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ネズミモチ(Ligustrum japonicum)の分類 Oleaceae
ネズミモチ(Ligustrum japonicum)の概要 Ligustrum

ネズミモチ(Ligustrum japonicum)

【 学名 】
Ligustrum japonicum Thunb.

基本情報

草丈・樹高

高さ 5~10 mになる。

参考文献

  • 山田卓三 1992 ネズミモチ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 132.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

花期

6月頃

参考文献

  • 山田卓三 1992 ネズミモチ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 132.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

分布

本州中部以西、四国、九州、琉球諸島、朝鮮半島、台湾に分布している。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ネズミモチ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 251₋252.
  • 伊澤一男 1998 ネズミモチ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 546.
  • 能城修一 1997 ネズミモチ, 八尋洲東(編) 植物の世界2,種子植物 双子葉類2. 朝日新聞社. 203₋204.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

和名の解説

紫黒色の果実がネズミの糞に似ていることから名付けられた。

参考文献

  • 能城修一 1997 ネズミモチ, 八尋洲東(編) 植物の世界2,種子植物 双子葉類2. 朝日新聞社. 203₋204.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

亜種・変種・品種

【変種】
・イワキ(var. spathulatum)
吐噶喇列島の宝島や奄美大島に自生する。小枝に毛があり、葉は厚い革質で先端が丸く、庭木にされる。

【栽培品種】
・フクロモチ(f. rotundifolium)
葉が丸く花序は横に伸びず、果実が丸い。

参考文献

  • 能城修一 1997 ネズミモチ, 八尋洲東(編) 植物の世界2,種子植物 双子葉類2. 朝日新聞社. 203₋204.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

別名・方言名

別名:タマツバキ、テラツバキ

厚くて光沢のある葉がツバキに似ていることから、タマツバキの別名がある。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ネズミモチ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 251₋252.
  • 能城修一 1997 ネズミモチ, 八尋洲東(編) 植物の世界2,種子植物 双子葉類2. 朝日新聞社. 203₋204.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

分類学的位置付け

モクセイ科

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ネズミモチ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 251₋252.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

人間との関係

果実がネズミの糞に、葉はモチノキに似ているというので、すでに古い時代にネズミモチノキと言われており、『和名抄』(932)にもこの名が出ている。

中国原産のトウネズミモチを女貞、その果実を女貞子とするのが正しい生薬名である。しかし、日本では特別に区別せず、どちらも女貞子として使用している。

成分は共通のものを含むので、トウネズミモチでなければ効果がないというわけではない。

第二次大戦の前後、女貞子を多少焦がして煎り、砕いてコーヒー豆の代用にした。しかし、コーヒーに色が似ているだけで味は全く違う。

庭木として植栽され、園芸品種もいくつかつくり出されている。塩害や大気汚染に強いため、トウネズミモチとともに緑化樹としても用いられている。

【成分】
果実中にオレアノール酸、ウルソール酸、アセチルオレアノール酸、マンニットなどが含まれている。

【薬効と用い方】
強壮、強精に女貞子酒を用いる。45度のホワイトリカー 1.8 ℓに女貞子 200 g、グラニュー糖 200 gを漬けて、6ヵ月後にこして使用する。1日3回、1回 20 ㏄ずつ飲む。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 ネズミモチ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 546.
  • 能城修一 1997 ネズミモチ, 八尋洲東(編) 植物の世界2,種子植物 双子葉類2. 朝日新聞社. 203₋204.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

形態

葉の形質

葉は有柄対生で楕円形、先は細く流れるが鈍頭、全縁、革質で硬くつやがある。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ネズミモチ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 251₋252.
  • 能城修一 1997 ネズミモチ, 八尋洲東(編) 植物の世界2,種子植物 双子葉類2. 朝日新聞社. 203₋204.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

花の形質

新枝の先に円錐状につき、白色をしている。もとのほうは筒状、先は4裂、雄しべ2、雌しべ1である。

花筒と裂片の長さが 3~4 mmでほぼ等しく、裂片は反り返る。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ネズミモチ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 251₋252.
  • 能城修一 1997 ネズミモチ, 八尋洲東(編) 植物の世界2,種子植物 双子葉類2. 朝日新聞社. 203₋204.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

果実の形質

果実は長楕円状で、熟すと黒紫色で鼠糞に似る。秋に長さ約 1 cmの果実を結ぶ。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ネズミモチ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 251₋252.
  • 伊澤一男 1998 ネズミモチ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 546.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

種子の形質

種子の表面には細かい粒々があるが、溝はない。

参考文献

  • 能城修一 1997 ネズミモチ, 八尋洲東(編) 植物の世界2,種子植物 双子葉類2. 朝日新聞社. 203₋204.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

似ている種 (間違えやすい種)

・トウネズミモチ
ネズミモチに似て、葉や果実が幾分大きい。これは原産地は中国である。

同じような葉の形に見えるが、トウネズミモチは葉の先が細く尖っているのに対し、ネズミモチは先も元も同じように細めで、先端が特に細くならないため区別がつく。

果実のほうはよく似ているため、区別は困難である。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 ネズミモチ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 546.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

生態

生育環境

関東以西の暖地海岸に自生する。庭園や垣根にも多く植えられている。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 ネズミモチ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 546.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

その他生態

樹皮は灰色をしている。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ネズミモチ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 251₋252.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

種・分類一覧