- 解説一覧
- ハッチョウトンボ(Nannophya pygmaea)について
ハッチョウトンボ(Nannophya pygmaea)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
-
Nannophya pygmaea Rambur, 1842
目次
基本情報
- 大きさ・重さ
-
全長 17~21 ㎜
腹長 雄 10~14 ㎜、雌 9~13 ㎜
後翅長 雄 12~16 ㎜、雌 13~16 ㎜
幼虫 8~9 ㎜ 頭幅 3.2 ㎜内外
参考文献
最終更新日:2020-05-13 瀬戸内味わいにぼし
- 和名の解説
-
江戸時代末期の尾張の本草学者である大河内存真が『蟲類写真集』に「矢田鉄砲場八丁目にのみ発見せられ、そのためハッチョウトンボの名を有する」と記録したことから。
参考文献
最終更新日:2020-05-13 瀬戸内味わいにぼし
- 分類学的位置付け
-
海外でも東アジアから東南アジアを中心に広く分布するが、DNA解析では地域によって大きな違いがみられ、複数の種に分かれる可能性が高い。
参考文献
最終更新日:2020-05-13 瀬戸内味わいにぼし
形態
- 成虫の形質
-
未成熟雄は橙黄色みが強いが、成熟すると全身が赤化する。
雌は黄色と褐色の縞模様を持つ。
雌雄とも翅の基部に橙色斑がある。
まれに雄でも全身が黒化した個体がみられる。
参考文献
最終更新日:2020-05-13 瀬戸内味わいにぼし
- 幼体の形質
-
やや緑色を帯びた汚褐色ないし黄褐色をしているが、体の表面を泥で被っていることが多い。
腹部は第10節がすこぶる小さく、第9節の中に陥入している。
背棘がないが、第5, 6節の背面中央部がやや隆起して長毛が叢生する。
参考文献
最終更新日:2020-05-13 瀬戸内味わいにぼし
生態
- 成虫の生息環境
-
丘陵地の丈の短い植物の繁茂する湿地。
しばしば放棄水田や土砂採取跡地の湿地でも見られる。
草丈の高い草本が生育し難い状態が維持される、土壌の肥沃度が低い湿地に棲息することが確認されている。
参考文献
最終更新日:2020-05-13 瀬戸内味わいにぼし
- 生殖行動
-
交尾は主に午前中に行われ、数分間で終わる。
飛んでいる時間が長いが、終了間際に一度は周囲の植物に静止する。
静止後はすぐに連結を解くことが多い。
参考文献
最終更新日:2020-05-13 瀬戸内味わいにぼし
- 特徴的な行動
-
成熟雄は湿地の植物に止まり、縄張りを形成して雌を待つが、良い場所に縄張りを持てなかった雄は縄張りを持たず、他の雄の縄張りに近づく雌を横取りすることが知られている。
参考文献
最終更新日:2020-05-13 瀬戸内味わいにぼし