- 解説一覧
- タテハモドキ(Junonia almana)について
タテハモドキ(Junonia almana)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Junonia almana Linnaeus, 1758
目次
基本情報
- 生息状況
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かつては種子島・屋久島以南にのみ土着しており、九州およびそれ以北の地域で発見されるものは迷チョウとされていたが、1958年に鹿児島県の大隅・薩摩半島南部で土着が確認された。それ以降年とともに分布を北方に広げ、1996年には佐賀県で越冬個体が確認されたことから、現在では佐賀県まで本種の土着圏に含めてもいいと考えられている。
参考文献
最終更新日:2020-06-01 鍋
- 和名の解説
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和名は "タテハチョウに似たもの" の意味。
かつては夏型と秋型は別種と考えられており、夏型はタテハモドキ、秋型はムモンタテハモドキの和名で呼ばれていた。
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- 分類学的位置付け
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昆虫綱 (Insecta) チョウ目 (Lepidoptera) タテハチョウ科 (Nymphalidae) タテハチョウ亜科
(Nymphalinae) コノハチョウ族 (Kallimini) タテハモドキ属 (Junonia) タテハモドキ (Junonia almana)
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形態
- 成虫の形質
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中型。表は橙色で、前翅前縁に4つの黒斑と外中央に眼状紋、後翅の外中央にも眼状紋が目立ち、外縁に2本の黒条がある。
顕著な季節型を示す。秋型は翅外縁部の凹凸が強く、後翅肛角部は尾状に強く突出し、裏面は枯葉模様で眼状紋はない。夏型は外縁部の凹凸が弱く、後翅肛角部は角張る程度で、裏面には眼状紋を表す。
秋型では色彩斑紋の性差はないが、夏型では後翅裏面の中央帯は雄で一般的に淡黄褐色、雌では白色になる。また、雌は雄に比べて翅形がやや幅広い。正確には前脚の構造をルーペで観察することで雌雄は判別される。雄の前脚先端は多毛だが、雌ではほとんど無毛で、小さな棘状突起が認められる。
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生態
- 幼虫の食性
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幼虫の食草はクマツヅラ科のイワダレソウ、キツネノマゴ科のオギノツメ・セイタカスズムシソウ・ケブカルイラソウ、ゴマノハグサ科のスズメノトウガラシ。
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- ライフサイクル
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南九州では最大で年6回の発生で、第1化は5月中旬〜下旬から、第2化は6月下旬〜7月上旬から、第3化は7月下旬〜8月上旬から、第4化は8月下旬〜9月上旬から、第5化は10月上〜中旬から、第6化は11月中旬〜12月上旬に出現するが、各世代間の重なりが大きく、成長がもっとも遅い場合は年3化となる。幼虫齢数は5齢 (ときに6齢) で、成虫で越冬する。
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