- 解説一覧
- シオカラトンボ(Orthetrum albistylum speciosum)について
シオカラトンボ(Orthetrum albistylum speciosum)
- 【 学名 】
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Orthetrum albistylum speciosum Uhler, 1858
基本情報
- 大きさ・重さ
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【成長全長】
雄:全長 47~61 mm、腹長 30~40 mm、後翅長 35~44 mm
雌:全長 47~61 mm、腹長 32~41 mm、後翅長 35~44 mm
【幼虫全長】
幼虫体長:18~25 mm
参考文献
- 2017 日本のトンボ(第3版) - 書籍全体, 尾園暁、川島逸郎、二橋亮(著) 日本のトンボ(第3版). 文一総合出版. .
最終更新日:2021-04-05 ハリリセンボン
- 分布
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日本国内であればどこでも。
海外では朝鮮半島、台湾、中国、ロシア、ヨーロッパに分布する。
参考文献
- 2017 日本のトンボ(第3版) - 書籍全体, 尾園暁、川島逸郎、二橋亮(著) 日本のトンボ(第3版). 文一総合出版. .
最終更新日:2021-04-05 ハリリセンボン
- 生息状況
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全国に広く分布し、もっとも普通に見られるトンボの一つである。
参考文献
- 2017 日本のトンボ(第3版) - 書籍全体, 尾園暁、川島逸郎、二橋亮(著) 日本のトンボ(第3版). 文一総合出版. .
最終更新日:2021-04-05 ハリリセンボン
- 和名の解説
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和名は塩辛トンボの意で、成熟した雄の腹部に生じる白粉を塩辛昆布の白い塩にみたてたネーミングと考えられる。
参考文献
- 1988 日本産トンボ幼虫・成虫検索図説 - 書籍全体, 石田昇三、石田勝義、小島圭三、杉村光俊(著) 日本産トンボ幼虫・成虫検索図説. 東海大学出版会. .
最終更新日:2021-04-05 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
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ヨーロッパ~中央アジアに原名亜種が分布し、日本産は亜種 speciosum (Uhler, 1858)(シオカラトンボ)とされている。シオヤトンボとの種間雑種と推定される個体も知られる。
参考文献
- 2017 日本のトンボ(第3版) - 書籍全体, 尾園暁、川島逸郎、二橋亮(著) 日本のトンボ(第3版). 文一総合出版. .
最終更新日:2021-04-05 ハリリセンボン
形態
- 成虫の形質
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中型のトンボで、雌や未成熟の雄は黄褐色だが、成熟雄は白粉を吹き、老熟雌も薄く白粉をおびる。
雌は、通常、成熟しても体色がほとんどかわらず白粉を生じないが、稀に雄と同じようなシオカラトンボに変身する個体がみられる。このような雌は複眼が雄のように蒼色ではなく緑色をしているので、なれると一目で雌とわかる。
頭部は横長の長方形。 背棘がない。側棘は第8・9節にあるが短く目立たない。 肛上片はやや長い(長さは最大幅の約2倍)。
同属種とは体の大きさや斑紋、産卵弁の形状などで区別する。
参考文献
- 2017 日本のトンボ(第3版) - 書籍全体, 尾園暁、川島逸郎、二橋亮(著) 日本のトンボ(第3版). 文一総合出版. .
- 1988 日本産トンボ幼虫・成虫検索図説 - 書籍全体, 石田昇三、石田勝義、小島圭三、杉村光俊(著) 日本産トンボ幼虫・成虫検索図説. 東海大学出版会. .
最終更新日:2021-04-05 ハリリセンボン
生態
- 成虫の生息環境
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おもに平地や丘陵地、低山地の挺水植物の繁茂する池沼や湿地の水たまり、水田、溝川など広範囲な止水域に生息し、各地にもっとも普通にみられるトンボの1種である。
しばしば市街地の社寺の境内池や公園の池など人工の水域にもすみ、白樺湖(1420 m)などの標高の高いところでも幼虫がみつかっている。
参考文献
- 2017 日本のトンボ(第3版) - 書籍全体, 尾園暁、川島逸郎、二橋亮(著) 日本のトンボ(第3版). 文一総合出版. .
最終更新日:2021-04-05 ハリリセンボン
- ライフサイクル
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成虫は東海地方では4月中旬から出現して10月中頃までみられ、四日市市では4月中旬から9月下旬まで羽化がほぼ連続的に観察されている。高知では3月下旬から、沖縄本島では2月末から現れるという。
羽化はおおむね夜間に挺水植物の茎や水面から突きでた杭、護岸壁などに定位して行い、羽化し終えた新成虫は夜明け前を待って飛びたっていく。
未熟な個体は羽化水域を離れて各地に分散し、しばし丘頂のあき地やすそのの草原でみられる。
成熟した雄は水辺の地面や石の上、杭の先などに静止して縄張りを占有する。交尾は近くの草や地面に止まって行われる。受精した雌は、単独で植物のある浅い水域を選んで連続出水産卵する。
参考文献
- 1988 日本産トンボ幼虫・成虫検索図説 - 書籍全体, 石田昇三、石田勝義、小島圭三、杉村光俊(著) 日本産トンボ幼虫・成虫検索図説. 東海大学出版会. .
最終更新日:2021-04-05 ハリリセンボン
- 生殖行動
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成熟雄は水辺に静止して縄張り占有し、雌が近づくと飛びかかって交尾する。交尾は水辺に静止して行うが、雄が多く干渉が続く時や、適当な産卵場所が近くにないときは交尾態のまま飛び回り、通常よりも短時間で終了する。
参考文献
- 2017 日本のトンボ(第3版) - 書籍全体, 尾園暁、川島逸郎、二橋亮(著) 日本のトンボ(第3版). 文一総合出版. .
最終更新日:2021-04-05 ハリリセンボン
- 産卵
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雌は単独で、腹帯で水を卵とともに前方に飛ばす。雄はその間、付近を飛んで警護することが多い。
参考文献
- 2017 日本のトンボ(第3版) - 書籍全体, 尾園暁、川島逸郎、二橋亮(著) 日本のトンボ(第3版). 文一総合出版. .
最終更新日:2021-04-05 ハリリセンボン