- 解説一覧
- コミスジ(Neptis sappho)について
目次
基本情報
- 亜種
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・コミスジ 名義タイプ亜種 N. s. sappho (Pallas, 1771) … ヨーロッパに産する。
・コミスジ 本州以南亜種 N. s. intermedia W. B. Pryer, 1877
・コミスジ 北海道亜種 N. s. yessonensis Fruhstorfer, 1913
参考文献
最終更新日:2020-05-24 鍋
- 分類学的位置付け
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昆虫綱 (Insecta) チョウ目 (Lepidoptera) タテハチョウ科 (Nymphalidae) イチモンジチョウ亜科 (Limenitidinae) イチモンジチョウ族 (Limenitidini) コミスジ属 (Neptis) コミスジ (Neptis sappho)
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形態
- 成虫の形質
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中型。表は黒褐色で、白色の斑紋があり、特に後翅の白帯は2列となる。裏は赤味を帯びた褐色で、白色の帯状となる斑紋が目立つ。季節的変異を示し、春型は夏型に比べて白色帯が幅広くなる。
色彩斑紋は雌雄で大差ないが、雌は翅形が丸みをおび、雄は後翅表面前縁部に光沢を持つやや広い灰白色部があるので、雌雄は一見して区別できる。
他の Neptis 属のチョウとは、前翅頂の翅形が突出せず全体的に丸みをおびること、前翅表裏中室の翅脈に沿って延びる白帯が2つに分離することなどで区別される。
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生態
- 幼虫の食性
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ハリエンジュ・ヤマフジ・ナツフジ・フジ・タンキリマメ・クズ・フジマメ・ナンテンハギ・ツルフジバカマ・クサネム・ノササゲ・コマツナギ・アレチヌスビトハギ・ノアズキ・シロツメクサ・ムラサキツメクサ・ダイズ・オオバクサフジ・アカシア・サイカチ・イヌエンジュ・その他ハギ類など各種のマメ科植物を主な食草とする。稀にクロツバラ (クロウメモドキ科) 、ケヤキ・ハルニレ・エノキ・ムクノキ (ニレ科) などにもつくことがある。
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- ライフサイクル
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日本産のミスジチョウ類では最も春早くから成虫が出現し、暖地では4月ごろ、北海道あたりの寒冷地では5〜6月ごろから見られる。北海道の道南・道央では年2化で、第1化 (春型) が5〜6月に、第2化 (夏型) は7〜8月に現れる。道東のような特に寒冷な地域では年1化 (5月中旬〜6月中旬) になる。日本西南部の暖地ではふつう年3化で、4〜5月、6〜7月、8〜9月に成虫が出現し、稀に10〜11月に第4化が出現する事がある。幼虫は全5齢で、終齢幼虫で越冬する。
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- 特徴的な行動
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成虫は日中、林縁や林道を羽ばたきと滑空を交互に繰り返しながら飛翔し、よく葉上に翅を開いて止まる。
幼虫は葉の先から溝状に食べ、中脈に葉片を吊るす独特の食痕を残す。
越冬幼虫は葉上に止まったまま地上に落下し、地上の落ち葉の中に潜り込んで越冬、翌春餌を食べずにそのまま蛹化する。
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