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ミドリヒョウモン(Argynnis paphia)の分類 Nymphalidae
ミドリヒョウモン(Argynnis paphia)の概要 Argynnis

ミドリヒョウモン(Argynnis paphia)

【 学名 】
Argynnis paphia Linnaeus, 1758

基本情報

大きさ・重さ

開長:65〜80 mm
幼虫体長:42〜45 mm (終齢)

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最終更新日:2020-05-28

活動時期

6〜10月

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分布

北海道・本州・四国・九州。国外では朝鮮半島・中国東北部およびサハリン~ヨーロッパに分布。

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和名の解説

和名は後翅裏面斑紋の色彩に基づく。

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亜種

・A. p. paphia (Linnaeus, 1758) … 名義タイプ亜種。ヨーロッパに分布。
・A. p. tsushimana Fruhstorfer, 1906 … 日本産亜種。

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分類学的位置付け

昆虫綱 (Insecta) チョウ目 (Lepidoptera) タテハチョウ科 (Nymphalidae) ドクチョウ亜科 (Heliconiinae) ドクチョウ族 (Heliconiini) ミドリヒョウモン属 (Argynnis) ミドリヒョウモン (Argynnis paphia)

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形態

成虫の形質

中型。表は橙色と黒斑のヒョウ柄模様で、裏面は緑色を帯びた褐色。翅表の斑紋は雌雄で明確に異なり、雄の地色は赤橙色 (雌は汚橙色) で、前翅第1b、第2、第3、第4脈上に太い黒色の発香鱗条 (性標) があるが、雌にはこれがない。その他の翅表の黒斑は雌の方が発達する。翅裏の斑紋は雌雄でほとんど同じであるが、雌の方が全体的に緑味が強く暗化する。
後翅裏面基部〜中央部に白条が3本あること、また雄では前述の発香鱗条が4本あることなどで他のヒョウモンチョウ類からは区別される。

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幼体の形質

地色は黒色で部分的に橙褐色が混じり、2本の黄色い背線を持つ。全身に橙褐色の棘状突起があり、特に前胸の1対の突起が長い。

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地理的変異

北海道や本州の高地など寒冷地に産するものは一般的に小型、九州あたりの暖地に産するものは大型となる。本州西南部の一部の地域では、雌の翅表の色彩が橙色を帯びず暗灰緑色を呈するものが稀に発見される。対馬産のものは後翅第2〜6室にかけての斑紋に黒色鱗が強くのる傾向にある。

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似ている種 (間違えやすい種)

メスグロヒョウモン・ウラギンスジヒョウモン・オオウラギンスジヒョウモン

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生態

成虫の生息環境

ウラギンヒョウモンやオオウラギンヒョウモン、ウラギンスジヒョウモン、ギンボシヒョウモンなどが草原的環境を好むのに対し、本種は樹林およびその周辺に多い。丘陵地の雑木林で見られるほか、山地の林道などで多数の個体が見られる。

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成虫の食性

ヒヨドリバナやアザミ類など各種の花を訪れて吸蜜する。雄は地上や崖で吸水することも多い。

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幼虫の食性

タチツボスミレ、ケマルバスミレ、オオタチツボスミレ、パピリオスミレなど各種のスミレ類を食草とする。

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ライフサイクル

年1回の発生で、日本西南部の暖地では5月下旬〜6月上旬ごろより出現する。羽化してしばらくは活動するが、盛夏には夏眠に入って、飛翔するものを見なくなる。秋になって涼しくなると再び活動し、10月まで飛翔が見られる。雌はこの間に産卵する。北海道や本州の高地などの寒冷地では7月に入ってから出現し、暖地で見られるような夏眠は見られない。幼虫は全5齢で、卵または1齢幼虫で越冬する。

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活動時間帯

日中

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生殖行動

交尾飛翔形式は、雌が雄を連行するものと雄が雌を連行するものの2パターンの報告があるが、雌雄交替飛翔の記録も多い。

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産卵

産卵習性は極めて粗雑で、卵は食草の生えている付近の樹皮、露出した木の根、岩、枯れ枝、建物の壁などにでたらめに産み付けられ、産卵場所の付近に全く食草がないことも珍しくない。

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特徴的な行動

日中、林縁や林道などを敏速に飛翔する。雄は山小屋などに集まる習性がある。

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種・分類一覧