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スジグロシロチョウ(Pieris melete)の分類 Pieridae
スジグロシロチョウ(Pieris melete)の概要 モンシロチョウ属(Pieris)

スジグロシロチョウ(Pieris melete)

【 学名 】
Pieris melete Ménétriès, 1857

基本情報

大きさ・重さ

開長:50〜60 mm
幼虫体長:約 30 mm (終齢)

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最終更新日:2020-05-09

活動時期

3月下旬〜10月

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最終更新日:2020-05-09

分布

北海道・本州・四国・九州・対馬・屋久島。国外では朝鮮半島・中国・チベット・インド北東部などに分布する。

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最終更新日:2020-05-09

生息状況

東京の都市部ではショカッサイが増えていることから近年よく見られる一方、名古屋や大阪の都市部では見られない。

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亜種

日本産は全て名義タイプ亜種 melete とされる。

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分類学的位置付け

昆虫綱 (Insecta) チョウ目 (Lepidoptera) シロチョウ科 (Pieridae) モンシロチョウ亜科 (Pierinae) モンシロチョウ族 (Pierini) モンシロチョウ属 (Pieris) スジグロシロチョウ (Pieris melete)

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最終更新日:2020-05-09

形態

成虫の形質

中型のチョウ。表は白色で黒斑があり、裏は白色〜やや黄色みを帯びる白色。翅表では翅脈に沿って黒条があり、外縁部で特に強く出現するが、後方翅底部に向かって弱くなりほとんど消失する。
顕著な季節型を示し、春型は一般的に夏型と比較して前翅裏面翅端部および後翅裏面は強く黄色を帯び、翅形がやや細く、裏面の翅脈に沿う黒条は強く発達する。また夏型では春型に比べて翅表外縁部の黒条、前翅端の黒斑、前翅第3および第1b室の黒斑が強く現れる。
春型・夏型ともに、雄は前翅端の黒斑および翅脈に沿った黒条の発達が悪く、前翅第3および第1b室の黒斑は全く、あるいはほとんど現れないが、雌は翅表の翅脈に沿う黒条が発達し、前翅第3および第1b室の黒斑は明瞭に現れる。
ヤマトスジグロシロチョウ、エゾスジグロシロチョウと酷似しており、正確な同定には顕微鏡を用いて翅表中央部にある発香鱗の形状を比較する必要がある。春型に関しては、後翅裏面の肩脈がこの2種では短く不明瞭であるのに対し、本種では鋭く尖り明瞭であることで区別される。夏型では、本種はヤマトスジグロシロチョウより翅形が丸みを帯びる傾向にある。また、この2種では雌の翅表前翅内縁の黒帯があまりぼやけないのに対し、本種ではその黒帯が大きく広がりぼやける傾向にある。発香鱗の匂いは、本種では柑橘系に似た強い匂いがするが、ヤマトスジグロシロチョウではより穏やかな匂いがする。

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最終更新日:2020-05-09

蛹の形質

蛹はモンシロチョウと似ているが、頭頂、中胸、第2〜3腹節の突起がより大きい。

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幼体の形質

幼虫は緑色で全身に黒い毛があり、毛の基部は黒く隆起していて目立つ。背線は目立たない。

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似ている種 (間違えやすい種)

モンシロチョウ・ヤマトスジグロシロチョウ・エゾスジグロシロチョウ

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生態

成虫の生息環境

平地〜山地の森林の林縁部や渓流沿いのほか、都市近郊の公園や荒地にも広く見られる。暗くやや湿った環境を好み、日当たりの良い草原や耕作地を好むモンシロチョウとはすみ分けが見られる。

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成虫の食性

タンポポ類・アザミ類・ヒヨドリバナなど各種の花を訪れて吸蜜する。オスは吸水性が強く、しばしば湿地で集団を作るところが観察される。

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幼虫の食性

幼虫の食草は主にオオアラセイトウ・エゾハタザオ・ジャニンジン・オオバタネツケバナ・コンロンソウ・ミヤマタネツケバナ・エゾワサビ・キレハイヌガラシなどのアブラナ科の野生種。アブラナ・ワサビ・ショカッサイといった栽培種やダイコンなどにもつくことがある。

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ライフサイクル

暖地では年4〜5化で、春型 (第1化) は3月下旬〜4月上旬から出現し、第2化 (夏型) は5月中・下旬から発生、以後連続的に発生して秋季に及ぶ。幼虫は全5齢で、蛹で越冬する。

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活動時間帯

日中

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生殖行動

交尾しながら飛翔する際は雄が雌を連行する場合がほとんどで、雌が雄を連行していた記録は極めて少ない。

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産卵

記録された最大産卵数は358個。

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特徴的な行動

成虫は日中、林縁部や草地を緩やかに飛翔する。

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最終更新日:2020-05-09

種・分類一覧