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コミスジ(Neptis sappho)の分類 Nymphalidae
コミスジ(Neptis sappho)の概要 Neptis

コミスジ(Neptis sappho)

【 学名 】
Neptis sappho Pallas, 1771

基本情報

大きさ・重さ

開長:45〜55 mm (開長)
幼虫体長:約 24 mm (終齢)

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最終更新日:2020-05-24

活動時期

4〜11月

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分布

北海道・本州・四国・九州。国外では台湾・朝鮮半島・中国東北部および中国〜ヨーロッパ南東部にわたって分布する。

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生息状況

日本産ミスジチョウ類中では最もふつうに見られる。

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和名の解説

和名は "小型のミスジチョウ" の意味。

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亜種

・コミスジ 名義タイプ亜種 N. s. sappho (Pallas, 1771) … ヨーロッパに産する。
・コミスジ 本州以南亜種 N. s. intermedia W. B. Pryer, 1877
・コミスジ 北海道亜種 N. s. yessonensis Fruhstorfer, 1913

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分類学的位置付け

昆虫綱 (Insecta) チョウ目 (Lepidoptera) タテハチョウ科 (Nymphalidae) イチモンジチョウ亜科 (Limenitidinae) イチモンジチョウ族 (Limenitidini) コミスジ属 (Neptis) コミスジ (Neptis sappho)

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最終更新日:2020-05-24

形態

成虫の形質

中型。表は黒褐色で、白色の斑紋があり、特に後翅の白帯は2列となる。裏は赤味を帯びた褐色で、白色の帯状となる斑紋が目立つ。季節的変異を示し、春型は夏型に比べて白色帯が幅広くなる。
色彩斑紋は雌雄で大差ないが、雌は翅形が丸みをおび、雄は後翅表面前縁部に光沢を持つやや広い灰白色部があるので、雌雄は一見して区別できる。
他の Neptis 属のチョウとは、前翅頂の翅形が突出せず全体的に丸みをおびること、前翅表裏中室の翅脈に沿って延びる白帯が2つに分離することなどで区別される。

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幼体の形質

幼虫の地色は淡褐色のものと灰白緑色のものがあり、淡色部が鞍掛状になる。中胸・後胸・第2・8腹節に突起を持つ。

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地理的変異

寒冷地に産するものは暖地産のものに比べて春・夏型ともに白帯が幅広い傾向にある。

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似ている種 (間違えやすい種)

ホシミスジ・ミスジチョウ・オオミスジ

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生態

成虫の生息環境

平地〜山地の樹林地および林縁などに生息し、発達した森林では少ない。農地や公園などでも見られる。

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成虫の食性

イボタノキなど各種の花を訪れて吸蜜するほか、腐果・樹液・獣糞などに集まる。湿地で吸水することもあり、人の汗もよく吸う。

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幼虫の食性

ハリエンジュ・ヤマフジ・ナツフジ・フジ・タンキリマメ・クズ・フジマメ・ナンテンハギ・ツルフジバカマ・クサネム・ノササゲ・コマツナギ・アレチヌスビトハギ・ノアズキ・シロツメクサ・ムラサキツメクサ・ダイズ・オオバクサフジ・アカシア・サイカチ・イヌエンジュ・その他ハギ類など各種のマメ科植物を主な食草とする。稀にクロツバラ (クロウメモドキ科) 、ケヤキ・ハルニレ・エノキ・ムクノキ (ニレ科) などにもつくことがある。

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ライフサイクル

日本産のミスジチョウ類では最も春早くから成虫が出現し、暖地では4月ごろ、北海道あたりの寒冷地では5〜6月ごろから見られる。北海道の道南・道央では年2化で、第1化 (春型) が5〜6月に、第2化 (夏型) は7〜8月に現れる。道東のような特に寒冷な地域では年1化 (5月中旬〜6月中旬) になる。日本西南部の暖地ではふつう年3化で、4〜5月、6〜7月、8〜9月に成虫が出現し、稀に10〜11月に第4化が出現する事がある。幼虫は全5齢で、終齢幼虫で越冬する。

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活動時間帯

日中

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生殖行動

交尾しながら飛翔する際は雌が雄を連行する。

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特徴的な行動

成虫は日中、林縁や林道を羽ばたきと滑空を交互に繰り返しながら飛翔し、よく葉上に翅を開いて止まる。
幼虫は葉の先から溝状に食べ、中脈に葉片を吊るす独特の食痕を残す。
越冬幼虫は葉上に止まったまま地上に落下し、地上の落ち葉の中に潜り込んで越冬、翌春餌を食べずにそのまま蛹化する。

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最終更新日:2020-05-24

種・分類一覧