- 解説一覧
- カキノキ(Diospyros kaki)について
基本情報
- 原産地
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中国、日本
カキの原産地は中国中南部とされ、中国、韓国および日本で古くから利用されている。
日本には奈良・平安時代に大陸から渡来したと考えられ、江戸時代を中心に各地に多数(推定1,000以上)の在来品種あるいは地方品種が分化・発達した。
参考文献
最終更新日:2021-04-07 ハリリセンボン
- 人間との関係
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日本におけるカキの栽培歴は古く、文献による記録から、7世紀にはすでに栽植されており、10世紀ごろにはかなり普及していたものと考えられ、現在でも各地に多くの古木が存在している。
日本のカキの主産地は甘ガキで福島県以南、渋ガキで青森県を北限として沖縄県を除く全国に分布している。これらの主産地の年平均気温は11~15℃の範囲にある。
世界の主なカキの生産地は、中国、韓国、オーストラリア・クイーンズランド州、ニュージーランド北部、イタリア、イスラエル、スペイン、ブラジル北部、アメリカ・カリフォルニア州などであるが、中でも中国の生産面積が最も多い。近年は、オーストラリアおよびニュージーランドでの生産面積が拡大している。
【効能・有効成分】
皮膚を健康に保ち、免疫機能を高め、風邪予防になるβカロチンとビタミンCが多く含まれている。タンニンが二日酔い予防に効果があるとされる。
【食用以外の利用】
甘ガキはそのまま生食されるが、渋ガキは脱渋処理後、または干し柿にして食される。
なお、カキは未熟果の搾汁液から柿渋を製造したり、若葉を茶葉として利用したり、材を木工品に加工したりするなど、果実以外の部位も古くからさまざまな用途に利用されてきた、典型的な多面的利用植物である。
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形態
- 花の形質
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雌花は葉腋に1個着生し、がくは4裂し、花冠はつぼ状で4裂する。子房上位花で、雌ずいの周囲には退化した8本の雄ずい(偽雄ずい)をもつ。
雄花は集散花序で1花序あたり3個着生する。雄花には16本の雄ずいがある。
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関連情報
- 栽培方法
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甘柿は関東以南が限度、東北では甘柿を植えても温度不足で渋みが抜けない場合がある。単為結果性の性質があり、雄花をつけない品種でも実を楽しめるが、甘柿は雄花をつける品種の方が美味しい果実を楽しめる。
根が粗く、一度植えてしまうと移植は困難なので、植える場所の選定には特に注意する。
カキは乾燥に弱く、水分を好むので、深植えする。甘ガキも渋ガキも受粉樹がある方が実つきがよくなり、実が成熟しやすく渋抜けも良くなるため、2品種を植えるのが基本である。
剪定は落葉期に行う。日当たりのよい枝に花芽がつくので、混んでいるところを間引くように剪定する。新梢の先端の近くに花芽がつくので切り戻さないようにする。
夏の整枝において、実がついている時期の整枝は最小限にとどめ、繰り返し行わない。
家庭果樹では人工受粉をした方が確実に結実する。花の形状から、ハケを使うとやりやすい。
【摘蕾】1枝につぼみが2個付いている場合は1個に、3個なら1~2個に、4個なら2個を目安に摘み取ると良い。大きい蕾を残すようにする。花の数を制限すると木の負担を軽減できる。
【摘果】生理落果が終わる7月下旬ごろ、葉15~20枚につき果実1個を目安に摘果するとよい。
実がオレンジ色に熟したら収穫期。実をつけておくと、木に負担がかかり、翌年の実つきに影響するため、早めに収穫する。ハサミで切って収穫。干し柿にする場合は枝をT字型に残すとよい。
日当たりがよく、やや粘土質の保水性が高い場所に植える。
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- 病害虫
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【病気】うどんこ病、紋羽病、黒星病、黒点病、すす病、胴枯病、灰色かび病、葉枯病、円星落葉病、角斑落葉病、炭そ病
【害虫】チャノキイロアザミウマ、カキクダアザミウマ、カメムシ類、オオワタコナカイガラムシ、フジコナカイガラムシ、ツノロウムシ、ハマキムシ類、カキノヘタムシガ、チャミノガ、カキホソガ、イラガ、クロフタモンマダラメイガ、マイマイガ、ヘタムシ
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- 味や食感
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生食、干し柿のほか、羊羹などの菓子やジャム、酢などの加工品にもされる。生食で食べるとき、かたい果肉が好みの場合は、収穫後早めに食べ、柔らかい果肉が好みの場合は常温で数日保存すると柔らかくなる。冷蔵庫で保存すると味が落ちるが、長持ちさせたい時はポリ袋へ入れ、密閉してから冷蔵庫へ入れると1週間ほど持つ。ただ、渋ぬきしたカキは日持ちがよくない。
甘味はショ糖、ブドウ糖、果糖で、干し柿の白粉は果肉表面の糖分が乾燥したものである。
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