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- ルリシジミ(Celastrina argiolus)について
ルリシジミ(Celastrina argiolus)
- 【 学名 】
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Celastrina argiolus (Linnaeus, 1758)
目次
基本情報
- 亜種
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旧北区から新北区にかけて14亜種が知られ、ヨーロッパ産が名義タイプ亜種となる。日本産は亜種 ladonides (de l'Orza, 1869) で、C. argiolus の亜種とされるのが普通だが、argiolus とは別種と主張する学者もいる。
参考文献
最終更新日:2020-06-01 鍋
- 分類学的位置付け
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昆虫綱 (Insecta) チョウ目 (Lepidoptera) シジミチョウ科 (Lycaenidae) シジミチョウ亜科 (Lycaeninae) ヒメシジミ族 (Polyommatini) ルリシジミ属 (Celastrina) ルリシジミ (Celastrina argiolus)
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形態
- 成虫の形質
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小型のチョウ。雄の翅表は青藍色で、前翅外縁の黒帯は狭く、後翅では細い線状の外縁線となる。雌の翅表は白青色で、外縁の黒帯は雄に比べて著しく広い。裏面の地色は春型では蒼灰色、夏型では灰白色で、黒斑が散らばる。性差はほとんどない。後翅第1b+c室の2黒斑が完全に分離することで同属の他種と区別できる (同属他種ではこの2黒斑が結合して「く」の字状になる) 。
雄の翅表の青藍色部の色調は季節によってやや異なり、春型では暗色を帯びて光沢が強く、夏型では明るくやや白色を帯びる。雌の外縁の黒帯の発達の程度も季節によって異なり、春型では弱く、夏型では強い。翅裏の黒斑の形とその強さには個体変異が著しい。
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生態
- 幼虫の食性
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幼虫は主としてフジ・ヤマフジ・クララ・ハリエンジュ・クズ・ハギ類・カラスノエンドウ・サイカチ・ヌスビトハギ・シロツメクサなど各種のマメ科植物の花蕾を食べるが、マメ科以外のミズキ科 (ミズキ・クマノミズキ) 、バラ科 (リンゴ・スモモ・ナナカマド・リンボクなど) 、ミツバウツギ科 (ミツバウツギ) 、ブナ科 (スダジイ・コナラ・クヌギ・ナラガシワ) 、ヒルガオ科 (ネナシカズラ) 、タデ科 (イタドリ・オオイタドリ・ヒメスイバ) など他科の花蕾も食草としている。花蕾を食べるため、季節的に食草を変える傾向が強い。
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- ライフサイクル
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暖地では年4〜6化、寒冷地では年2〜3化。春季最も早くから出現するチョウの一種で、暖地では第1化 (春型) は3月中・下旬より出現する。第2化は5月下旬〜6月上旬より出現し、以降引き続き発生を繰り返して秋季に及ぶが、暖地の平地から低山地では盛夏には個体数が少ない。幼虫は全4齢で、蛹で越冬する。
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