- 解説一覧
- コジャノメ(Mycalesis francisca)について
目次
基本情報
- 亜種
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・コジャノメ 名義タイプ亜種 M. f. francisca (Stoll, 1780) … 中国に分布。
・コジャノメ 日本亜種 M. f. perdiccas (Hewitson, 1862) … 朝鮮半島産も同じ亜種とされる。
参考文献
最終更新日:2020-05-22 鍋
- 分類学的位置付け
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昆虫綱 (Insecta) チョウ目 (Lepidoptera) タテハチョウ科 (Nymphalidae) ジャノメチョウ亜科 (Satyrinae) ジャノメチョウ族 (Satyrini) コジャノメ属 (Mycalesis) コジャノメ (Mycalesis francisca)
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形態
- 成虫の形質
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中型のチョウで、表は黒褐色〜淡灰褐色。前翅に2〜3個の眼状紋がある。裏の地色は表と似るが、中央部に白線が走り、前後翅ともに眼状紋が並び、特に前翅外中央部のやや下方にある二つが目立つ。
季節的変異が著しく、春型 (第1化) では裏面眼状紋の発達が悪く、白帯の内側部と外側部の色彩の相違は顕著で、内側部は特に濃色となる。夏型では裏面眼状紋は大きく発達し、白帯内側部と外側部の地色の色彩にあまり差はない。夏型の雌には稀に裏面の眼状紋が異常に大型となった個体が見られることがある。
ヒメジャノメと似るが、以下のような点で区別される。1) ヒメジャノメに比べて地色 (特に裏面) が濃色である。2) 本種は後翅表に眼状紋を持つが、ふつうヒメジャノメにはない。3) 裏面の白帯は本種ではやや紫藍色を帯びるのに対し、ヒメジャノメでは黄色を帯びる。
色彩斑紋は雌雄で大差ないが、雌の翅形はやや丸みを帯び、翅の地色も雄よりはわずかに淡色である。また、雄では前翅表の内縁付近に長毛が生えた光沢のある性標があり、後翅表の前縁基部付近にも白色の長毛がある。
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生態
- 幼虫の食性
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幼虫の食草はチヂミザサ・ススキ・アシボソ・ミチシバ (ハナビガヤ)・オオアブラススキ・アブラススキ・ヒメノガリヤス・ジュズダマ・イヌビエなどのイネ科。
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- ライフサイクル
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ふつう年2化の発生で、日本西南部の暖地では第1化 (春型) は5月上旬から、第2化 (夏型) は7月上〜中旬から出現し、8月下旬〜9月にかけて第3化が見られることもある。秋季における発生の終焉はヒメジャノメより早く、10月には姿を消す。幼虫齢数は5齢で、終齢幼虫で越冬する。
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