- 解説一覧
- ゲンジボタル(Luciola cruciata)について
目次
基本情報
- 大きさ・重さ
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・成虫体長 :10~16 ㎜
・幼虫体長 :約 25 ㎜(老熟幼虫)
・卵の大きさ:長軸 0.5 ㎜ × 短軸 0.45 ㎜
参考文献
- 2012 虫の卵ハンドブック - 書籍全体, 鈴木知之(著) 虫の卵ハンドブック. 文一総合出版. .
最終更新日:2020-08-11 ひろりこん
- 生息状況
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人里は人間活動がたいへん活発な環境であり、昭和初期以降、歴史上例のない速さで開発が進み、人々の生活様式の変化に伴い、ホタルの生息環境は破壊され、変貌を遂げた。とくに水系に依存するゲンジボタルは激減し、現在では全国10か所の生息地が国指定の天然記念物となっているほか、県・市町村で指定され保護されている地域もある。
参考文献
- 大場信義 1998 ホタル類, 日高敏隆(監修) 石井実、大谷剛、常喜豊(編) 日本動物大百科10:昆虫Ⅲ. 平凡社. pp. 123-125.
最終更新日:2020-08-11 ひろりこん
- 保全の取り組み
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全国各地で多数の団体や地方自治体が努力し、ホタルの里づくりが進められている。全国ホタル研究会は日本を代表する会で、ホタルの季節には全国各地でホタル観察会や鑑賞会を開いている。さらに、日本ホタルの会によって、都市化とともに失われていく人里環境をホタルを通して保全・再生しようとする活動が活発に推進されている。
以下の10か所のうち、「長岡のゲンジボタルおよびその発生地」は特別天然記念物に、その他は天然記念物に指定されている。(文化庁, 2019)
・沢辺ゲンジボタル発生地(宮城県)
・東和町ゲンジボタル生息地(宮城県)
・志賀高原石の湯のゲンジボタル生息地(長野県)
・岡崎ゲンジボタル発生地(愛知県)
・息長ゲンジボタル発生地(滋賀県)
・長岡のゲンジボタルおよびその発生地(滋賀県)
・清滝川のゲンジボタルおよびその生息地(京都府)
・木屋川・音信川ゲンジボタル発生地(山口県)
・山口ゲンジボタル発生地(山口県)
・船小屋ゲンジボタル発生地(福岡県)
参考文献
- 大場信義 1998 ホタル類, 日高敏隆(監修) 石井実、大谷剛、常喜豊(編) 日本動物大百科10:昆虫Ⅲ. 平凡社. pp. 123-125.
最終更新日:2020-08-11 ひろりこん
- 別名・流通名・方言名
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名産地京都の宇治にちなんで「宇治蛍」と呼ぶことがある。
参考文献
- 2006 新装版山渓フィールドブックス 甲虫 - 書籍全体, 黒沢良彦、渡辺泰明(著) 新装版山渓フィールドブックス 甲虫. 山と渓谷社. .
最終更新日:2020-08-11 ひろりこん
- 人間との関係
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夏の風物詩としてもっとも親しまれてきた昆虫の1つである。水田をとりまく身近な水辺で生息していただけに、水田の維持管理の中で繁殖してきた。長いあいだ人間との共存関係にあったホタルを扱う文学、詩歌、短歌、俳句は数えきれない。美しい日本の原風景と融合し、昔の人々はホタル狩りを楽しみ、子供たちはホタルブクロの花の中でホタルの光りを鑑賞した。不思議にホタルの光は日本人の心を揺さぶる力がある。
参考文献
- 大場信義 1998 ホタル類, 日高敏隆(監修) 石井実、大谷剛、常喜豊(編) 日本動物大百科10:昆虫Ⅲ. 平凡社. pp. 123-125.
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形態
- 成虫の形質
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体は黒色。前胸は淡赤色で正中に暗色の縦線があり、線の中央は広がる。腹部後方は黄白色。眼は大きく半球状で両眼間は陥没し、小点刻を具える。
参考文献
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- 卵の形質
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回転楕円体。孵化間近になると、卵内の幼虫は刺激に対して発光する。
参考文献
- 2012 虫の卵ハンドブック - 書籍全体, 鈴木知之(著) 虫の卵ハンドブック. 文一総合出版. .
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- 地理的変異
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形態や遺伝子から東日本型と西日本型(もしくは種レベル)に分けられるとするが、幼虫における区別点は不明。また、東日本型と西日本型は発光パターンが異なることも知られており、中部日本を境にすみわけている。
参考文献
- 大場信義 1998 ホタル類, 日高敏隆(監修) 石井実、大谷剛、常喜豊(編) 日本動物大百科10:昆虫Ⅲ. 平凡社. pp. 123-125.
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生態
- 幼虫の生息環境
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主に河川の上中流域の渓流。
ホタル科は熱帯地方に広く分布しており、世界で約2000種が知られているが、幼虫期が水生である種は大変少ない。日本からは9属40余種の記録があるが、幼虫が水生の種はゲンジボタルとヘイケボタル、クメジマボタルの3種のみである。
参考文献
最終更新日:2020-08-11 ひろりこん
- 成虫の天敵
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クモ類が最も多く、サワガニ、キリギリス類などがこれまでに知られている。
参考文献
- 大場信義 1998 ホタル類, 日高敏隆(監修) 石井実、大谷剛、常喜豊(編) 日本動物大百科10:昆虫Ⅲ. 平凡社. pp. 123-125.
最終更新日:2020-08-11 ひろりこん
- ライフサイクル
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関東地方では6月に成虫が出現し、配偶行動後にメスは河岸のコケなどに500~1000個産卵する。卵は約30日でふ化し、約 2 ㎜の幼虫は水中で小さなカワニナを捕食し、10か月以上をへて5回脱皮し、終齢幼虫となる。十分に成長した幼虫は上陸し、土に潜って蛹室を作る。約40日を経過し、羽化した成虫が再び地上に現れる。寒冷地では羽化までに1年以上を要することもある。
参考文献
- 大場信義 1998 ホタル類, 日高敏隆(監修) 石井実、大谷剛、常喜豊(編) 日本動物大百科10:昆虫Ⅲ. 平凡社. pp. 123-125.
最終更新日:2020-08-11 ひろりこん
- 産卵
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雌は水際の石や土、幹などに生えた苔の上に100卵以上をまとめて産み付ける。メスの総産卵数は500~1500個。
参考文献
- 2012 虫の卵ハンドブック - 書籍全体, 鈴木知之(著) 虫の卵ハンドブック. 文一総合出版. .
最終更新日:2020-08-11 ひろりこん