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ナガサキアゲハ(Papilio memnon)の分類 Papilionidae
ナガサキアゲハ(Papilio memnon)の概要 Papilio

ナガサキアゲハ(Papilio memnon)

【 学名 】
Papilio memnon Linnaeus, 1758

基本情報

大きさ・重さ

開長:70〜120 mm
幼虫体長:70 mm (終齢)
(安田, 2010, p. 17)

参考文献

最終更新日:2020-05-06

活動時期

4〜10月
(白水, 2006, p. 34)

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

分布

本州 (関東以南)・四国・九州・南西諸島
(白水, 2006, p. 34)

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

生息状況

かつての分布は九州や四国南部までであったが、食草栽培の普及や地球温暖化の影響で北上し、現在では東京近郊にも普通に見られるようになっている。(日本チョウ類保全協会, 2019, p. 59)

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .

最終更新日:2020-05-06

亜種

いくつかの亜種に分けられており、日本産は亜種 thunbergii (Von Siebold, 1824) である。台湾には亜種 heronus (Fruhstorfer, 1903) が産する。(白水, 2006, pp. 34-35)

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

分類学的位置付け

昆虫綱 (Insecta) チョウ目 (Lepidoptera) アゲハチョウ科 (Papilionidae) アゲハチョウ亜科 (Papilioninae) アゲハチョウ族 (Papilionini) アゲハチョウ属 (Papilio) ナガサキアゲハ (Papilio memnon)
(白水, 2006, p. 13)

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

形態

成虫の形質

大型で、雄は常に、雌も多くは尾状突起を持たないこと、および前後翅裏面基部に顕著な赤斑を持つことで他の日本産黒色のアゲハ類から区別される。雄の翅は一様に黒色で、後翅外半に青白色の鱗粉が散布される。雌は地色が淡色で、特に前翅の地色は淡く、後翅に白斑を持つ。
雌では稀に尾状突起のある有尾型が出現するが、これは遺伝によるものであり、この遺伝子は低い頻度で存在するものと考えられている。

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .
  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

幼体の形質

日本産アゲハチョウ科では最大級のイモムシで、3〜4齢は緑色を帯びた鳥糞状、5齢幼虫は緑色になる。頭部は淡緑色で、後胸部と腹部中央の斜帯は白色部が多い。(安田, 2010, p. 17)

参考文献

最終更新日:2020-05-06

地理的変異

雌の白化の度合いは地域・個体によって異なるが、一般に南方のものほど白斑が大きい。奄美大島や沖縄産のものでは後翅白斑は拡大して第6室まで達することが多く、また前翅も白化の傾向が強い。
日本産の雌は無尾のものが多いが、台湾およびそれ以南の東洋熱帯では雌に有尾、無尾の2型がある。

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .
  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

生態

成虫の生息環境

森林、農地、公園、人家など、平地〜丘陵地のミカン類の栽培地に生息する。(日本チョウ類保全協会, 2019, p. 59)

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .

最終更新日:2020-05-06

成虫の食性

クサギ、ハイビスカス、ツツジ類、ミカン類などの花を訪れる。吸水行動はほとんど見られない。

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .
  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

幼虫の食性

ブンタン・ウンシュウミカン・ユズ・ナツミカン・ダイダイ・グレープフルーツ・カラタチ・キンカンなど栽培ミカン類を主な食草とする。

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .
  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

ライフサイクル

九州北部では年3回の発生で、第1化は4月下旬〜5月上旬より、第2化は6月下旬〜7月上旬より、第3化は8月中〜下旬より発生する。より温暖な地域では第1化の発生が早く (奄美大島では3月から出現) 、秋季における発生の終了も遅くなり、発生回数も増えるものと考えられている。幼虫齢数は5齢で、蛹で越冬する。

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

活動時間帯

日中
(日本チョウ類保全協会, 2019, p. 59)

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .

最終更新日:2020-05-06

生殖行動

交尾しながら飛翔する際は、雌が飛んで雄を連行する。(白水, 2006, p. 34)

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

産卵

記録された最大産卵数は337卵。(白水, 2006, p. 34)

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

特徴的な行動

日中、食草の付近を中心にやや高所を緩やかに飛翔する。雄はチョウ道を作る。(日本チョウ類保全協会, 2019, p. 59)

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .

最終更新日:2020-05-06

関連情報

研究されているテーマ

無尾型と有尾型の遺伝形式について研究が行われており、有尾は無尾に対して優性であること、および有尾因子は腹部側面の黄色、後翅白斑の出現という2つの形質を支配する因子と完全連鎖に近い関係にあることが明らかになった。(白水, 2006, p. 34)

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-06

種・分類一覧