- 解説一覧
- ブナ(Fagus crenata)について
目次
基本情報
- 別名・方言名
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ブナノキ、ホンブナ、シロブナ、ソバグリ(実に稜[そば=ものの角]があり、また食べられるため)、ソバグルミ/ブンナ(岩手、秋田)、アカブナ(埼玉)、ノジイ(広島)、オモノキ(高知)、クマエ(熊本)ヤマエノキ(宮崎)/ピラニ(アイヌ「崖の木」)
参考文献
最終更新日:2020-05-14 キノボリトカゲ
- 人間との関係
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果実を食用とし、また灯油、食用油をしぼる。
材は散孔材で、辺材と心材の色の違いが少なく、淡桃から帯桃黄白色を示すが、しばしば病的な刺激でできる汚い褐色から紅褐色の偽心材をもつ。
気乾比重約 0.63。古くから漆器木地、杓子、その他の器具類に用いられ、今日では家具、フローリングなどの主要材の一つである。
粘り強く、とくに椅子などの曲木用材として最適で、また運動具、枕木、パルプ材、家具、器具、にも用いられる。
乾燥時に狂いが出やすいのと腐朽が早いのが欠点とされ、第二次大戦前まではあまり利用が進まなかったが、出材および乾燥技術の進歩で問題がなくなった。
しかし、そのため大量の木が伐られ、良材の蓄積が減少し、また自然保護の点からも問題になっている。
堅果は救荒時の食用とされ、またブタなどの飼料にもなる。観賞用に栽植もされるが、盆栽に多く利用される。
燃焼に強いためガラス木型としても使われる。
古くは、ほふられた動物の頭蓋骨や皮をかけるなどして、供犠の木とされた。
葉ずれの音から未来を占ったり、芽の出し方で景気や天候を占ったりした。
タキトゥス『ゲルマニア』には、ブナの枝を切って、占いに使う話がある。
青森、秋田県境にまたがる白神山地のブナ原生林は1993年、屋久島とともに世界自然遺産条約の登録地にも指定された。
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最終更新日:2020-05-14 キノボリトカゲ
形態
- 葉の形質
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葉は互生、有柄、葉身は広卵形または菱形状楕円形、左右不等、長さ 5~10 ㎝、幅 3~6 ㎝。
先端は鋭頭、基部は広いくさび形、葉縁に波状の鈍歯があり、側脈は7~11対、表面は初め長毛があり、のち無毛。
裏面脈上のみ有毛。葉柄は長さ 0.5~1 ㎝。
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- 茎(幹)の形質
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幹は直立し、樹皮は灰白色から暗灰白色、平滑で割れ目はない。地衣の斑紋がついていることが多い。
若枝には黄褐色の軟毛があり、のちに無毛。長い皮目が多い。
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- 花の形質
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雌雄同株。雄花序は長柄、新枝下部の葉えきより下垂する。柄には長軟毛が密生し、雄花は6~15個、雄しべは10~16。
雌花序は新枝の上部からえき生して、長軟毛の密生する柄があり、上向きで頭状。子房は卵形で3花柱。
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