- 解説一覧
- クチナシ(Gardenia jasminoides)について
目次
基本情報
- 和名の解説
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①「口無し」の意味。実が熟しても裂開しないところから。
②角形の萼がクチバシに似ていることから、「クチが付いているナシ(実)」という意味でクチナシ。
③クチニガシの意味から。ほかにも諸説がある。
参考文献
最終更新日:2020-05-15 キノボリトカゲ
- 人間との関係
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実は昔から黄色染料として使われ、この実で染めたやや赤味を帯びた黄色を「山梔子色」と呼び親しまれてきた。
無害無毒の染料で、布などのほか食物にも用い、現在でもわずかながら、きんとんや餅、たくあん、ラーメン、栗飯などの着色に使われる。
花は二杯酢につけて食用とする。中国では茶の香り付けに使われる。
漢方ではこの実を乾燥したものを「山梔子」と呼び、利尿や解熱に用いる。民間では消炎、鎮静剤に使われる。
古くから庭木として、また染料や薬用として日本人の生活にとけこんでいた。
『日本書記』にすでにその名が見られ、『延喜式』にもお盆の供養料としてクチナシの名が挙げられている。
平安文学には山梔子衣がよく登場する。
「ひまひまよりほの見えたる薄鈍、山梔子の袖口など、なかなかなまめかしう、奥ゆかしう思いやられ給ふ」(『源氏物語』)
花の香りを貴んだ中国では梅、百合、菊、桂花、茉莉花、水仙とともに「七香」としている。
ヨーロッパではコサージュやブーケに使われた、マルセル・プルーストもこの花を胸に挿すのを好んだという。
タヒチのシンボルともいえるのがクチナシの花。
日本のクチナシとは少し違う種類で、香りがより強い。女性には水浴びのあと、この花を髪に飾る。
季題は「夏」山梔子の花。「秋」山梔子。「口なしの花は丈の褪せるごと 草田男」「薄月夜くちなしの花にほいけり 子規」などの句がある。
参考文献
最終更新日:2020-05-15 キノボリトカゲ
形態
- 葉の形質
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葉はほとんど無柄で対生、または3輪生する。
葉身は長楕円形または倒卵状楕円形で長さ 5~11 ㎝、幅 2~4 ㎝、全縁で表面に光沢があり、両面無毛である。托葉は落ちやすい。
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- 花の形質
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枝先に 6~7 ㎝の高盆状の白色花を開く。花には芳香がある。花柄は 0.2~0.7 ㎝。
花冠は質が厚く、ふつう6片に裂ける。裂片は倒卵形で開出し、初め白いがしだいに黄色くなる。
蕾の時は全体がねじれる。雄しべは6個。
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- 果実の形質
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果実は倒卵形で長さ 2 ㎝ぐらい、6本の縦の稜があり、黄赤色に熟し、頂には宿存性の6個のがく片がある。
中に黄色の果肉と種子が入っている。
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