コジャノメ(Mycalesis francisca)の解説トップに戻る
コジャノメ(Mycalesis francisca)の分類 Nymphalidae
コジャノメ(Mycalesis francisca)の概要 Mycalesis

コジャノメ(Mycalesis francisca)

【 学名 】
Mycalesis francisca Cramer, 1782

基本情報

大きさ・重さ

開長:40〜50 mm
幼虫体長:約 33 mm (終齢)

参考文献

最終更新日:2020-05-22

活動時期

5〜9月

参考文献

最終更新日:2020-05-22

分布

本州 (岩手県以南)・四国・九州。国外では朝鮮半島、台湾、中国、中国東北部、ベトナム、ミャンマー、タイ、ヒマラヤなどに分布する。

参考文献

最終更新日:2020-05-22

生息状況

東北地方北部では極めて稀。雑木林の管理放棄によって、ササが繁茂するなど環境が悪化し、減少している場所も多い。

参考文献

最終更新日:2020-05-22

和名の解説

和名は「小型のジャノメチョウ」の意味。

参考文献

最終更新日:2020-05-22

亜種

・コジャノメ 名義タイプ亜種 M. f. francisca (Stoll, 1780) … 中国に分布。
・コジャノメ 日本亜種 M. f. perdiccas (Hewitson, 1862) … 朝鮮半島産も同じ亜種とされる。

参考文献

最終更新日:2020-05-22

分類学的位置付け

昆虫綱 (Insecta) チョウ目 (Lepidoptera) タテハチョウ科 (Nymphalidae) ジャノメチョウ亜科 (Satyrinae) ジャノメチョウ族 (Satyrini) コジャノメ属 (Mycalesis) コジャノメ (Mycalesis francisca)

参考文献

最終更新日:2020-05-22

形態

成虫の形質

中型のチョウで、表は黒褐色〜淡灰褐色。前翅に2〜3個の眼状紋がある。裏の地色は表と似るが、中央部に白線が走り、前後翅ともに眼状紋が並び、特に前翅外中央部のやや下方にある二つが目立つ。
季節的変異が著しく、春型 (第1化) では裏面眼状紋の発達が悪く、白帯の内側部と外側部の色彩の相違は顕著で、内側部は特に濃色となる。夏型では裏面眼状紋は大きく発達し、白帯内側部と外側部の地色の色彩にあまり差はない。夏型の雌には稀に裏面の眼状紋が異常に大型となった個体が見られることがある。
ヒメジャノメと似るが、以下のような点で区別される。1) ヒメジャノメに比べて地色 (特に裏面) が濃色である。2) 本種は後翅表に眼状紋を持つが、ふつうヒメジャノメにはない。3) 裏面の白帯は本種ではやや紫藍色を帯びるのに対し、ヒメジャノメでは黄色を帯びる。
色彩斑紋は雌雄で大差ないが、雌の翅形はやや丸みを帯び、翅の地色も雄よりはわずかに淡色である。また、雄では前翅表の内縁付近に長毛が生えた光沢のある性標があり、後翅表の前縁基部付近にも白色の長毛がある。

参考文献

最終更新日:2020-05-22

幼体の形質

幼虫は太く短い体型をしており、頭部に1対の三角形の角状突起を持つ。体色は淡褐色で、暗褐色の背線、各節両側の斑、斜条がある。

参考文献

最終更新日:2020-05-22

似ている種 (間違えやすい種)

ヒメジャノメ

参考文献

最終更新日:2020-05-22

生態

成虫の生息環境

平地〜低山地の森林および林縁が主な生息地。林間の陰湿な場所を好み、ヒメジャノメのように日が当たるところに見られることはない。

参考文献

最終更新日:2020-05-22

成虫の食性

樹液によく集まるほか、地面で吸水したり、腐果や獣糞にも集まる。訪花は稀。

参考文献

最終更新日:2020-05-22

幼虫の食性

幼虫の食草はチヂミザサ・ススキ・アシボソ・ミチシバ (ハナビガヤ)・オオアブラススキ・アブラススキ・ヒメノガリヤス・ジュズダマ・イヌビエなどのイネ科。

参考文献

最終更新日:2020-05-22

ライフサイクル

ふつう年2化の発生で、日本西南部の暖地では第1化 (春型) は5月上旬から、第2化 (夏型) は7月上〜中旬から出現し、8月下旬〜9月にかけて第3化が見られることもある。秋季における発生の終焉はヒメジャノメより早く、10月には姿を消す。幼虫齢数は5齢で、終齢幼虫で越冬する。

参考文献

最終更新日:2020-05-22

活動時間帯

日中

参考文献

最終更新日:2020-05-22

生殖行動

交尾飛翔形式は雌が雄を連行するものが多いが、雄が雌を連行していた記録もある。

参考文献

最終更新日:2020-05-22

産卵

卵は食草の葉 (主に葉裏) に1個ずつ産み付けられる。

参考文献

最終更新日:2020-05-22

特徴的な行動

成虫は日中、林縁部や林間を低く飛翔する。日の当たらない薄暗い場所の下草の葉上などに静止していることが多い。

参考文献

最終更新日:2020-05-22

種・分類一覧