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ツユクサ(Commelina communis)の分類 Commelinaceae
ツユクサ(Commelina communis)の概要 Commelina

ツユクサ(Commelina communis)

【 学名 】
Commelina communis L.

基本情報

生活形

一年草または短命な多年草

参考文献

  • デヴィッド・ハント 1997 ツユクサ, 八尋洲東(編) 植物の世界11 種子植物 単子葉類3 裸子植物. 朝日新聞社. 52₋54.
  • 北村四郎, 村田源, 小山鉄夫 1964 ツユクサ, 北村四郎、村田源、小山鉄夫 (著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅲ・単子葉類. 保育者. 174.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

花期

6月~9月

参考文献

  • 北村四郎, 村田源, 小山鉄夫 1964 ツユクサ, 北村四郎、村田源、小山鉄夫 (著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅲ・単子葉類. 保育者. 174.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

分布

温帯、暖帯:北海道、本州、四国、九州、琉球、朝鮮、中国、満州、ウスリー、樺太、北アメリカに野生化している。

参考文献

  • 北村四郎, 村田源, 小山鉄夫 1964 ツユクサ, 北村四郎、村田源、小山鉄夫 (著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅲ・単子葉類. 保育者. 174.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

別名・方言名

別名:アオバナ(青花)、ボウシバナ(帽子花)、ツキクサ(着草、月草)

多くの人々に関心を持たれている植物なので方言名も多く、200例近くがある。

方言名:アイバナ、アカクサ、イロハナ、オンドリバナ、カシワノハナ、カッコバナ、ギイスグサ、キンギリ、スグサ、コウヤノアネマ、コウヤノオカタ、ジシバリ、ソメコバナ、タンブリバナ、チマキマンジュ、チョンチョリングサ、チンチロリングサ、ホタルグサ、ムギクサ

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ツユクサ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 161₋162.
  • 山田卓三 1992 ツユクサ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 432.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

分類学的位置付け

ツユクサ科

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ツユクサ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 161₋162.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

人間との関係

昔は、すりぞめに使われた。後に友禅や紋染の下絵に用いる方法が考案された。

早朝に採集した花弁のしぼり汁を紙に染み込ませ、これを使うときに水に浸すと下絵用の染料が得られる。これを青花染料という。現在ではオオボウシバナが栽培され使われている。

『万葉集』には、ツキクサ(鴨頭草)の名で8首が詠まれている。歌はこの花で染めた衣の色の変わりやすいことにことよせて、頼りにならない恋心を詠んだ内容になっている。

またツユクサは食用にもなり、初夏の頃、花が咲くまでの柔らかい茎先と、若い葉を摘む。

ひとつまみの塩を入れた熱湯でよく茹で、流水にさらしてから、油炒めや二杯酢、酢味噌和え、お浸し、汁の実などにする。姿のまま天ぷらにもできる。

【成分】
花の色素は、アントシアンのデルフィニジン、粘液質、フラボノイドのアオバニンなどを含んでいる。

【薬効と用い方】
・解熱に用いる。
乾燥した全草1回量 4~6 gを、200 ㏄の水で煎じて服用する。熱が下がらない時には、1日3回を限度にしてこれを繰り返すとよい。

・下痢止めに用いる。
乾燥した全草 10~15 gを1日量として、400 ㏄の水で煎じて、1日3回に服用する。

民間薬として茎や葉を乾かしたものを煎じて利尿剤やのどの痛みに用いるほか、脚気、リウマチ、動脈硬化、喘息にもきくといわれる。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 ツユクサ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 806.
  • 山田卓三 1992 ツユクサ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 432.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

形態

葉の形質

葉は広披針形~卵状披針形、長さ 5~8 cm、幅 1~2.5 cm、鋭尖頭~鋭頭、通常無毛である。

基部の長さは 1~1.5 cmの膜質の葉鞘となる。

苞は葉に対して出る長さ 1.5~3 cmの柄の先につき、円心形、径 2 cm内外、基部心形。

先は急に短く尖り、毛は無いかまばらにあり、内側に半折して花序を包む。

参考文献

  • 北村四郎, 村田源, 小山鉄夫 1964 ツユクサ, 北村四郎、村田源、小山鉄夫 (著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅲ・単子葉類. 保育者. 174.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

茎(幹)の形質

茎は円柱状で横にはって斜上し、節は膨らみそこから白い根をだし、分枝しながらよく繁殖する。先は高さ 20~50 cmになる。

毛はなく、表面はつるつるしている。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ツユクサ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 161₋162.
  • 北村四郎, 村田源, 小山鉄夫 1964 ツユクサ, 北村四郎、村田源、小山鉄夫 (著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅲ・単子葉類. 保育者. 174.
  • 佐竹義輔 1982 ツユクサ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 74.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

花の形質

次々と苞の外に出て1個ずつ開き、1日でしぼむ。

がく片は3、楕円形で長さ約 4 ㎜、鈍円頭である。

花弁の2個は大きくほぼ同形で青色、幅約 1 cm、基部には長い爪があり、1個は白色披針形で長さ約 5 ㎜で、鋭頭。

雄ずいは2個、花柱と共に長く超出し、仮雄ずいは4個、その中1個は長く、3個は短い。

花糸は無毛である。

ときに白花または淡藍紫色の花を開くものがある。

変異が多く苞の外面に長白毛のあるもの(ヒメオニツユクサ、ケツユクサ)、葉の裏に毛のあるもの(ホソバツユクサ)、葉の裏に毛が多くときに上面まで毛があり、苞にも短毛および長白毛のあるもの(オニツユクサ、ランゼキツユクサ、カラツユクサ)などあるが、それぞれ中間形があって、はっきり区別できない。

蒴果は長い楕円形で、はじめは白色であるがのちに褐色になり、2片に割れて4個の種子がある。

参考文献

  • 北村四郎, 村田源, 小山鉄夫 1964 ツユクサ, 北村四郎、村田源、小山鉄夫 (著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅲ・単子葉類. 保育者. 174.
  • 佐竹義輔 1982 ツユクサ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 74.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

果実の形質

果実は楕円体で白色多肉質であるが、やがて乾いて3裂する。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ツユクサ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 161₋162.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

種子の形質

種子は半楕円形で長さ 7~8 ㎜、黒褐色で表面に凹凸がある。

参考文献

  • 佐竹義輔 1982 ツユクサ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 74.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

生態

生育環境

日本全土の日のあたる路傍・荒地・庭先、人家付近や山野などに生息する。

参考文献

  • デヴィッド・ハント 1997 ツユクサ, 八尋洲東(編) 植物の世界11 種子植物 単子葉類3 裸子植物. 朝日新聞社. 52₋54.
  • 伊沢凡人 1980 ツユクサ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 161₋162.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

その他生態

ツユクサは再生力が強く、節部から根や葉を出すので、椎性の実験や根毛の観察用にも適している。

また葉肉の細胞はばらばらになりやすいので、切片をつくらなくても細胞や葉緑体の観察ができる。

参考文献

  • 山田卓三 1992 ツユクサ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 432.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

種・分類一覧