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ビロウ(Livistona chinensis)の分類 Arecaceae
ビロウ(Livistona chinensis)の概要 Livistona

ビロウ(Livistona chinensis)

【 学名 】
Livistona chinensis (Jacq.) R.Br. ex Mart.

基本情報

草丈・樹高

・樹高:10~15 m
・幹径:0.3~0.6 m

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最終更新日:2020-04-27 キノボリトカゲ

生活形

・特殊樹、常緑高木

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分布

四国南部、九州沖ノ島以南、沖縄、台湾北部の亜熱帯に自然分布。植栽分布は成木で本州の関東南部以南の暖地。

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学名の解説

属名は英国エジンバラ近くのリビングストンの貴族P・ミュレーにちなむことから。種小名は「中国」の、変種名は「やや球形の」の意味。

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和名の解説

ヤシ科の別種ビンロウジュと混称され、その漢名「檳榔」が変化したもの。

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別名・方言名

ワビロウ、アジマサ、ビロウジュ/コバ、クバ(南西諸島)

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分類学的位置付け

やし科 ビロウ属

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人間との関係

庭園樹、街路樹、公園樹などに用いる。

葉をさらして細く裂き、笠、うちわ、垣根などの材料としたり、屋根葺きに用いる。材は竹材の代用としてステッキや傘の柄などとし、また丸木のまま床柱などに用いる。

古名は「アジマサ」というが、記紀や『延喜式』などで「檳榔」の字があてられたため、別種ビンロウと混同された。

沖縄では御嶽(おたけ、うたき)と呼ばれる聖所の奥に生えるビロウは神が降臨する神木とされる。

平安時代には扇や牛車の車箱に使われた。とくに葉を白くさらし細く裂いた「檳榔毛」で葺いた牛車は「檳榔毛の車」と呼ばれ、天皇をはじめとする貴族の乗り物とされた。

与那国島では果実をミソにし、新芽を野菜とする。

『琉球国由来記』には「コバウノ嶽」「コバモトノ嶽」「コバツカサノオイベ」など御嶽や神の名に蒲葵を冠したものが多く登場し、またマユンガナシという来訪神がビロウの蓑笠をまとって訪れたり、女性の神役は扇、腰裳、敷物など種々の祭具をビロウでつくって用いる。

一方で、ビロウは容器や建築材、さらには船の帆と、日常生活の全般にわたって広く使われた。

また、かつての琉球の最高位の女神官であった聞得大君が斎場御嶽で即位式を行う際にも、このビロウでふかれた仮屋がつくられた。

このように、沖縄では神事と実用の両面で、ビロウが重要な役割をはたしている。

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形態

葉の形質

葉は幹から多数頂生し、直径 1~1.5 mぐらいの円形または扇状円形で、掌状に多数中~深裂する。

裂片は線形で内曲し、中ほどまで2裂し先端は下垂する。葉柄の長さは 1~1.8 m、両側の基部近くには逆刺がある。

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茎(幹)の形質

幹は直立で枝分かれしない。樹皮は灰白色で近接する環紋がある。

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花の形質

花は春に葉えきから舟形の大きな包葉とともに花序を出す。花序は多数分枝し、長い柄があり、長さ 1 mぐらいになる。

花は両性花で白色または緑色、長さ 0.4 ㎝、臭気があり、密に集まり長花序となる。がく片は広卵形、花弁は卵形、雄しべは6個、雌しべは1個。

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果実の形質

果実は長さ 1.5~3.5 ㎝の球形または楕円形で、黒色または碧黒色に成熟する。

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種子の形質

種子は堅くチャノキの種子に似る。

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似ている種 (間違えやすい種)

オガサワラビロウ

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生態

生育環境

暖地の島、海岸の樹林中に自生、また植栽される。暖地を好むが耐陰性があり、日陰地でも生育し、向陽地にも耐える。

耐寒性、耐アルカリ性、耐高塩基性もある。若木の耐寒性は乏しい。

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その他生態

繫殖は実生。4~5月に播種、発芽率は30%ぐらい。発芽後5~6年の生長は遅い。

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種・分類一覧