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モンキアゲハ(Papilio helenus)の分類 Papilionidae
モンキアゲハ(Papilio helenus)の概要 Papilio

モンキアゲハ(Papilio helenus)

【 学名 】
Papilio helenus Linnaeus, 1758

基本情報

大きさ・重さ

開長:約 110 mm
幼虫体長:約 60 mm (終齢)
(安田, 2010, p. 17)

参考文献

最終更新日:2020-05-09

活動時期

5〜6月, 7〜8月 (九州以北)
(白水, 2006, p. 35)

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-09

分布

本州 (宮城県以南)・四国・九州・南西諸島。国外では東洋熱帯に広く分布する。(白水, 2006, p. 35)

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-09

生息状況

かつては関東地方や北陸地方では個体数が少なかったが、近年分布を拡大し、個体数も増加している。(日本チョウ類保全協会, 2019, p. 63)

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .

最終更新日:2020-05-09

亜種

日本産は亜種 nicconicolens とされる。(白水, 2006, p. 35)

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-09

分類学的位置付け

昆虫綱 (Insecta) チョウ目 (Lepidoptera) アゲハチョウ科 (Papilionidae) アゲハチョウ亜科 (Papilioninae) アゲハチョウ族 (Papilionini) アゲハチョウ属 (Papilio) モンキアゲハ (Papilio helenus)
(白水, 2006, p. 13)

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-09

形態

成虫の形質

大型のチョウ。表は黒色で、後翅の中央に大型の黄白斑を持つので一見して日本産の他の黒色のアゲハ類と区別される。前翅の外側中央には不鮮明な白帯が、後翅の亜外縁には弦月状の赤斑列が現れる。
雌雄の斑紋はほとんど同じであるが、メスはオスよりも一般的に大型で、黒色地色はオスよりやや弱く、後翅亜外縁の弦月状の赤班列はオスより強く発達する。
夏型は春型より大きく、後翅の赤斑列がより強く発達する。

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .
  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-09

蛹の形質

蛹は曲がる角度が大きく、頭部の突起が左右に開く。(安田, 2010, p. 17)

参考文献

最終更新日:2020-05-09

幼体の形質

終齢幼虫の地色は黄緑色、中央部の斜帯は斑模様のある紫褐色で、背部で途切れる。臭角は紅色。(安田, 2010, p. 17)

参考文献

最終更新日:2020-05-09

地理的変異

大きさには地理的変異があり、分布の北限に近い産地のものは特に大型になる。(白水, 2006, p. 35)

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-09

生態

成虫の生息環境

平地〜丘陵地の森林の林間や林縁、ミカン類の栽培地、公園などで見られる。都市近郊にも普通に生息している。(日本チョウ類保全協会, 2019, p. 63)

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .

最終更新日:2020-05-09

成虫の食性

ウツギ類、クサギ、ヒガンバナなど各種の花を訪れ、吸蜜する。雄は湿地で吸水することも多い。

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .
  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-09

幼虫の食性

幼虫はキハダ・カラスザンショウ・ハマセンダン・カラタチ・サンショウ・ユズ・タチバナ・ウンシュウミカンなどのミカン科植物を食草とする。(白水, 2006, p. 35)

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-09

ライフサイクル

九州およびそれ以北の地域ではふつう年2化で、第1化 (春型) は5〜6月に、第2化 (夏型) は7〜8月に出現するが、稀に9〜10月にも成虫の姿を見かけることがあり、部分的に年3化になる場合もあると考えられる。奄美大島などでは3月より発生し、また秋季における発生終了も遅いため、発生回数はもっと多いと考えられている。蛹で越冬する。(白水, 2006, p. 35)

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-09

活動時間帯

日中
(日本チョウ類保全協会, 2019, p. 63)

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .

最終更新日:2020-05-09

生殖行動

交尾しながら飛翔する際は、雌が飛んで雄を連行する。(白水, 2006, p. 35)

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-09

特徴的な行動

日中、森林周囲のやや高所を飛翔する。雄は山間の渓流や林縁、道路に沿ってチョウ道を作る。(日本チョウ類保全協会, 2019, p. 63)

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .

最終更新日:2020-05-09

関連情報

その他

野外でクロアゲハとの雑種が見つかったことがある。(白水, 2006, p. 35)

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-09

種・分類一覧