- 解説一覧
- ミズバショウ(Lysichiton camtschatcensis)について
基本情報
- 草丈・樹高
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高さ 10~30 cm
参考文献
- 大橋広好 1982 ミズバショウ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 138.
最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン
- 花期
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5~7月
参考文献
- 大橋広好 1982 ミズバショウ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 138.
最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン
- 分布
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本州(兵庫県および中部以北の日本海側)、北海道、千島、カムチャッカ、樺太、ウスリーに分布する。
参考文献
- 大橋広好 1982 ミズバショウ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 138.
最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン
- 人間との関係
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雪解けを待ちかねて、純白の仏炎苞を伸ばした姿は美しく、絵画や詩歌に数多く取り上げられている。
「夏の思い出」の歌には続いて、「…水芭蕉の花がにおっている…」と歌われているが、においは悪い。「小川のほとりをさまよい行けば、美しからずや咲く水芭蕉…」と北海道大学の寮歌にも歌われている。
兵庫県のミズバショウの自生する湿地は1970年に見つかり、今は県の天然記念物に指定されている。
この湿地には、戦国時代にこの沼を馬に乗って渡ろうとした武士が、馬もろとも沼の中に姿を消したという伝説があり、人々に怖れられていたので近づく人がいなかったため、長い間、ミズバショウは誰にも気づかれなかった。発見と同時に、泥炭層をボーリングし、炭素の同位元素による年代測定を行って、ミズバショウの花粉の残存を調べた結果、古くからの自生であることが確認された。
1991年、兵庫県内のそれよりさらに南で、植栽したものとは考えられないミズバショウが見つかったが、自生かどうかの調査に入る前に、10数株のミズバショウは跡形もなく盗掘されてしまい、幻の記録となった。
参考文献
- 山田卓三 1992 ミズバショウ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 396.
最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
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葉は鞘状に退化して目立たないが、花後に生長して長さ 80 cm、幅 30 cmになる。大きなものでは 1 mくらいになる。
参考文献
- 大橋広好 1982 ミズバショウ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 138.
- 山田卓三 1992 ミズバショウ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 396.
最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン
- 茎(幹)の形質
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肥大し、盛んに枝分かれする短い根茎をもつ。根茎には1個の花序と2枚の葉からなる単位(仮軸)がぎっしりと並んでおり、休眠期を除いて次々に展開する。春先に伸びる仮軸では花序が発達する。
参考文献
- アリステア・ヘイ 1997 ミズバショウ, 八尋洲東(編) 植物の世界11,種子植物 単子葉類3. 朝日新聞社. 68₋71.
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- 花の形質
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花序は葉に先立って開く。仏炎苞の舷部は白色、長さ 8~15 cm。花は高さ約 2 mm、表面は径 3.5~4 mm。
花被片は舟形で、肉質だが上部の縁辺のみ膜質である。花序の一部に見られる表面に現れた部分は、花被片の上部約3分の1の背面部分で、淡緑色、ほぼ六角形、径 1.5~2 mm、ほかの部分は白色である。
開花前には4枚の花被片が花の表面を被っているが、最初に雌蕊が花被片を押し上げて現れる。柱頭はすぐに開き、透明で水滴がついているように見える。次に4個の雄蕊が順に現れる。葯は黄色で外向し、柱頭よりも高く位置し、花外に出るとただちに裂開する。
花糸は白色、扁平で膜質、長さ約 2 mm。雄蕊の基部は花序の軸中に埋もれ、子房は2室、内にはゼリー状の物質に包まれた1~2個の胚珠がある。
花序軸から突出した部分は雌蕊状で、ほぼ三角錐形、緑色で高さ約 2 mmである。
参考文献
- 大橋広好 1982 ミズバショウ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 138.
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- 果実の形質
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果序は長さ 12 cm、径 5 cmになり、液果は花軸に埋まり、緑色に熟す。
参考文献
- 大橋広好 1982 ミズバショウ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 138.
最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン
生態
- 生育環境
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湿原やまばらな林下の湿地に大きな群落をつくって生える。
参考文献
- 大橋広好 1982 ミズバショウ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 138.
最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン
- 種子散布様式
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水流によって散布される。
参考文献
- 山田卓三 1992 ミズバショウ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 396.
最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン