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ハラビロトンボ(Lyriothemis pachygastra)の分類 トンボ科(Libellulidae)
ハラビロトンボ(Lyriothemis pachygastra)の概要 Lyriothemis

ハラビロトンボ(Lyriothemis pachygastra)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Lyriothemis pachygastra Selys, 1878

基本情報

大きさ・重さ

全長 雄 33~42 ㎜、雌 32~39 ㎜
腹長 雄 19~26 ㎜、雌 20~25 ㎜
後翅長 雄 23~29 ㎜、雌 25~30 ㎜
幼虫 14~18 ㎜ 頭幅 5 ㎜内外

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最終更新日:2020-05-15 瀬戸内味わいにぼし

活動時期

4月中旬から9月末ごろ

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分布

北海道から九州まで広く分布するが、北海道の産地は函館周辺などに限られている。

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学名の解説

種小名「pachygastra」は「pachy」+「gastra」で「太い腹」の意。

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和名の解説

腹部が幅広いことから。

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形態

成虫の形質

腹部の扁平な小型のトンボ。
顔面の前額背面は青藍色に輝く。
未成熟成虫は黄色の地に黒い条斑があるが、成熟するにつれ雄は黒化して斑紋が消え、やがて腹部に青灰色の粉をおびる。
雌の体色はあまり変化しないが、まれに雄のように青灰色の粉をおびる個体がいる。
雌の腹部は黄色く、細かな斑紋が並ぶ。

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幼体の形質

黄褐色あるいは汚褐色をした表面のざらついた小さいヤゴで、一般に泥をまとっていることが多い。
同属のオオハラビロトンボに酷似しているが、体つきがやや小さいことと分布圏が異なっていて九州南部以外は産地が重複しないため、さほど同定は難しくない。
側棘は第8・9節にあり長め、背棘は第4~9節にあり、いずれも長めで立ち上がる。

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生態

成虫の生息環境

平地~丘陵地の、抽水植物の繁茂する開放的な浅い池や湿地、放棄水田。

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幼虫の生息環境

挺水植物の根際や植物性沈積物の下、柔らかい泥の中などに浅く潜って生活している。

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ライフサイクル

卵期間1~2週間程度、幼虫期間8か月~2年程度。
幼虫で越冬する。

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孵化・脱皮・羽化

羽化はおおむね夜間に挺水植物の茎や葉裏などに定位して行い、羽化し終えた新成虫は朝方に飛び立っていく。

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生殖行動

交尾は水辺の植物に静止して行う。
交尾時間は短く、長くても数十秒で終了することが多い。

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産卵

雌は単独で、腹端で水をかき上げ、卵を水滴ごと前方に飛ばして産卵する。
しばしば雄の警護をともなう。

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特徴的な行動

雄の縄張り内に他の雄が侵入すると、腹部をシャチホコ状に上に大きく反り返らせてホバリングしながら相手とにらみあい、やがて急上昇して追い出してしまう。

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種・分類一覧