- 解説一覧
- シュロ(Trachycarpus fortunei)について
基本情報
- 学名の解説
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属名は「ざらついた Trachy」+「果実 carpus」。果実の表面の手触りから。種小名 fortunei は東アジアの植物採集家R.フォーチュンを記念したもの。
参考文献
最終更新日:2020-05-13 キノボリトカゲ
- 人間との関係
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庭園、黒煙の植え込み、鉢植えとして室内装飾用とする。。皮は、シュロ縄、網、敷物、ハケなどの原料とする。
新葉がまだ開かないうちに採取して「晒葉」としたものは、下駄、草履類の表、下駄の緒、敷物、帽子、籠などに用いる。
シュロ皮の繊維は強くはないが、耐水性があるので、シュロ縄、刷毛、たわし、敷物などの原料とする。材は床柱、欄干などに用いる。
シュロ皮の繊維の黒焼きは鼻血の止血に、乾燥した花穂は高血圧予防に用いられる。
「棕櫚」の日曜日など、聖書に登場する palm はシュロと訳されるが、これは実際はナツメヤシのことである。
シュロの葉を図案化した紋所に、棕櫚、抱き棕櫚、三割り棕櫚などがある。
中国では若い花序が食用にされる。
季題は「春」棕櫚の日曜日。「夏」棕櫚の花。「冬」棕櫚剥ぐ。「梢より放つ光やしゅろの花 蕪村」「棕櫚の花こぼれて掃くも五六日 虚子」などの句がある。
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最終更新日:2020-05-13 キノボリトカゲ
形態
- 花の形質
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雌雄異株。大形の肉穂花序は葉の間に抽出し下を向く。長さ 20~25 ㎝、分岐する。粒状の細かい淡黄色の小花を密集して開く。
花被片は6、雄花には6雄しべ、雌花には1雌しべがある。
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生態
- 生育環境
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暖地の適潤地に野生化している。土性を選ばず、乾湿、陰陽にも適応性がある。
萌芽力少なく、生長は遅い。樹勢は強健で、耐潮性、耐煙性、耐寒性がある。
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最終更新日:2020-05-13 キノボリトカゲ
- その他生態
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繫殖は実生による。秋に採種し、室内で乾燥、4月に播種する。5月に実生苗を集めて育成してもよい。
枯葉や下垂枝を切り取る。花房も切り取る。シュロ毛はシュロ縄で幹を巻き付ける。
施肥の必要はない。病害虫の防除の必要もない。
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