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ハッチョウトンボ(Nannophya pygmaea)の分類 トンボ科(Libellulidae)
ハッチョウトンボ(Nannophya pygmaea)の概要 Nannophya

ハッチョウトンボ(Nannophya pygmaea)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Nannophya pygmaea Rambur, 1842

基本情報

大きさ・重さ

全長 17~21 ㎜
腹長 雄 10~14 ㎜、雌 9~13 ㎜
後翅長 雄 12~16 ㎜、雌 13~16 ㎜
幼虫 8~9 ㎜ 頭幅 3.2 ㎜内外

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最終更新日:2020-05-13 瀬戸内味わいにぼし

活動時期

4月下旬~11月初旬

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分布

本州から九州にかけて広く分布するが、産地はやや限られる。
国外では朝鮮半島、台湾、中国、東南アジア、アセアニアに分布する。

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学名の解説

種小名「pygmaea」は伝説の小人族「pygmaeus」から「小さい」の意。

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和名の解説

江戸時代末期の尾張の本草学者である大河内存真が『蟲類写真集』に「矢田鉄砲場八丁目にのみ発見せられ、そのためハッチョウトンボの名を有する」と記録したことから。

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別名・流通名・方言名

コアカネ

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分類学的位置付け

海外でも東アジアから東南アジアを中心に広く分布するが、DNA解析では地域によって大きな違いがみられ、複数の種に分かれる可能性が高い。

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形態

成虫の形質

未成熟雄は橙黄色みが強いが、成熟すると全身が赤化する。
雌は黄色と褐色の縞模様を持つ。
雌雄とも翅の基部に橙色斑がある。
まれに雄でも全身が黒化した個体がみられる。

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幼体の形質

やや緑色を帯びた汚褐色ないし黄褐色をしているが、体の表面を泥で被っていることが多い。
腹部は第10節がすこぶる小さく、第9節の中に陥入している。
背棘がないが、第5, 6節の背面中央部がやや隆起して長毛が叢生する。

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生態

成虫の生息環境

丘陵地の丈の短い植物の繁茂する湿地。
しばしば放棄水田や土砂採取跡地の湿地でも見られる。
草丈の高い草本が生育し難い状態が維持される、土壌の肥沃度が低い湿地に棲息することが確認されている。

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幼虫の生息環境

背丈の低い草に覆われた小さく浅い滞水や滲出水などにすみ、水底の柔らかい泥の中にひそんで生活している。

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ライフサイクル

卵期間1~2週間程度、幼虫期間3ヶ月~1年程度。
幼虫で越冬する。

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孵化・脱皮・羽化

おおむね夜間に挺水植物の茎などに定位して行うが、朝方に脱皮している個体も見られる。

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生殖行動

交尾は主に午前中に行われ、数分間で終わる。
飛んでいる時間が長いが、終了間際に一度は周囲の植物に静止する。
静止後はすぐに連結を解くことが多い。

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産卵

交尾後の雌は単独で、浅い水面上を低く飛びながら薄緑色の卵塊を作り、時おり打水して産卵する。
雄は付近で警護することが多い。

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特徴的な行動

成熟雄は湿地の植物に止まり、縄張りを形成して雌を待つが、良い場所に縄張りを持てなかった雄は縄張りを持たず、他の雄の縄張りに近づく雌を横取りすることが知られている。

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種・分類一覧