- 解説一覧
- ミョウガ(Zingiber mioga)について
基本情報
- 分布
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帰化植物として、本州、四国、九州、沖縄などに自生状態になっている。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ミョウガ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 846.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 和名の解説
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昔、釈尊の弟子に般特という人があって、よく物を忘れ、自分の名まで忘れてしまうというありさまであった。
そこで、ある人が名札を作って首にかけてやったが、名札をかけたことさえ忘れてしまった。
その般特が死んだ後、墓から草が生えた。おおかた名を荷って来たのであろうと、その草に茗荷という名がつけられたという。
参考文献
- 山田卓三 1992 ミョウガ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 431.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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別名:めうがそう(茗荷草)、じゃうか(蘘荷)、どんごそう(鈍根草)など
参考文献
- 山田卓三 1992 ミョウガ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 431.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 人間との関係
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古名はメカで、この名は『和名抄』(932)に記述があるが、谷川土清の『和訓栞』(1777)によると、「メカは芽香の義なるべし、蘘荷の字音にはあらじ、俗に芽をミョウガタケといい、花をミョウガノコと言えり」と記してある。
中国のミョウガは、かつて我国のものと別種のようにされていた時代もあったが、現在は同じものとされ、学名も同じで、そのうちの種名は日本名のミョウガを用い、ジンギベル・ミョウガとなっている。
花穂はミョウガの子の名で知られ、辛み、芳香があるため、汁の実や酢の物、揚げ物、つまや薬味に広く用いる。
『正倉院文書』や『延喜式』の大膳、内膳の宮中料理に用いられていた記録から見ると、かなり古い時代から食用にされていたことがわかる。
またミョウガの根はかき揚げにしても美味しい。ほかにも味噌の中に入れておくと味噌漬けができる上に、1週間ほどで味噌にほのかなミョウガの香りが移る。
【薬効と用い方】
成分はアルファ・ピネンなどの精油を含む。
・凍傷のかゆみに用いられる。
根茎 20~30 gを、水 400 ㏄で2分の1量に煎じ、その煎汁で洗う。
ほかにもミョウガの子を食べることで、消化促進に用いる方法もある。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ミョウガ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 846.
- 山田卓三 1992 ミョウガ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 431.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
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茎の上の方に葉が互生し2列に並び、葉身は長楕円状披針形で先はとがる。
もとは鞘となり、へりは波状で縁は濃く、質はうすくて香りがする。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ミョウガ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 129.
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- 茎(幹)の形質
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根茎は円柱状で多節、やや肉質で地下をはい、淡黄色で髭根があり、また白い地下枝がのび繁殖する。
茎(偽茎)は初夏に生長し、40~100 cmぐらいになる。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ミョウガ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 129.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 花の形質
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根茎から伸びだした短い軸の先に、重なり合った包葉に包まれ、数個次々に開き、淡黄色で1日でしぼむ。
がくは膜質で短い筒形、花弁は3で管状部は細長く、唇弁(仮雄しべの変形したもの)は広卵形で基部の左右には小裂片がある。
雄しべ1は線形、葯は黄褐色で縦列し、花柱は白色糸状でその間を貫き、子房は下位である。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ミョウガ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 129.
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- 果実の形質
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果実はときどき実り、熟すと裂開し、果皮の内側は赤い。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ミョウガ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 129.
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- 種子の形質
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種子は黒色で白い仮種皮をかぶる。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ミョウガ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 129.
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