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ホシミスジ(Neptis pryeri)の分類 Nymphalidae
ホシミスジ(Neptis pryeri)の概要 Neptis

ホシミスジ(Neptis pryeri)

【 学名 】
Neptis pryeri Butler, 1871

基本情報

大きさ・重さ

開長:45〜60 mm
幼虫体長:約 24 mm (終齢)

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最終更新日:2020-05-24

活動時期

6〜8月

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分布

本州・四国・九州。国外では朝鮮半島、中国東北部、中国、台湾に分布する。

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生息状況

東北地方では分布は局地的。自然の生息地では減少傾向にあるが、人為的な植栽によって増加している地域もある。

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和名の解説

和名は後翅裏面基部の星状黒斑の存在に基づく。

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亜種

・ホシミスジ 北上山地亜種 N. p. kitakamiensis Fukuda, Minotoni & Iwano, 2000 … 北上山地に分布。
・ホシミスジ 東北・中部地方亜種 N. p. iwasei Fujioka, 1999 … 中部地方以北 (北上山地以外) に分布。
・ホシミスジ 近畿地方以西亜種 N. p. hamadai Fukuda & Minotani, 1999 … 近畿地方以西に分布。
・ホシミスジ 紀伊半島亜種 N. p. kiiensis Fukuda, Minotani & Shinkawa, 2010 … 紀伊半島に分布。
・ホシミスジ 隠岐島亜種 N. p. yodoei Fujioka, 1998 … 隠岐に分布。

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分類学的位置付け

昆虫綱 (Insecta) チョウ目 (Lepidoptera) タテハチョウ科 (Nymphalidae) イチモンジチョウ亜科 (Limenitidinae) イチモンジチョウ族 (Limenitidini) コミスジ属 (Neptis) ホシミスジ (Neptis pryeri)
日本、朝鮮半島、ロシア極東部、中国、台湾に分布するホシミスジは従来1種と考えられてきたが、成虫、幼虫の形態から、極めて類似の2種が混同されていることが判明し、本種からウラグロホシミスジ Neptis andetria Fruhstorfer, 1913 が分離された。

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形態

成虫の形質

中型。表は黒褐色で、白色の斑紋があり、特に後翅の白帯は2列となる。裏は赤味を帯びた褐色で、白色の帯状となる斑紋が目立つ。
他の Neptis 属のチョウとは、前翅表裏中室の翅脈に沿って伸びる白帯が4〜5つに分離されること、後翅裏基部周辺に黒点群があることなどで区別される。
色彩斑紋は雌雄でほとんど同じで、雌はわずかに翅形が広く丸みを帯びるが、雌雄の判別は非常に難しい。

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幼体の形質

幼虫の地色は淡褐色で、黒褐色の斜条などが入り、第6〜10腹節側面には三角形の青白色斑が目立つ。中胸、後胸、第2・8腹節には突起がある。

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地理的変異

寒冷地に産するものでは一般的に翅の縁の白斑の発達が弱く、白帯は狭く、暖地に産するものではこの白斑が大きく発達して白帯も幅広い。

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似ている種 (間違えやすい種)

コミスジ・ミスジチョウ・オオミスジ

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生態

成虫の生息環境

丘陵地〜山地のシモツケなどが生える疎林、林縁、露岩地などが本来の生息地だが、ユキヤナギやコデマリなどの植栽によって、大阪や東京周辺では都市部の公園や人家周辺でも見られるようになっている。

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成虫の食性

成虫はイボタノキやリョウブなど各種の花を訪れて吸蜜する。路上で吸水したり、獣糞などにも集まる。

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幼虫の食性

幼虫の食草はユキヤナギ (コゴメバナ)・シモツケ・シジミバナ・コデマリ・イワガサ・ミツバイワガサ (タンゴイワガサ) などバラ科の Spiraea 属。シバザクラ (ハナシノブ科)・ホザキシモツケ・イワシモツケ・アイヅシモツケ・イブキシモツケ (バラ科) からも幼虫が見つかっている。

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ライフサイクル

東北地方、関東・中部地方の山地などの寒冷地では基本的に年1化で、6〜8月に成虫が出現するが、部分的に年2化になるところもある。それ以南の暖地では年2化で、第1化は5〜7月、第2化は8〜9月に出現し、第3化を生ずる場合もある。幼虫齢数は5齢で、3齢幼虫で越冬する。

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活動時間帯

日中

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生殖行動

交尾飛翔形式は雌が雄を連行するもの、雄が雌を連行するもの両方の記録がある。

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特徴的な行動

成虫は日中活動し、やや低い位置を飛翔する。

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種・分類一覧