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ノシメトンボ(Sympetrum infuscatum)の分類 トンボ科(Libellulidae)
ノシメトンボ(Sympetrum infuscatum)の概要 アカネ属(Sympetrum)

ノシメトンボ(Sympetrum infuscatum)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Sympetrum infuscatum Selys, 1883

基本情報

大きさ・重さ

全長 雄 37~51 ㎜、雌 39~52 ㎜
腹長 雄 22~32 ㎜、雌 25~35 ㎜
後翅長 雄 25~38 ㎜、雌 25~39 ㎜
幼虫 15~20 ㎜ 頭幅 5.6~6.3 ㎜

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最終更新日:2020-05-15 瀬戸内味わいにぼし

活動時期

5月中旬から12月

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分布

北海道から九州にかけて分布する。

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和名の解説

腹部の黒い斑紋を熨斗目模様に見立てて名付けられた。
熨斗目とは江戸時代の武家の礼服に用いられた織物で、仕立て上がったときに、腰の部分だけ縞が現れるものをいう。

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形態

成虫の形質

翅の先端に褐色斑のあるアカトンボ。
雄も成熟しても赤くならず、暗い赤褐色になる程度。
胸部側面の黒条は2本とも上端まで達する。
雌雄とも眉斑のある個体とない個体がいる。

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幼体の形質

やや緑色みを帯びた淡褐色の地に複雑な濃色斑がある典型的なアカネ型のヤゴ。
下唇側片の斑紋は明瞭。
側棘は第8・9節にあり、8節のものの先端は第9腹節の後縁を超える。
背棘は第4~8節にある。

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地理的変異

東北地方では翅斑が消失傾向の個体がよく見られる。

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生態

幼虫の生息環境

平地から山地にかけての池沼・湿地・水田など。

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ライフサイクル

卵期間半年程度、幼虫期間3~5か月程度。
卵で越冬する。

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生殖行動

交尾はおもに午前中、植物などに止まって行われるが、しばしば交尾態のままかなりの長距離を移動して再三場所を変える。

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産卵

交尾を終えたペアは連結態のまま植物の繁茂する湿地を訪れ、緩やかに飛びながら空中から卵をばらまく。
連結産卵から雌単独での産卵に移行することも多く、雄が近くを飛んで警護する。
稲の蒸散作用で直上に生じる水蒸気圧の極端な勾配を偏光で認識することができるため、秋季の水の無い水田に卵を放出することができる。
卵は球形でピンポン球のように弾み稲の根元へと落ちていくが、この産卵方法では卵は水田全体にまんべんなく散布されることとなり、翌年の孵化時、幼虫が集中分布して極端な高密度地区の出現する危険性が低くなる。

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種・分類一覧