- 解説一覧
- Musa paradisiacaについて

基本情報
- 別名・方言名
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芭蕉実(ばしょうみ)、甘蕉(かんしょう)
日本にも古くからバナナの仲間のバショウが栽培されている。茎の繊維から布を作る。俳人の松尾芭蕉の名前もこの名に由来する。
参考文献
最終更新日:2021-04-09 ハリリセンボン
- 人間との関係
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作物化の始まりには諸説あり、"紀元前8000年の太古から"とも、"およそ紀元前3000年"とも伝わる。その後、紀元前〜10世紀にかけて民族移動を行ったマレー・ポリネシア族とともに、バナナは世界の東西に広く普及したと考えられる。
日本には、江戸時代の琉球王国(現在の沖縄県)に東南アジアからもたらされた。
生食用のほかに、料理用や観賞用の品種もあり、その数は合わせて300種類以上ある。食用として出回っているのはフィリピン産の'キャベンディッシュ'という品種が中心である。果実は酸味や水分が少なく、糖質のバランスがよい高エネルギー食品であり、手軽に食べられることでも人気が高い。
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形態
- 花の形質
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花芽は茎頂部で形成され、仮茎の中を通って花軸が伸長し、花穂が出現する。
花穂では、輪生する雌花が基部から先端部に向かって段状に着生していき、先端部には雄花が着生する。
単為結果性の品種では、子房は受精することなく発達し、果房が形成される。
花芽分化は、葉が約40枚形成されると始まる。このため、栄養生長が促進される環境下では果実生産が安定し、季節を問わず、収穫することができる。しかし、低温や水ストレスが生じる不良な環境条件では、栄養生長が抑制されるため、花芽分化や果実の生長が抑制され、生産性は低下する。
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関連情報
- 栽培方法
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常に温度、日照、水分を考慮した管理が必要である。新芽を植えて株を増やすことが可能である。
【植え付け】(4月~5月)
水はけの良い用土に植え付ける。苗は塊茎が太くて短く、葉があまり開いていないものがよい。鉢は少しずつ大きくし、最終的には12号鉢以上の鉢に植え替えていく。
【整枝剪定】
特に剪定をする必要はないが、枯れた葉は根元から取り除く。株が大きくなると根元から新芽が出てくるので、一つだけ残して摘み取る。
【施肥】(5月、7月、10月)
肥料は4~10月の成長期間中には2ヶ月に1回、1回につき有機質肥料を適量と、月1~2回液肥を与える。葉が黄色くなったら肥料不足である。
【摘花・摘果】(4月~5月)
よい実を収穫するために、開花1週間後に摘花(中世花と雄花苞を摘み取る)を、実がなったら摘果(一番下の段を摘み取る)をする。実が大きくなってきたら支柱を立てる。
【収穫】(7月~9月)
開花から70~100日で、実の断面が四角形から丸みを帯び、実の色が淡い緑色になったら収穫する。常温で黄色になるまで追熟させる。
【日照条件・栽培適地】
栽培には高温(25~30℃)で、降水量が100mm/月以上ある湿潤な熱帯低地が最適である。低温は果実生産を低下させるが、高度 1,200 mまでの熱帯高地や亜熱帯にかけての広い範囲で栽培が可能である。しかし、降霜が頻繁な地域では栽培は困難である。強風は葉を害したり、倒伏を生ずるので、栽培には強風のない場所を選ぶのがよい。
土壌の適応性は広いが、有機物が豊富で、耕土が深く、排水性の良い土壌が適している地下水位が高く、排水不良な場所では生育が低下して終了が減少する。
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最終更新日:2021-04-09 ハリリセンボン
- 病害虫
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主な病害には細菌類による萎凋病、斑葉病がある。
萎凋病は、病原菌が根から侵入して道管部を塞ぐため、株が枯死する。薬剤による防除は困難で、Cavendish ('キャベンディッシュ')のような抵抗性品種を選ぶ。
斑葉病は、葉脈にそって黄色の条斑が発生し、葉が枯れていく。AAB, ABBグループの品種は、この病気に対して抵抗性がある。果実には、炭そ病がよく発生する。
主な害虫は、バナナセセリとゾウムシ類である。
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最終更新日:2021-04-09 ハリリセンボン
- 味や食感
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世界で生産されるバナナの約半分は料理用だが、日本での利用はほとんどが生食用である。
バナナは寒さに弱く、冷蔵庫で保存すると皮が黒く変色するので、常温で保存する。常温で保存すると追熟が進み果皮に茶色い斑点が出ると食べごろになる。
生食はもちろん、ジュースやケーキなどにしてもおいしい。
生食用バナナの炭水化物は消化、吸収が良い。ビタミンB、Cも豊富である。
料理用のバナナは熱帯地方全域で食されており、果肉はかたく、イモ類に似ている。焼く、揚げる、煮る、皮のまま蒸すなどで調理される。
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最終更新日:2021-04-09 ハリリセンボン