- 解説一覧
- キヅタ(Hedera rhombea)について
基本情報
- 草丈・樹高
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30~40 mになる。
参考文献
- 藤岡作太郎・横井政人 1994 キヅタ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 643.
最終更新日:2020-06-12 ハリリセンボン
- 分布
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本州、四国、九州、朝鮮半島南部、台湾に分布する。
参考文献
- 藤岡作太郎・横井政人 1994 キヅタ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 643.
- 伊澤一男 1998 キヅタ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 490.
最終更新日:2020-06-12 ハリリセンボン
- 学名の解説
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種小名は「菱形」を意味し、幼形葉の形に由来する。
参考文献
- 下村孝 1997 キヅタ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 139₋140.
最終更新日:2020-06-12 ハリリセンボン
- 和名の解説
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『本草綱目啓蒙』(1803)は、「其藤最大にして木の如く、或は直立す、ゆえにキヅタと呼ぶ」としているように、キヅタのキは大木の意である。ヅタはツタで、壁などに伝わってからみつく、伝うから、ツタとなった。
参考文献
- 伊澤一男 1998 キヅタ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 490.
最終更新日:2020-06-12 ハリリセンボン
- 亜種・変種・品種
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【変種】
・シロバキヅタ(var. arqenla)
・フクリンキヅタ(var. variegata)
参考文献
- 藤岡作太郎・横井政人 1994 キヅタ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 643.
最終更新日:2020-06-12 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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別名:オニヅタ、フユヅタ
参考文献
- 藤岡作太郎・横井政人 1994 キヅタ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 643.
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- 分類学的位置付け
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ウコギ科 キヅタ属
参考文献
- 藤岡作太郎・横井政人 1994 キヅタ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 643.
- 伊澤一男 1998 キヅタ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 490.
最終更新日:2020-06-12 ハリリセンボン
- 人間との関係
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紅葉したあと落葉するツタがナツヅタと呼ばれるのに対し、常緑性のキヅタにはフユヅタの異名がある。
属名のヘデラがこの植物を指す古いラテン語であることからも分かるように、ヘデラと人々の関わりは有史以前にさかのぼる。5000年前のヨーロッパで、家畜に冬の間の飼料としてヘデラを与えていたと言われる。
【成分】
解毒作用のあるサポニンのヘデリンを含む。
【薬効と用い方】
・腫れ物、寄生性皮膚病に用いる
生の葉をすりつぶし、ゴマ油で練って患部に塗る。
・発汗に用いる
乾燥葉1日量 3~6 gを水 300 ㏄で3分の1量に煎じ、3回に分けて服用する。
参考文献
- 伊澤一男 1998 キヅタ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 490.
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形態
- 葉の形質
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幼葉は3~5裂して、成熟した枝のものは卵円形で表面は光沢がある。長さ 4~7 cm、幅 2~4 cmである。
成形葉は全縁で卵形、先端は鈍系、長さと幅はそれぞれ 7 cmと 4 cmまで。
参考文献
- 藤岡作太郎・横井政人 1994 キヅタ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 643.
- 下村孝 1997 キヅタ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 139₋140.
最終更新日:2020-06-12 ハリリセンボン
生態
- その他生態
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耐寒性は強く、本州以南では露地で越冬する。不適環境下でもよく育ち、セイヨウキヅタに比べると伸長は鈍いが、樹勢は強い。コンクリートの壁面にはブドウ科のツタ(Parthenocissus tricuspidata)と混植するとよい。
あらかじめ生育のはやいツタで被覆し、最後はキヅタで被覆するという方法が効果的である。
参考文献
- 藤岡作太郎・横井政人 1994 キヅタ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 643.
最終更新日:2020-06-12 ハリリセンボン
関連情報
- 栽培方法
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キヅタ類の増殖は、実生によると年月がかかるのと発芽率が悪いために、挿木で行う。
1年中でもっとも発根率が高いのは、まだ芽の動かない3~4月で、次いで9~10月の夏の伸長後の組織が固まったときがよい。6月のもっとも生育旺盛な時期は避けた方がよい。
鹿沼土、砂にピートモスとバーミキュライトを混合し、数日前から灌水を重ねてよく馴染ませた条件で挿す。挿穂は2節で切るのがもっとも能率がよい。秋に挿す場合は、挿床のまま暖かく越冬させて、3~4月に鉢揚げするのがよい。
肥料は十分に施す必要があり、本来丈夫な植物ではあるが、6~8月に炭疽病やぺスタロチア病が発生することがあるため、ダニコール水和剤の600倍液で、たびたび予防することが大切である。生産の段階では、10.5 cmのポットに3本植え、9 cmのポットに1本植えを原則とする。
一方、庭や公共緑地帯に配植するときは、水はけを十分に考えた床の設定が必要で、永続的な植栽にはBM溶リンや緩効性肥料を培養土作りの際に混入する。全層に与えると雑草が茂りやすいので、肥料は根の張る位置にまとめて埋め込む方がよい。
3~4月に 1 ㎡あたり6~9株植えると、年内には 1~1.5 mくらい伸び、ほぼ80%までグラウンドカバーは達成できる。なお、植栽したベースの雑草を防ぐ方法として、ピートモスやバーク、落葉などでマルチするとよい。
生長が旺盛なために、3月と9月の2回追肥を与え、また5~6月にはカイガラムシ防止のために殺虫剤を定期的に散布する。
参考文献
- 藤岡作太郎・横井政人 1994 キヅタ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 643.
最終更新日:2020-06-12 ハリリセンボン