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コチャバネセセリ(Thoressa varia)の分類 Hesperiidae
コチャバネセセリ(Thoressa varia)の概要 Thoressa

コチャバネセセリ(Thoressa varia)

【 学名 】
Thoressa varia Murray, 1876

基本情報

大きさ・重さ

開長:30〜36 mm
幼虫体長:約 27 mm (終齢)

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最終更新日:2020-06-05

活動時期

4〜5月, 7〜8月

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最終更新日:2020-06-05

分布

北海道・本州・四国・九州。国外ではサハリンに分布する。

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亜種

日本産は全て名義タイプ亜種 varia とされる。

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分類学的位置付け

昆虫綱 (Insecta) チョウ目 (Lepidoptera) セセリチョウ科 (Hesperiidae) セセリチョウ亜科 (Hesperiinae) コチャバネセセリ属 (Thoressa) コチャバネセセリ (Thoressa varia)

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最終更新日:2020-06-05

形態

成虫の形質

小型。翅表の地色は黒褐色で、基部付近は黄土色になり、前翅の第2, 3室、翅頂第6, 7, 8室、中室に半透明な白斑をあらわす。後翅には個体により第2, 3, 6室に不鮮明な黄白斑がある。翅裏の地色はツヤのある黄褐色で、翅脈が黒く浮き出し、前翅の斑紋は表面とほとんど同じであるが、後翅は黄白斑を第4, 5, 7室にあらわす。他のセセリチョウとはこの後翅裏面の黄白斑列で区別できる。
季節的変異を示し、春型 (第1化) では縁毛は一様に淡黄色を呈するが、夏型 (第2化) では翅脈端の縁毛が暗色を呈すため、縁毛は全体としては黄白色と黒のまだら模様になる。
色彩斑紋は雌雄でほぼ同じで、雌雄は、雄の前翅中室下方には斜走する黒色の性標があるが、雌はこれを欠くことで区別される。またセセリチョウ科に共通する特徴として、雌は雄に比べて前翅が丸みを帯びて幅広く、腹部は太くなる。

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幼体の形質

体色は緑褐色で、前胸背部に黒色の横紋がある。頭部は黒色で斑紋はない。

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地理的変異

地理的変異は十分に研究されていないが、本州中部の高地帯 (長野県上高地付近や入笠山の高地など) や東北地方の山地 (青森県八甲田山付近) に産するものは暗化の傾向が強いとされる。

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生態

成虫の生息環境

平地〜山地のタケ類・ササ類の生える森林や疎林、林縁に生息している。単調なササ群落よりも、森林内の空間の林床や林縁などに多い。

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成虫の食性

成虫はウツギ類、ヒヨドリバナ、アザミ類など各種の花を訪れて吸蜜する。また吸水を好み、路上で集団で吸水をする姿もよく見られるほか、獣糞にも集まる。

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最終更新日:2020-06-05

幼虫の食性

幼虫の食草は主にクマザサ・オオクマザサ・アズマザサ・ミヤコザサ・ネザサ・メダケ・ヤダケ・マダケ・アズマネザサ・アオスズ・チシマザサ・オオバザサ・ウスバザサ・オゼサザ・イワテザサなどのタケ・ササ類で、イネ科のヨシ・ススキを食べたという記録もある。

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ライフサイクル

北海道、東北地方の山地、関東・中部地方の高地帯では年1回 (6〜8月) の発生で、ふつうは夏型を生じない。以南の暖地では年2回 (春型4〜5月、夏型7〜8月) の発生で、時と場所によっては8〜9月にかけて第3化を生ずることもある。セセリチョウ亜科の中では春季もっとも早く出現する。幼虫齢数は5齢で、終齢幼虫で越冬する。越冬幼虫は地上に切り落とした巣中で越年し、摂食することなく早春に蛹化、ついで羽化する。

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活動時間帯

日中

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孵化・脱皮・羽化

老熟幼虫は葉を合わせて袋を作り、さらに主脈を切断してその袋を地面に落下させ、その中で蛹化する変わった習性がある。

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特徴的な行動

成虫は日中、林縁部やササ群落の上を低く敏速に飛翔する。雄は樹木や葉上など見晴らしの良い場所で占有行動をとる。
幼虫は食草の葉の先端を表面を内側にして巻いて巣を作り、その中に潜む。さらに、中央の主脈だけを残して葉の基部より順次先端に向かって規則正しく食べていく習性があるので、筒状の巣は1本の主脈によってぶら下がった状態になる。巣を作り変える時は、前の巣を切り落とす。

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最終更新日:2020-06-05

種・分類一覧