- 解説一覧
- ヤマノイモ(Dioscorea japonica)について
基本情報
- 別名・方言名
-
別名:ジネンジョウ(自然生・自然薯)
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ヤマノイモ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 257.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 人間との関係
-
生薬の山薬は、ヤマノイモやナガイモから作る。外側の皮を除いて乾燥する、粉質、円柱状や板状のものもある。
『神農本草経』によれば、「虚弱体質を補って早死にしない。胃腸の調子をよくし、暑さ寒さにも耐え、耳、目もよくなり、長寿を保つことができる」とある。
【成分】
ジアスターゼ、マンニット、コリン、デンプン、アミノ酸などを含んでいる。
【薬効と用い方】
・滋養、強壮に用いられる
山薬酒を飲む。乾燥した根(山薬)200 gを細かく砕き、グラニュー糖 150 gとともにホワイトリカー 1.8 ℓに漬け、2~3ヵ月こす。1日1回 30 ㏄を、就寝前に飲むとよい。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ヤマノイモ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 792.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
-
葉身は対生する柄につき、長卵形で先は尖り、基部は心臓状耳形である。葉腋にムカゴができる。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ヤマノイモ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 257.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 茎(幹)の形質
-
茎は蔓状にものに絡まって数m以上も伸び、疎に枝分かれする。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ヤマノイモ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 257.
- 山田卓三 1992 ヤマノイモ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 380.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 根の形質
-
地中には円柱状にふくれた根が縦に伸び、中味は白く柔らかで粘つく。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ヤマノイモ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 257.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 花の形質
-
雄花は葉腋から垂れた軸(3~5)に穂状につき乳白色をしている。
花被6、雄しべ6、子房は退化し痕跡、雌花は葉腋から垂れた軸に穂状につく。下位子房は3室、仮雄しべがある。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ヤマノイモ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 257.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 果実の形質
-
果実は平たくて横幅の広い軍配扇状の羽根3をもち、緑から茶褐色に熟す。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ヤマノイモ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 257.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 種子の形質
-
丸くてうすい膜質翼のついた種子が3個できる。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ヤマノイモ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 257.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 似ている種 (間違えやすい種)
-
・オニドコロ
ヤマノイモがある所には、必ずといっていいほどこれがある。
オニドコロは葉がハート形で、ヤマノイモの葉がつるに対生につくのに、オニドコロは葉が互生しているところが違う。またオニドコロは苦くて、水にさらさないと食用にも薬用にもならない。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ヤマノイモ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 792.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
生態
- その他生態
-
地下に食用になるイモを生じる。大きくなると、長さ 1.5 m、重さ 3 kgになるものがある。食べられるようになるには4~5年かかる。
同じイモが成長するのではなく、春に古いイモの先端に新しいイモができ、古いイモの養分を吸収して毎年大きくなっていく。
ヤマノイモは細長いが、真っすぐに地中に入っているとは限らず、障害物があれば複雑に曲がっており、掘り取るには根気が必要である。
参考文献
- 山田卓三 1992 ヤマノイモ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 380.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン