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クチナシ(Gardenia jasminoides)の分類 Rubiaceae
クチナシ(Gardenia jasminoides)の概要 Gardenia

クチナシ(Gardenia jasminoides)

【 学名 】
Gardenia jasminoides J.Ellis

基本情報

草丈・樹高

・高さ:3~4 m

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最終更新日:2020-05-15 キノボリトカゲ

生活形

・広葉樹、常緑低木

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花期

6~7月

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分布

本州(静岡県以西)、四国、九州、沖縄、台湾、中国、ベトナムに分布する。

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学名の解説

種小名 jasminoides はジャスミンに似た香りという意味。

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和名の解説

①「口無し」の意味。実が熟しても裂開しないところから。

②角形の萼がクチバシに似ていることから、「クチが付いているナシ(実)」という意味でクチナシ。

③クチニガシの意味から。ほかにも諸説がある。

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別名・方言名

センプク(潜伏のことで、実が口を割らないことから)

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分類学的位置付け

アカネ科 クチナシ属

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人間との関係

実は昔から黄色染料として使われ、この実で染めたやや赤味を帯びた黄色を「山梔子色」と呼び親しまれてきた。

無害無毒の染料で、布などのほか食物にも用い、現在でもわずかながら、きんとんや餅、たくあん、ラーメン、栗飯などの着色に使われる。

花は二杯酢につけて食用とする。中国では茶の香り付けに使われる。

漢方ではこの実を乾燥したものを「山梔子」と呼び、利尿や解熱に用いる。民間では消炎、鎮静剤に使われる。

古くから庭木として、また染料や薬用として日本人の生活にとけこんでいた。

『日本書記』にすでにその名が見られ、『延喜式』にもお盆の供養料としてクチナシの名が挙げられている。

平安文学には山梔子衣がよく登場する。

「ひまひまよりほの見えたる薄鈍、山梔子の袖口など、なかなかなまめかしう、奥ゆかしう思いやられ給ふ」(『源氏物語』)

花の香りを貴んだ中国では梅、百合、菊、桂花、茉莉花、水仙とともに「七香」としている。

ヨーロッパではコサージュやブーケに使われた、マルセル・プルーストもこの花を胸に挿すのを好んだという。

タヒチのシンボルともいえるのがクチナシの花。

日本のクチナシとは少し違う種類で、香りがより強い。女性には水浴びのあと、この花を髪に飾る。

季題は「夏」山梔子の花。「秋」山梔子。「口なしの花は丈の褪せるごと 草田男」「薄月夜くちなしの花にほいけり 子規」などの句がある。

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形態

葉の形質

葉はほとんど無柄で対生、または3輪生する。

葉身は長楕円形または倒卵状楕円形で長さ 5~11 ㎝、幅 2~4 ㎝、全縁で表面に光沢があり、両面無毛である。托葉は落ちやすい。

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茎(幹)の形質

茎はそう生し、若枝は緑色で丸く、古くなると灰褐色になる。

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花の形質

枝先に 6~7 ㎝の高盆状の白色花を開く。花には芳香がある。花柄は 0.2~0.7 ㎝。

花冠は質が厚く、ふつう6片に裂ける。裂片は倒卵形で開出し、初め白いがしだいに黄色くなる。

蕾の時は全体がねじれる。雄しべは6個。

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果実の形質

果実は倒卵形で長さ 2 ㎝ぐらい、6本の縦の稜があり、黄赤色に熟し、頂には宿存性の6個のがく片がある。

中に黄色の果肉と種子が入っている。

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似ている種 (間違えやすい種)

オオスカシバ

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生態

生育環境

暖地の山地にはえ、観賞用によく栽培されている。

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関連情報

栽培方法

土性を選ばずよく育つ。繫殖は実生、さし木、株分けによる。

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種・分類一覧