ネギ(Allium fistulosum)の解説トップに戻る
ネギ(Allium fistulosum)の分類 Amaryllidaceae
ネギ(Allium fistulosum)の概要 Allium

ネギ(Allium fistulosum)

【 学名 】
Allium fistulosum L.

基本情報

草丈・樹高

約 60 cm程度

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ネギ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 262.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

生活形

ネギは宿根作物だが、ふつうは一、二年草として栽培される。

参考文献

  • 草川俊 1992 ネギ, 草川俊(著) 野菜・山菜博物事典. 東京堂出版. 226₋229.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

花期

初夏

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ネギ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 262.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

原産地

中国の西部

参考文献

  • 伊澤一男 1998 ネギ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 763.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

学名の解説

学名のアリウムも強臭を意味し、この点では東西ともに嗅覚は同じである。

参考文献

  • 草川俊 1992 ネギ, 草川俊(著) 野菜・山菜博物事典. 東京堂出版. 226₋229.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

和名の解説

『本草和名』(918)や『和名抄』(932)では、漢名の葱に対して、岐また紀とし、『農業全書』(1696)には葱をキと読ませ、「キは一字なるゆえ、後世ヒトモジ(一文字)と言う。ワケギ、カリギ、ネギなどと言うも本名はキと言う」とある。

一文字はニラの二文字に対してでき、女房詞として使われたようである。

今日のネギの呼び名は元禄時代前後からである。漢字では根葱と書くが、これは白い根(実は茎)を食べることに由来している。

またネギの語源は、常に土に汚れてきたないので、きたないの「き」、それに強い臭気が強いため、臭気の「き」であるという説もある。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 ネギ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 763.
  • 草川俊 1992 ネギ, 草川俊(著) 野菜・山菜博物事典. 東京堂出版. 226₋229.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

亜種・変種・品種

ネギの品種を大別すると、葉ネギと根深ネギとなる。

葉ネギは緑葉がやわらかく株分かれが多い。

主として関西に栽培され、九条群という系統である。岩槻、越津などの品種があり、葉ネギとして使われる。

根深ネギは、せいぜい2、3本ぐらいにしか株分かれせず、緑葉はかたく、あまり食用としない。だが、葉鞘部は長く伸び、土寄せして軟白して用いる。

これは千住群という系統で、千住黒柄、石倉、深谷などの品種があり、春まき冬とり用で耐寒性が強い。

このほかに加賀郡といって、寒冷地に作られる系統があり、秋末に収穫して、冬季の貯蔵野菜として用いる。

もう一つ寒地の自家用で楼ネギという系統があり、全体でネギの品種は4群に分けられる。

参考文献

  • 草川俊 1992 ネギ, 草川俊(著) 野菜・山菜博物事典. 東京堂出版. 226₋229.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

別名・方言名

別名:ネブカ(根深)、ヒトモジ(一文字)

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ネギ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 262.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

分類学的位置付け

ユリ科

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ネギ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 262.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

人間との関係

渡来したのは『日本書記』(720)に岐、秋岐の記載があることから見て、かなり古い時代と考えられる。

関西人は関東の田舎者はネギの白い根まで食べると笑い、江戸っ子は逆に、関西人はケチだからネギの青いところまで食べると笑うという話が、江戸の頃からあった。

これは、関東の柔らかいローム層の畑では白い部分の多い東京ネギになり、京都付近の粘土質の畑では、青々とした九条ネギになるからである。

明治になって関西ではすき焼き、関東では牛なべが流行りだすと、ネギの需要が増すが、このころ玉ねぎがわが国に入り、ネギの耕作面積が一時的に減少する現象も起こった。

白いネギが用いられてきたのは、「いっさいの魚肉の毒を殺す」ため、煮物、焼き物に使用すると、生ぐさの気を除き、その毒を殺すと考えられたことによる。

【成分】
アリル硫化物、ブドウ糖などを含む。

【薬効と用い方】
・風邪、頭痛、解熱に用いる。
ネギの白い部分を細かく刻み、厚手のどんぶりに入れる。これに生味噌を少々入れて熱湯を注ぎ、よくかき混ぜて熱い汁とともにネギを飲む。分量は大人で1~2本を用いる。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 ネギ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 763.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

形態

葉の形質

上方の緑色の部分は葉で2列にならび5~6枚斜上する。

くだ状中空で粘液に富み、特異のネギ臭があり、夏は枯れる。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ネギ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 262.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

茎(幹)の形質

地上部は約 60 cm程度になり、下部は約 15 cmで鞘状に重なった偽茎で白色である。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ネギ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 262.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

花の形質

葉間から伸びた丸い茎の先に球状に集まり白緑色、花被6、雄しべ6である。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ネギ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 262.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

種子の形質

種子は黒色である。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ネギ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 262.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

種・分類一覧