アオバセセリ(Choaspes benjaminii)の解説トップに戻る
アオバセセリ(Choaspes benjaminii)の分類 Hesperiidae
アオバセセリ(Choaspes benjaminii)の概要 Choaspes

アオバセセリ(Choaspes benjaminii)

【 学名 】
Choaspes benjaminii Guérin-Meneville, 1843

基本情報

大きさ・重さ

開長:43〜49 mm
幼虫体長:48 mm (終齢)

参考文献

最終更新日:2020-06-05

活動時期

5〜6月, 7〜8月

参考文献

最終更新日:2020-06-05

分布

本州、四国、九州、南西諸島。国外では中国、朝鮮半島、台湾、インド、スリランカ、インドシナ半島に分布する。

参考文献

最終更新日:2020-06-05

生息状況

各種開発や植林によって減少しているが、都市郊外の樹林地には比較的多く生息している。

参考文献

最終更新日:2020-06-05

亜種

・C. b. benjaminii (Guérin-Meneville, 1843)
…名義タイプ亜種。スリランカ、南インドに分布。

・C. b. japonica (Murray, 1875)
…日本、西北ヒマラヤ、ネパール、インド北東部、中国、朝鮮半島、台湾、北ベトナム、タイ、ミャンマーに分布。

・C. b. flavens (Eliot, 1992)
…マレー半島に分布。

かつては八重山諸島産、台湾産は亜種 formosana (Fruhstorfer, 1911) とされていたが、亜種 japonica と亜種 formosana はそれぞれが春型、夏型に対応するとして japonica に統一された。

参考文献

最終更新日:2020-06-05

分類学的位置付け

昆虫綱 (Insecta) チョウ目 (Lepidoptera) セセリチョウ科 (Hesperiidae) アオバセセリ亜科 (Coeliadinae) アオバセセリ属 (Choaspes) アオバセセリ (Choaspes benjaminii)

参考文献

最終更新日:2020-06-05

形態

成虫の形質

中型のチョウ。雌雄とも前翅表面の地色は暗い青緑色。裏面の地色は表と比較するとやや明るい緑色となる。後翅肛角部はやや突出し表裏ともに赤橙色斑をあらわす。1化よりも2化、3化の方が青色が濃い傾向にある。
斑紋における性差はわずかだが、メスでは後翅の前縁から亜外縁、外縁にかけて帯状に黒色を呈するのに対し、オスのこの部分は一様な暗青緑色になることで区別できる。また、オスは後脚脛節に長束があるが、メスではこれを欠く。

参考文献

最終更新日:2020-06-05

幼体の形質

派手な色彩をしており、胴部は紫黒色と横ジワのある黄色の縞模様、頭部は鮮やかな橙色で4個の黒斑を持つ。亜背には光沢の強い青白紋をあらわす。

参考文献

最終更新日:2020-06-05

地理的変異

八重山産は本土の個体より翅表の緑の地色が濃く、後翅肛角部の赤色斑も大きくなる。

参考文献

最終更新日:2020-06-05

生態

成虫の生息環境

平地〜山地の広葉樹林。寒冷地ではアワブキの生える沢沿いの樹林でよく見かけるが、暖地ではヤマビワの生える海岸付近の樹林でもみられる。

参考文献

最終更新日:2020-06-05

成虫の食性

成虫はウツギなど各種の花を訪れて吸蜜する。湿地での吸水や獣糞での吸汁も見られる。

参考文献

最終更新日:2020-06-05

幼虫の食性

幼虫はアワブキ・ヤマビワ・ミヤマハハソ・サクノキ (本土) 、ナンバンアワブキ・ヤンバルアワブキ (沖縄・八重山諸島) などアワブキ科の植物を食草とする。

参考文献

最終更新日:2020-06-05

ライフサイクル

日本本土では通常年2回の発生で、第1化は5〜6月に、第2化は7〜8月に発生する。四国・九州の暖地では秋季10月ごろに第3化と推定される個体が見られる場合がある。奄美大島では第1化の発生は3月中・下旬〜4月からで、年4化以上と推測される。幼虫は全4〜5齢で、本土では蛹で越冬する。

参考文献

最終更新日:2020-06-05

活動時間帯

春季は日中、夏季は早朝および夕刻によく活動する。

参考文献

最終更新日:2020-06-05

特徴的な行動

飛翔は極めて敏速。オスは山頂で夕方に占有行動を行い、また林間の空地など好適な地形のところでは、同じコースを旋回して長時間飛び続ける習性がある。

参考文献

最終更新日:2020-06-05

種・分類一覧