- 解説一覧
- アオキ(Aucuba japonica)について
目次
基本情報
- 別名・方言名
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青木、桃葉珊瑚
アオキバ、サンゴノキ/アオギバ(青森、秋田、山形)、マクラッコ(岩手)、ミソブタ(埼玉、東京)、オショーキ(千葉、神奈川)、オーキバ(静岡、山口)、イボシ(大分、宮崎)、ヤマダケ(宮崎、熊本、鹿児島)
参考文献
最終更新日:2020-05-14 キノボリトカゲ
- 人間との関係
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庭園、公園の植え込み、根締め、材は箸、杖などや小細工物。葉は飼料に利用される。
弱火であぶった葉を火傷やしもやけ、切傷などの患部に貼り薬用とする。また民間の健胃剤として知られる。
「蛇羅尼助」はアオキの葉をキハダ、センブリなどとともに原材料の1つとして用いるという。
紅熟した果実は鳥に食べられ散布される。また若芽や葉は飢饉のときに食用にしたり飼料にされるというが、食べておいしいものではない。
東アジアの特産種で、イギリス人J・グレツァーが1780年代にヨーロッパにもたらした。
翌年出版されたツュンベリー『日本植物誌』によって広く紹介された。
1783年、ヨーロッパにグレーファーJ. Graefferによって最初に導入されたアオキの品種は黄色の斑の入る葉の美しい雌の系統であったが、雄の個体がなかったために結実しなかった。
そのため日本に特別に採集隊が派遣され、1856-66年に多数の系統が導入され、結実をみるようになった。
ヨーロッパでの最初の結実は1865年に発表された。
当初イギリスに渡ったのは雌木だけで実を結ばなかった。雄木をイギリスに伝えたのは、植物採集を目的に英国王立園芸協会によって派遣されたロバート・フォーチューン。
雄木は1861年、イギリスの軍艦で本国へ運ばれた。
季題は「冬」。青木の実。「つややかにかたまりうれて青木の実 莉花女」「寒中や紅さしそめし青木の実 芳翠」などの句がある。
わが国でアオキの名が最初に登場する書物は貝原益軒『花譜』。
参考文献
- 中村恒雄@堀田満@新田あや 1989 Aucuba Koehne アオキ属, 堀田満、緒方健、新田あや、星川清親、柳宗民、山崎耕宇(編) 世界有用植物事典. 平凡社. pp. 131-132.
最終更新日:2020-05-14 キノボリトカゲ
形態
- 葉の形質
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葉は対生し、有柄、2~3 ㎝。
葉身は長楕円形で鋭尖、長さ 8~20 ㎝、葉縁には粗いきょ歯がある。
革質で、上面は深緑色で光沢がある。
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- 花の形質
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雌雄同色、小枝の先に円錐花序をつける。
雄花は 7~10 ㎝と大形で多数花をつけ、雌花は小形で少数花をつける。
花は紫褐色の小さい4弁花である。
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生態
- その他生態
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繫殖は実生、さし木による。実生は果肉を水洗い生干しし、採りまきする。発芽率は高い。さし木は春は前年枝、夏、秋は当年枝をさす。
自然の形を乱すとび枝や枯れ枝、細枝を切る程度。施肥はほとんど必要ない。
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