4月下旬から現われ、青森県では5月末から姿がみられるという。

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活動時間帯

幼虫はほぼ夜行性で、冬季を除けば日中は孔の入り口近く 0.5〜2 cm位の所にじっとひそんでいる事が多く、危険が追れば深部に後退してしまう。
活動は夕刻から開始され早朝に及ぶが、昼間に全く活動しない訳でなく、飼育虫では捕食行動は日中でもよく見られる。

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孵化・脱皮・羽化

明け方から午前中にかけて、湿った斜面の植物上で羽化する。

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生殖行動

成熟した雄は地面や植物に止まって縄張りを持ち、雌が近づくと樹上に連れ去り、空中で移精してから枝などに止まる。
しばらくするともう一度飛び立ち、空中で交尾態となって樹幹や葉上にとまる。
交尾は高所で行われることが多く、1時間以上続く。

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産卵

雌は主に朝と夕方、水の染み出る斜面や湿地を訪れ、土やコケの間に産卵する。

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特徴的な行動

大型のトンボのわりに動作はのろく、飛んでいるより止まっていることの方がむしろ多い。

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種・分類一覧