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シータテハ(Polygonia c-album)の分類 Nymphalidae
シータテハ(Polygonia c-album)の概要 Polygonia

シータテハ(Polygonia c-album)

【 学名 】
Polygonia c-album Linnaeus, 1758

基本情報

大きさ・重さ

開長:45〜55 mm
幼虫体長:約 33 mm (終齢)

参考文献

最終更新日:2020-05-06

活動時期

ほぼ一年中

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .

最終更新日:2020-05-06

分布

北海道・本州・四国・九州。国外では台湾、サハリン、朝鮮半島、その他中国からヨーロッパにかけてのユーラシア大陸北部に広く分布する。

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

生息状況

北海道〜中部地方ではそれなりに見られるが、中国地方や四国では減少が著しく、近年ほとんど確認されていない。

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .

最終更新日:2020-05-06

和名の解説

和名の由来は後翅裏面にC字型の銀白斑を持つことから。

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

亜種

日本産は亜種 hamigera (Butler, 1877) とされる。

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

分類学的位置付け

昆虫綱 (Insecta) チョウ目 (Lepidoptera) タテハチョウ科 (Nymphalidae) タテハチョウ亜科 (Nymphalinae) タテハチョウ族 (Nymphalini) キタテハ属 (Polygonia) シータテハ (Polygonia c-album)

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

形態

成虫の形質

中型のチョウ。表は橙色で、黒斑が広がる。裏は褐色を基調とした色。前翅外縁の中央部が凹み、後翅外縁の中央部には突起がある。季節による変異はキタテハと同様である。
キタテハに似る。同一の季節型どうしを比較すると、本種はキタテハに比べて翅縁の外縁部の凹凸が強く、後翅第4脈端の尾状突起が長く突出することなどで区別されるが、夏型ではこれらの特徴が弱く、キタテハの秋型と混同されやすい。キタテハでは前翅表面中室基部および後翅表面中室内に黒斑があるが、本種には全く出現せず、逆に本種の前翅表面第2室基部に現れる黒斑はキタテハでは全く出現しない。またキタテハでは前翅表面下部および後翅表面第2〜6室 (あるいは第2〜5室) の黒斑の上に藍色の小斑点が現れるが、本種では絶対にこの小斑点は出現しない。さらに、本種の秋型の裏面には部分的にコケ状の暗緑色斑が現れる場合が多いが、キタテハの秋型にはこの暗緑色斑はない。
メスはオスに比べて翅形が幅広く、腹部もメスの方が太い。夏型では表裏ともにメスはオスより色彩が淡く、外縁の凹凸が弱い。秋型の裏面には縞模様があり、オスでは濃淡がはっきりするが、メスでは模様が不明瞭となる。

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .
  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

幼体の形質

幼虫の地色は淡黒色で、背面に黄白色の紋と棘状突起を持つ。側面には橙色斑を持つ。

参考文献

最終更新日:2020-05-06

地理的変異

北海道産の秋型の外縁の凹凸は、本州産のものよりも強い傾向にある。

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

似ている種 (間違えやすい種)

キタテハ

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

生態

成虫の生息環境

落葉広葉樹林およびその周辺の草地に生息する。キタテハに比べると寒冷地を好み、北海道では平地から山地にかけて全道に普通に生息するが、本州以南では低山地〜山地に限られる。

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .
  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

成虫の食性

ヒヨドリバナやアザミ類など各種の花を訪れて吸蜜するほか、樹液や果実、腐果にも集まり、路上で吸水することもある。

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .

最終更新日:2020-05-06

幼虫の食性

幼虫の食草はニレ科のハルニレ・アキニレ・ノニレ・オヒョウ・エノキ・エゾエノキ、クワ科のホップ・カラハナソウ、イラクサ科のコアカソ・ホソバイラクサ・アカソなどが報告されている。

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

ライフサイクル

普通年2化で、第1化 (夏型) は6〜8月に、第2化 (秋型) は8〜9月に出現し、そのまま成虫で越冬する。暖地では早いものは5月中旬から第1化が羽化する。北海道の山地帯などでは年1化の場合 (越冬した秋型の子が秋型になる) もあるという。幼虫は全5齢。

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

活動時間帯

日中

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .

最終更新日:2020-05-06

産卵

記録された最大産卵数は338個。

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

特徴的な行動

成虫は日中、樹林の林縁部を羽ばたきと滑空を交えながら飛翔する。飛翔はキタテハよりさらに敏活で、日光を浴びて路上などに静止することが多い。
幼虫は食草の葉の裏に単独で静止しており、驚くと落下する習性がある。

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .
  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

種・分類一覧