- 解説一覧
- ヤブラン(Liriope muscari)について
基本情報
- 分布
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本州(関東以西)、四国、九州、沖縄に自生する。中国、台湾にも分布する。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ヤブラン, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 767.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 和名の解説
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葉がランに似ていることと、藪かげに生えることからヤブランの名がある。
参考文献
- 山田卓三 1992 ヤブラン, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 430.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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方言名:インノッポ、テッポウダマ、ネコノメ、ボンバナ、オドリコ、オフクダマ、ヅクダマ
参考文献
- 山田卓三 1992 ヤブラン, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 430.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 人間との関係
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昔は園芸家の間で漢名の麦門冬が使われていたが、いまは「禾葉土麦冬」が中国の標準名になっている。観賞用に庭に植えられたりしている。
江戸時代に既に栽培されており、宮崎安貞著の『農業全書』には、「ばくもんどう、是に大小二種あり、おおきなるはやぶの中に多し紫花をひらく。性尤もよし。大小共に圃に通りをなしてうへ、時々糞水をそそげば、其根おおきなり。圃に作りたるは大にして、野に生ゆる物にまされり」と記されている。
紫黒色に熟す果実とともに雅趣があり、葉に縞斑や虎斑の入るものなど園芸品種が育成されている。
【成分】
ベータ・シトステロール、粘液質のほかは未精査である。
【薬効と用い方】
滋養、強壮、催乳、せきに用いられる。1回量 6~10 gを水 300 ㏄で3分の1量に煎じて服用する。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ヤブラン, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 767.
- 山田卓三 1992 ヤブラン, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 430.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
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葉は根元から重なって出て、線~線状披針形で 30~50 cmになる。
葉脈は約15本、主脈は裏面に隆起し、上半は反り返り、先は鈍く、裏側は深緑色で艶がある。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ヤブラン, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 272.
- 山田卓三 1992 ヤブラン, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 430.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 茎(幹)の形質
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根茎は太くて短く、木質で蔓枝を出さない(リュウキュウヤブラン、ヒメヤブラン、オオバジャノヒゲ、ジャノヒゲは横に長い蔓枝を伸ばす)。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ヤブラン, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 272.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 根の形質
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根は細長く、所々サツマイモ状に肥大する。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ヤブラン, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 272.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 花の形質
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葉間から葉と同長またはそれ以下の 30~50 cmのほぼ丸い花茎の上方に、3~5個かたまって密に総状につく。
紫色で下のものから順次やや上向きに日中開き、朝夕はしぼむ。
花被片6、雄しべ6、花糸は彎曲し葯は長く、子房上位、花柱は単一である。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ヤブラン, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 272.
- 山田卓三 1992 ヤブラン, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 430.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 種子の形質
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果(裸出した種子)は丸くて黒く熟す。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ヤブラン, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 272.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
生態
- 生育環境
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日の差し込む陰湿の常緑樹林下などに生える。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ヤブラン, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 272.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン